大黒摩季がシングル「Stop Motion」でデビューしたのは1992年。もうデビュー15年目になるんですね。
マスコミへほとんど露出しなかった彼女は、ひところは、ナゾに満ちた存在となっていました。ミュージシャンはツアーやライブを行ってこそ制作したCDが売れるわけで、ライブをしないミュージシャンなんて普通は考えられません。
一時期は、「大黒摩季という歌手は実在せず、あの歌はコンピューターで合成されたものだ」とか「歌を歌う担当、写真へ顔を出す担当、作詞作曲担当の、3人の大黒摩季がいる」などといった噂が流れていたこともありましたね。
「実物」の摩季嬢が、メジャーになってから初めてファンの前に姿を現したのは、1997年1月に行われた野外ライブでした。
それ以降はマスコミへの露出も増え、さらに精力的に活動を続け、いつの間にか「15年選手」になりました。
でも、いくつになっても摩季嬢には「ベテラン」なんて言葉は似合いません。今も変わりなくエネルギッシュに歌い続けています。
その摩季嬢の最大のヒット曲である「ら・ら・ら」は、ぼくが元気な時に口ずさみたくなる歌です。
テレビ朝日のドラマ「味いちもんめ」の主題歌だった「ら・ら・ら」は、大黒摩季の11枚目のシングルとして1995年に発表されました。
ぼくは、部屋でこの曲をかけると、たいていギターを弾きながら一緒に歌いたくなります。勢いのある明るい曲ですもんね。
伸びと張りのある、よく通る声が気持ちいいですね。
メロディーはポップ、雰囲気はホット。理屈抜きでスカッとします。ライブ会場の熱い空気の中で聴いてみたい曲です。
でも、歌詞を見ると、恋愛の悩みを抱える年頃の女性のため息が聞こえてきそうですよね。
20代の女性の恋愛観を、摩季嬢自身の、等身大の言葉で代弁しているかのような歌詞です。だからこそ、同世代の女性たちが大きな共感を覚えたのでしょうね。そういう意味では、女性たちはこの歌を、むしろ恋愛中の「適齢期」の男性にこそ聴いてほしいと思うんじゃないかな、なんて思ったりします。
そして摩季嬢も、きっと「男性諸君、ちゃんと女性の気持ちを分かってあげてね~」なんていう思いをこめながら歌ってるんじゃないでしょうか。この曲を聴いていると、そんな気がします。
ある日、ボブ・ディランのライブ・ビデオを見ていた摩季嬢は、出演している大スターたちがフィナーレで大合唱しているのを見て、「自分にもこんな大合唱できるような曲が欲しい」と思いました。これが、「ら・ら・ら」が生まれることになったきっかけだそうです。
プロデューサーは、「タイトルはちゃんとした言葉の方がいい」と考えていたらしいのですが、摩季嬢自身が「"ら・ら・ら"は、"ら・ら・ら"!!」と言い張ったんだそうです。
今では彼女のライブで必ず大合唱が起こるこの曲、やっぱりタイトルは「ら・ら・ら」が大正解だったんですね。
[歌 詞]
◆ら・ら・ら
■シングル・リリース
1995年2月20日
■作詞・作曲
大黒摩季
■編曲
葉山たけし
■歌
大黒摩季
■プロデュース
Being MUSIC FACTORY INC.
■収録アルバム
LA.LA.LA (1995年)
■チャート最高位
1995年オリコン週間チャート 1位(3月6日)
1995年オリコン年間チャート 17位