ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

オルガンが印象的な曲 10撰

2009年04月11日 | 名曲

 
 ここんとこ「自分的ベストテン」のお題にハマっています(^^)
 先日はピアノ曲を取り上げたので、今回は鍵盤つながりということで、「オルガンが印象的な曲 マイ・ベスト・テン」を選んでみました。


 ジャズにどっぷりと浸かっていた頃、あるジャズ・ピアノ弾きの方と話していて、「楽器はアコースティックの方が究極的には飽きないし気持ちが疲れない」という結論に達したことがあります。今思うとこれは極論だと思いますが、その時、例外の音色としてあがったものが二つありました。ひとつはフェンダーのエレクトリック・ピアノ「ローズ」。そしてもうひとつがハモンド・オルガン(もちろんレスリー・スピーカーに繋いだもの)だったんです。


 ぼくの育った家には姉が習っていたためにエレクトーンが置いてありました。ぼくも幼稚園の頃、オルガンを習いに行かされましたが、わずか一日で脱走した思い出があります。でもオルガンがキライだったわけではなく、ピアノやオルガンを習う子がみな女子であることに抵抗があったんですね。だからちょくちょく家のエレクトーンはイタズラ弾きしてました。


 オルガンとひとくちに言っても、教会にあるパイプ・オルガンを始めとして、クラシックで使われるオルガン、ジャズ・オルガン、ロック系統で使われるオルガン、R&Bで使われるオルガン、それぞれに持ち味があります。また、それらオルガン曲の数も膨大なもので、そのすべてを聴いたのか、というとそういう訳でもなく、ぼくが聴いて好きになったごく一部の曲群から自分的10大オルガン曲を挙げてゆきたいと思います。ただしクラシック系、ジャズ系は省き、ロック・ポップス系統のものだけにしぼってみました。


 といいつつも、例外として「G線上のアリア」はあげておこうかな。これ、もともとは弦楽器のための曲なんですが、オルガンで弾かれる例も多く、そのメロディの素晴らしさと雰囲気にはとても心惹かれるものがあります。


次点 翳りゆく部屋(荒井由実)
    スモーキン/Smokin'(ボストン)
 「翳りゆく部屋」、日本のポピュラーから唯一選んでみました。このイントロの教会風オルガンは松任谷正隆氏が弾いているのかな。本当に光と影の鮮やかなコントラストが目に浮かんでくるような曲だと思います。ユーミンのレパートリーの中でも好きな曲。
 「スモーキン」はギタリストのトム・ショルツがオルガンを弾きまくっているハードなブギー・ナンバー。めっちゃカッコいいですよ!

⑩ギミ・サム・ラヴィン/Gimme Some Lovin'(スペンサー・デイヴィス・グループ)
 映画「ブルース・ブラザーズ」の中でも演奏されていますよね。当時弱冠16歳だか17歳だかのスティーヴィー・ウィンウッドが作り、オルガンを弾きながら歌っていた曲です。オルガン主体のサウンドに乗ったソウルフルな歌声が良いですね~

⑨ライク・ア・ローリング・ストーン/Like A Rolling Stone(ボブ・ディラン)
 ディランはそんなに深くは聴いてないのですが、歌詞がとても文学的なんですよね。なんでもノーベル賞にノミネートされたこともあるとか。フォークのカリスマとして偶像視されていただけに、彼がエレキ・ギターを持ったことは大きな事件だったようです。その「エレクトリック・ディラン」の放ったビッグ・ヒット、「ライク・ア~」はバックに流れるオルガンが印象的。このオルガンを弾いているのがアル・クーパーです。彼はほとんどオルガンを弾いたことがなかったそうなんですが、この曲のレコーディングで適当なキーボード・プレーヤーがいなかったため、半ば強引に申し出て演奏したんだそうです。そのプレイはとても個性的だったので、このディランとのセッションによってアルはオルガン奏者として認められました。

⑧ハートに火をつけて/Light My Fire(ドアーズ)
 ドアーズのオルガンの音色も実に個性的ですよね~ 一聴しただけで、「あ、レイ・マンザレクだ」と分かります。この曲はシングル・ヴァージョンもあるんですが、オルガンを堪能しようと思ったら、やはりアルバムに収められているロング・ヴァージョンをオススメしたいです~

⑦ショットガン/Shotgun(ヴァニラ・ファッジ)
 オルガンの音色も目立ちますが、どちらかといえばこの曲はメンバーそれぞれのソロをフィーチュアすることで成り立っています。とはいえマーク・スタインの弾くオルガンは攻撃的で存在感バッチリ! オルガンがハード・ロックの中でも充分雰囲気をヒート・アップさせることができることを証明している感じですね。目立つといえば、この曲ではカーマイン・アピスのドラムも印象的。

⑥男が女を愛する時/When A Man Loves A Woman(パーシー・スレッジ)
 いや~、この曲は名曲ですね。そしてパーシーの熱唱も名唱のうちに数えられるべきでしょう。いわゆる3連のロッカ・バラードです。派手なオルガンのソロはないですけれど、全編バックで流れるオルガン・サウンドは実にシブくて黒っぽく、曲の印象を決定づけていますよね。この曲はマイケル・ボルトン版も好きで、カラオケで無謀なチャレンジを繰り返しては、その度に自滅しています(^^;)

⑤七月の朝/July Morning(ユーライア・ヒープ)
 10分以上にも及ぶ大作。ハード・ロック・バンドの作るバラードには美しいものが多いですが、この曲もメロディアス。オルガンを弾いているのはケン・ヘンズレーです。歪み系のエフェクターをかけた音色が個性的。中間部のソロはメロディックでしかも弾きやすいので、コピーしてカセット・テープをバックによく弾いて遊んでいました。

④聖地エルサレム/Jerusalem(エマーソン・レイク&パーマー)
 もともとはこの曲、賛美歌だそうです。オルガン、ベース、ドラムスのオルガン・トリオで演奏されている、まさにオルガン曲。アレンジもオルガンもキース・エマーソンが担当しています。キースはロック界屈指のキーボード・プレーヤーとして有名ですね。ドラマティックで、そのうえ荘厳な雰囲気を湛えているこの曲、「プログレは難解だから」と思って二の足を踏んでいる方々にもオススメの名曲です。

③朝日のあたる家/The House Of The Rising Sun(アニマルズ)
 1960年代を代表する名曲のひとつです。8分の12拍子で、トラディショナル・フォークをアレンジしたものです。エリック・バードンの歌声が実にソウルフル。エリックのヴォーカルと並んでバンドの売り物だったのが、アラン・プライスのオルガンです。この曲のソロはとても有名。オルガンがまるですすり泣いているように聴こえます。当時の日本のGSもこぞってこの曲をレパートリーに取り入れていたようですが、その中で唯一このアランのオルガンを完コピーしていたのが大野克夫氏だった、というのを何かで読んだことがあります。

紫の炎/Burn(ディープ・パープル)
 バッハのコード進行をモチーフにしたと言われている曲です。ギターとオルガンがハモるリフもかっこいいし、ヴォーカルもとっても渋カッコいい! ジョン・ロードの弾く間奏部分、実にドラマティックです。スピード感はあるし、メロディもクラシカルで実に美しいです。初期の頃の「ハッシュ」「ヘイ・ジョー」などの曲で聴かれるオルガンもサイケで良いですよね。

①にして別格 青い影/A Whiter Shade Of Pale(プロコル・ハルム)
 もう万人が知っている名曲中の名曲でしょう。ぼくの好きな曲ベストテンにももちろん入ります。ぼくが「レット・イット・ビー」に続いて弾けるようになりたいと思った曲です。頑張ってマシュー・フィッシャーの弾くオルガン・パートを全編コピーしました~ この曲はエレクトーンの教材にも使われているんですよね。ゆるやかな8ビートに乗って雰囲気満点のオルガンが終始流れています。当時、「クラシックとR&Bが結婚した曲」だと評されていた通り、荘厳ながらもどことなく黒っぽい響きのする曲だと思います。過去にCFに使われたことも多く、有名なイントロ部分などは、ほとんどの人が知っているのではないでしょうか。


     


 ロック・ポップス系のオルガンだけでなく、ジャズ・オルガンも好きですよ~ とくにやはりジミー・スミス御大! ジャズ・オルガンってブラス・セクションにも合うし、ギターとの絡みを聴いても楽しいんですよね。
 もちろんクラシック系のオルガンも大好き。やはり教会音楽で使われているオルガンが荘厳で良いです。コントラバスとオルガンのデュオ・アルバムも何枚か持ってますが、クラシックの名曲をたくさん取り上げているので聴きやすく、よくCDをトレイに乗っけてます。


 さて、「自分的ベスト10」、まだネタがありますので、まとまり次第記事にしてみたいと思います~(^^)



人気blogランキングへ←クリックして下さいね

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする