■ヒート [HEAT]
■1995年 アメリカ映画
■監督・脚本…マイケル・マン
■音楽 ………エリオット・ゴールデンタール
■出演
ロバート・デ・ニーロ
アル・パチーノ
ヴァル・キルマー
トム・サイズモア
ジョン・ボイト ダニー・トレヨ
ナタリー・ポートマン ダイアン・ヴェノーラ
エイミー・ブレナマン アシュレイ・ジャッド
etc・・・
「映画史上に残る銃撃シーン」の謳い文句に興味をひかれて見た「ヒート」。たしかに、中盤あたりに出てくる銃撃戦は、今まで見た映画の中でもまれな、迫力あるものでした。
ロバート・デ・ニーロ(左)とヴァル・キルマー
この映画、「明と暗」「静と動」「善と悪」、そして「刑事と犯罪者」、つまりヴィンセント・ハナ刑事(アル・パチーノ)とニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)を対比させながら、実はふたりは「同じ世界」に住む「仲間」であることを浮き彫りにしています。
ロバート・デ・ニーロ
正義感というより、本能的に犯罪者を追わずにはいられないヴィンセントは、プロの強盗団のリーダー格であるニールを追ううちに、奇妙な連帯感を覚えます。ニールもヴィンセントの能力を恐れながら、実はふたりは同じ生き方しかできないことを認めているのです。
アル・パチーノ
主演のふたり、シブいですねぇ。クールなデ・ニーロ、ワイルドなパチーノ、どちらもカッコいいです。最後のシーンは、ひと昔前の西部劇に見られた「ガンマンの決闘」を思い出しました。
ほかにはヴァル・キルマーの抑えたクールさが良かったです。
この映画、まず街の息遣いが感じられるようなリアルな映像に引き込まれました。リアルといえば、主演のふたりは実在しています。ヴィンセントは、元シカゴの捜査官チャック・アダムソン氏。そしてニールは、アダムソン氏が逮捕に全力をあげた、その名もニール・マッコーリーをモデルとしているんだそうです。
ドラマのディテールや逸話は、マン監督が、捜査官や犯罪者から長年にわたって取材・収集した情報を元にしています。
また、強盗団の運転手役を演じているダニー・トレヨは、実際に刑務所に入っていたことがあり、服役中に演技を勉強し、出所後に俳優となったそうです。
ヴァル・キルマー トム・サイズモア
典型的な「刑事対犯罪者」ドラマですが、デ・ニーロとパチーノの存在感が際立っていますし、そのふたりの対比がくっきりしているので、3時間弱の長編ながら、時間が苦になりませんでした。
ぼくはロバート・デ・ニーロが大好きなんですが、これは彼の出演した作品の中でも五本の指に入るもの、と思っています。
『ヒート』 トレーラー
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