今日、大阪府中学生演劇祭が大阪市立平野区民ホールで開催され、箕面三中の演劇部が、出場しました。
私も応援に行ってきました。
開演前に舞台を訪ねると、「あっ、校長先生!」と喜んでくれます。
ねぎらいの言葉を、部員たちにかけ客席に戻りました。
三中は午前中一番の出演で、創作劇「芽衣子とびんのふた」を演じました。
この創作劇は、部員の女子生徒が全部書きあげ、おとなの手は入っていません。
学校は同じことの繰り返しでつまらないと、登校したがらない愛利に、おばあちゃんが70年前の第二次世界対戦の頃の、自分の少女時代をかたりはじめます。
その少女は二人姉妹で、父にはある日、赤紙が届き出兵。病弱の母は寝たきりの状態。
一人田舎に疎開する少女に、家族はびんのふたをわたします。つらいことがあったら、このびんのふたを見るんだよと。
終戦を迎え、わが家に戻った少女はぼう然と立ちすくむ。家は跡形もなく、無くなっていた。家族はみんな亡くなり、一人ぼっちになってしまった少女。
そして、その少女は戦後70年を生き抜き、いま孫の愛利に自分の半生を語っている。
このストーリーを、三中演劇部の生徒たちが演じました。
彼女たちは、遠い70年前の人びとの心情や願いに、一生懸命に思いを馳せ、見事にそれぞれの役割を演じました。
劇の最後では、おばあちゃんからびんのふたを託された愛利が立ち上がり、普通の生活ができるありがたさを感じ、「わたし、明日から学校へ行くね」と告げる。
その愛利ね手のひらには、びんのふたが、キラキラと光っている・・・。
わたしは、涙を流しながら三中の子が演じる劇を見ていました。
中学生と接していて、いつも感じることですが、彼女たち/彼たちが本気になって、ひたむきに物ごとに取り組む態度は純粋で柔らかく、力強く、感動を与えてくれます。
この柔らかく、力強い中学生の態度に、いままでどれほど自分自身が、励まされきたことか。
劇が終わってからは、舞台と演劇を陰で支えてくれた下級生とキャストの演劇部全員に、顧問3人、演技指導でいつもお世話になっている前山さんが一堂に会して、集合写真を撮りました。
素晴らしい創作劇をありがとう。