日常の家庭生活を送るうえで、親が子どもに話したいことはいろいろあるでしょう。
しかし、中学生になると、子どもが素直に親の話を聞くことが減ってくることは多々あります。
特に、親からの説教じみた話は、はっきりと「聞きたくない!」と言い放つ子もいます。
また聞いているように見えても、心の中では反発を感じて、受け入れようとしない子もいます。
そのような状況ですので、親や教師というおとなからのダラダラとした長い話や、説教じみた話や経験談などをされると、子どもはとくにイヤがるようです。
そういった話には飽きており、「ホラ、始まった」「ハイ、ハイ」となりかねません。
それでもめげずに、一方的に話し続ける人なら、それはそれで貫き通せばいいのです。
しかし、もしあなたができるだけ子どもに話を聞いてほしいと思うなら、工夫がいるようになります。
工夫とは、親が笑い飛ばせるような自分の失敗経験をおもしろく、明るく話すことです。話しだしたはじめのうちはぎこちなくても、だんだん相手がのってくれば、話す方も楽しくおもしろく、おかしく話せるようになります。
たとえば、こんな失敗体験談。
「やっと念願のアーティストのライブに行けると、仕事が終わってすぐ飛び出したんや。あわててライブハウスまで一直線でかけこんだ」
「受付でチケットを差し出した。
すると店の人がなんて言ったと思う?」
「お客さん、これは明日のライブのチケットですよ」
「・・・。そうやった。その日は別のアーティストのライブやったんや」
「やってしまった!」・・・呆然と立ちすくんでいる。
「それで、父さんはトボトボ帰ってきたの?」
「と思うやろ。ところがや・・・」
「お客さん、せっかく来られたし、今日のライブならいくつか空席もあります。値引きして入ってもらえますよ」
「なんと、2000円引いてくれて入れたんや」
「それで、値引きしてもらったうえに、2日間も連続してライブに行けたんや」
「すごいやん、父さん。よかったやん」
「そうやろ!」・・・。
このような失敗経験の話は、教訓を含んだ言葉や子どもの心に働きかけるメッセージを入れなくてもかまいません。
思いもしなかった学びを子どもがすることもありますし、何かに気づく場合もあります。
笑いは話の潤滑剤です。笑いは人の心をなごませ、明るくします。それは、話す相手が思春期の子どもでも同じです。
生徒が集まってくる教員の特徴は、いつも笑顔で接してくれる先生です。
三中生の保護者のみなさん、子育てをしていると、腹立たしいこともあるでしょうが、ニコッと微笑み、楽しく、明るく、面白くお子さんと接してみてください。