箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ハードルを下げる〜新入生体験入学会〜

2016年12月01日 18時02分35秒 | 教育・子育てあれこれ




本日は三中の体験入学会でした。
西南小学校、南小学校の6年生が、午後からきてくれました。

体験授業と部活見学を行いました。

以下は、最初の私のあいさつです。
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6年生のみなさん、今日はようこそ箕面三中へ来てくれました。
わたしは、三中校長の主原といいます。

みなさんは、4月からの中学校生活を楽しみにしていると思います。でも、だれでも新しい世界へ入るのはすこし不安があるのではないでしょうか。

陸上競技にハードル走がありますね。中学入学へのちょっぴりとした不安はハードルを越えるようなものかと、私は思います。

だから三中では今日の体験入学会を開きます。体験入学会は、みなさんのもつ、不安というハードルの高さを低くするものです。そして小さな不安を、楽しみに変えたいと思っています。

そこで、私から、みなさんへ、今日の目標を言います。

一人でも多くの、三中で知っている人を増やしてください。
生徒会の生徒でもいいです。教室に案内してくれる1年生のお姉ちゃん・お兄ちゃんでもいいです。体験授業を担当する先生でもいいです。クラブの先輩でもいいです。クラブの顧問の先生でもいいです。

1人でも多くの人を知っていることが、みなさんにとってハードルの高さを下げることになります。

「あ、あの人知っている、去年の体験入学のとき授業をしてくれた先生や」
このように「人」を知っていることが、三中がみなさんにとってぐっと近くなるのです。

ところで、中学校のしくみは小学校とちがいます。みなさんの中には、今日は、とまどうこともあるでしょう。そんなとき、「中学校って私には向いていないな」と思うかもしれません。

でも、覚えていてください。「向き・不向きよりも前向き」という言葉があります。なんでも試してみよう、チャレンジしてみよう。このような前向きな態度で、今日の体験入学会を過ごすことが大切です。

そして、みなさん、4月には希望をもって、三中へ入学してくることを期待しています。
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「支配」ではなく「サポート」

2016年12月01日 08時55分42秒 | 教育・子育てあれこれ



「ボクには、ボクの人生がある。お父さんにあーしろ、こーしろと言われたくないんや。ボクの生き方を勝手に決めてほしくないんや。ほっといてくれ!」

中学生の息子が、このような言い方をしたとき、これを子どもの反抗と見るか、子どもの自立(=成長)と見るかは、日ごろの親子関係のありようにより異なってきます。

いつまでも子どもだと思っていた息子が、そろそろ自立したと感じる日はやってきます。いや、むしろ、やってこないと困るのです。

お父さんは、子どもの生き方に口を挟んだつもりはなく、人生の先輩として、「生き方とはこういうものだから、こうしなさい」と言ったのですが、気づかないままに、生き方についての理想を話していたのかもしれません。

「おまえのために言っている」と、親は言いますが、愛情のなかに隠れた「支配」を敏感に感じとった息子が、いつまでも親に支配されたくないという気持ちで、冒頭の言葉をぶつけてきたのかもしれません。

そうならば、親はわが子に何も言えないのか。子どものしたいようにさせるのがいいことなのか。このような疑問を感じる保護者の方がおられるかもしれません。

そうではないのです。子どもが助けを求めてきたら、相談にのったり、アドバイスをしたりしたらいいのです。

私が言っているのは、子どもが求めていないのに、子どもの課題について、口を挟んだことにより、子どもが冒頭の発言をしてきた場合のことです。

そして、子どもが助けを求めてきたらとき、大人が子どもをサポートできるには、人間関係がよくなければなりません。これは教師にも、親にもあてはまることです。

学習であっても、スポーツであっても、習い事の技能にしろ、子どもが自分で努力するしかありません。

その結果は子ども自身に及び、その責任は子どもが引き受けるしかないのです。大人であっても、子どもの課題に土足で踏み込むと、信頼関係は揺らいできます。

そうなったときには、子どもがほんとうに助けを求めたいと思っても、子どもから「助けてほしい」と言い出せなくなるのです。

また、親ができるのは、子どもが助けを求めてきた場合以外にもあります。子どもがまちがった考えをもっているときには、親は子どもに自分の考えを話すことができます。親の考えを押しつけないならば、自分の考えを子どもに話すことはできます。

話しても、子どもが受け入れてくれるかどうかはわかりませんが、少なくとも話は聞いてくれます。そして、どうするかは子ども自身が決める。これが思春期の子どもの子育ての極意です。