箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

進路で親子の意見がくいちがうとき

2016年12月12日 17時37分34秒 | 教育・子育てあれこれ


           
親が子どもの生活(学校生活・家庭生活)について、いろいろと心配されるのは当然です。

たとえば、進路を考えるとき、親には子どもに進んでほしい進路があります。
子どもには、自分で進みたい進路があります。

これらが一致しないとき、どちらを選ぶことを重く考えるかは、子どもの考え方や親の考え方にもよるでしょうが、基本的には子どもの意向を尊重すべきだと、私は考えます。

その理由は、誰の進路なのかを考えれば、親であろうとも基本的には「親の言うとおりにしなさい」とはならないからです。

中学生が考えることです。大人からみれば、子どもは圧倒的に経験が不足しています。だから「経験のある私が話して、進路を変更させなければ」と思われる気持ちは、理解できます。失敗したらかわいそう。失敗させたくないという気持ちが働きます、

しかし、その決定が子どもの人生において、とんでもない結末になるとか、家庭の経済上無理であるなどの場合、高校受験で明らかに学力が届かない場合などを除き、失敗しないように親が先回りすることは、子ども自身が自分で引き受け、自分で考え、悩み、解決にむけて取り組む機会をなくしてしまうことになります。

「親なのに、わが子にそんな冷たい態度でいいの」「私が守ってやらないと誰が守ってくれるの」と、子どもの生き方に「ああしなさい」と指示するのは、子どもの人生への「介入」です。

この点を深く見つめると、親が介入したくなるのは、子どもが失敗したとき、子どもが解決に向けて動き出せないとか、失敗したときの子どもなりの責任をとれないと思っているから、となります。

子どもを一人の人として尊重するということは、子どもが直面する課題を自分に引き寄せ、考え、こうしようと意思決定する力を育てることです。

ただし、親は何もできないのではありません。以前にも、ブログで述べていますように、思春期の子どもがHELPを求めてきたら、「こう思うけど」「こうしたら」と、子どもを援助することができます。

子どもが「助けて」と言わない限り、子どもに寄り添い「心配しているよ。なにかあったらいつでも相談してね」と気にかける態度でいることも親ができることです。