箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

センター試験の31年間をふりかって

2020年12月11日 08時35分00秒 | 教育・子育てあれこれ


「大学入試センター試験」は1990年から始まりました。それから毎年継続実施されて、31回を数えました。

「センター試験」前には1979年から「国公立大学共通1次試験」が行われていました。

「センター試験」は、私立大学も活用できるように制度変更がなされました。途中からは短期大学も参入し、31年継続してきたという経過があります。

その後、思考力等を問う新しい入試改革の一環として、来年(2021年)1月からは、新しく「大学入試共通テスト」が始まります。

この「共通テスト」は、国語・数学への記述式問題の件と英語の民間試験の活用を巡り、昨年度大混乱しましたが、結果的には見送られることになりました。

さて、31回の「センター試験」はどのような効用をもち、大学入試でどう活用されてきたのかは、総括して、見直しておく必要があります。

「センター試験」は、総じて、たいへん良い問題で構成されていたといえると思います。

だいたい6割程度に平均点が来るように設計されていました。高校や大学関係者が委員会を複数あり、試験問題の作成・点検・評価を担当してきました。

そもそも試験やテストというものは、中高入試でも同様ですが、良問が出題され、受験生の学力を正しくはかるものでなければなりません。

そのためには、複数の人、機関がかかわり、テストとしての難易度、妥当性、客観性が考慮されていなければなりませんが、「センター試験」はその要件をほぼ満たしていたと考えることができます。

こういった点は、来年1月から始まる「共通テスト」でも引き継いでいかなければなりません。

一方、「センター試験」は、大学入試のなかで一定の「存在感」や「信頼性」をもっていたので、自校生徒の学習到達度をみたいという高校教員側の働きかけもあり、実際は出願しない受験生(AO入試・推薦入試で合格済みの学生)も受験していました。

その点で「センター試験」での点数で、実際に出願して受験していく大学をきめる基準としての精度が適切であったかは、吟味される必要があるでしょう。

ともかく、このコロナ禍の中で何かと不安を抱える高校3年生が、あらたに始まる「共通テスト」を混乱なく受け、来年4月からの大学生活が始まるように、教育関係者として願っています。