箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

倍速で失うもの

2023年04月26日 07時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校教育の中で、児童生徒の感受性を高めることはとても大切だと、わたしは考えています。

わたしはよく感性という言葉を使いますが、感受性とほぼ同意と考えています。


以前にもブログでふれましたが、いまの若い人を中心に、ビデオや映画を倍速で観る人が増えています。

「短い時間で、どういう内容だったかわかりますよ。」

いかにもコスパを重視する世代だと言えます。

「セリフだって、倍速では早口になるけど、聞き取れます。」

.「ストーリーさえわかれば問題ないです」と言います。

ほんとうに問題はないのでしょうか。

わたしは、そうは思いません。

倍速再生をよしとする人は、感情の大切さを考慮していないのです。

感情は、それをはたらかせる時間が長いほど、ものをどう感じるか、感じとる力、つまり感受性を鋭くするのです。

映画を観るとき、出演者が無言で醸し出す心の微妙な機微を感じとることができます。

監督が一つの場面に入れ込んだ意図が理解できます。

それらは観る人に感受性があるからキャッチできるのです。

しかし、倍速再生は、感情が起きにくく、ゆえに感受性の高まりも期待できません。

あまりにも、もったいないのが倍速再生だと思います。


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