箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

未来のことはわからない

2020年07月24日 07時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ

新型コロナウイルスは、まだワクチンがなく、わが国でもふたたび感染者の増加が心配になります。

この頃の感染者数の増加で、私たちは不安をかきたてられます。

すでに、緊急事態宣言により、日本経済は大きな痛手を受けています。

まさに、ある意味で、国の危機ともいえる状況です。

こんなときは、政府の大臣や自治体の知事と人びとの間の信頼関係が重要です。

危機やリスクが大きければ、大きいほど、リーダーと人々の信頼関係が強くないと、困難を乗り越えることができない。

このことは歴史の教訓です。

第二次世界大戦中、勢いを伸ばすヒットラー率いるドイツにひるまず、国民を勇気づけたのがイギリスのチャーチル首相でした。

「未来のことはわからない。
しかし、我々には過去が
希望を与えてくれるはずである。」
(ウインストン・チャーチル 『イギリス国民の歴史』)


姜尚中(かんさんじゅん)さんも、著書『悩む力』の中で、「吾輩は過去である」という言葉とともに、過去こそがすべてであることを言われています。

「未来」というものは、まだ何もないというゼロの状態。ところが、「過去」はその人の後ろに控え、「現在」の自分を形作っている。

このように、姜尚中さんは、綴っています。

だから、「過去」を大切にしなさいと、私はよく中学生に話してきました。

グローバリズムが進み、新型コロナウイルスが流行し、先が読めない社会になっています。

私の少年時代、高度経済成長期のように、「勤勉に働いて、電化製品を買ったりして豊かなくらしをする」とか「努力して出世して、父よりも偉くなる」というように、皆が同じ方向を向いていた時代は終わりました。

皆がバラバラで、人それぞれの価値観をもつようになってきたのです。

だから、みんながそれぞれに、何を目指すか、何を目標にするのかで、悩みながら生きるのです。
この点で、いまは悩むことが大事になる時代なのです。


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