箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

以前からマスク

2020年12月23日 08時52分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルスの感染予防のため、みんながマスクをつけるのが日常の風景となりました。

学校でも、生徒・教職員がほぼ100%、マスクをつけています。

最初、マスク着用に違和感をもった人もいたでしょうが、いまでは当たり前になり、こうなると、マスクをつけないとかえって「無防備」と感じてしまいます。

そこでふと思ったのですが、新型コロナウイルスが広がる前から、学校には、とくに女子生徒に多かったのですが、マスクをつける生徒が何人かいました。

インフルエンザ防止や病気でもないのに、校内でマスクをつけていたのです。もちろんクラスや学年で合唱をするときなどは、外して歌いましたが。

その生徒たちがなぜマスクをつけていたのかというと、「安心感がある」という理由でした。

「マスクをつけていると落ち着く」と言っていました。

つまり、人と対面して話すときに、自分の口元を見られるのがイヤなのでしょう。

「マスクを外しなさい」と言われれば外すけど、つけているほうが安心するという事情でした。

そういえば、私もマスクをするようになり、感じたことがあります。
マスクをつけて話すのは、話しにくいという感じる半面、口元を見られないので、なにか楽な気分になります。

これはおそらく、対面コミュニケーションでは、相手から自分の顔や口元を見つめられことからくるプレッシャーが下がるからでないかと思います。

まして、今どきの中学生です。「適度な距離感がいい」と言います。近すぎる距離は苦手、かといって、遠く離れた距離もよそよそしく感じます。

マスクをすると、近いという「圧」を感じなくて、緊張せず話すことができるという事情だったようです。

つまり、コロナ禍にかかわらず、いまの学校、とくに思春期の中学校・高校では、生徒にとって、他者とのコミュニケーションが一定の圧力になっているのです。

授業でも「主体的・対話的で深い学びの学習」のために、グループになって話し合う活動が増えています。
相手に近づいてコミュニケーションをとる機会が増えていました。

全体の流れはそうなのですが、生徒たちのなかにはいろいろな子がいます。

コミュニケーション活動に追いつめてしまうことで、苦しさやしんどさをいだく生徒がいることも、教育関係者は留意しておく必要があります。



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