秋が深まる時期に大学と言えば、やはり学園祭(大学祭)でしょう。
ステージ発表があったり、模擬店が所狭しと並び、大勢の人が学内外から集まります。
大学のサークルにとっては、平素の活動を発表する大切な機会です。
しかし、新型コロナウイルス感染症対策のため、中止やオンラインになり、2年目を迎えました。
ステージ発表でいえば、出演者と観客が一体となり、拍手や声援を受けながらつくりあげるライブという点では、オンラインには限界があります。
それで、オンライン発表を見送ったサークルもあります。
通常は、3年生は学園祭を境に引退し、2年生がサークルの部長や役員に就任して運営を引き継ぎます。
今の2年生は、昨年の部活動やサークル活動に対する大学当局がかける制限が厳しかったので、1年生時では前期にはキャンパスにまったく入れず、後期になって活動に入部・入会した学生も多くいました。
1年生のときは活動にまったく参加せず、2年生の春に活動に参加したのに秋にはすぐに運営の中心とならなければならないといったケースが散見されます。
今年の春には、誰が部員で、部員でないかさえ不明瞭であり、活動時間とオンライン授業が重なったりして、活動意欲もそがれてきました。
大学のサークル活動といえば、合宿で先輩の活動する姿を見て後輩は活動や運営にモチベーションを高めていくのですが、合宿もできませんでした。
「たかだか、大学生の趣味の活動じゃないか」と言う人もいるでしょう。
しかし、サークル活動で、合宿をするとなると大人数が移動するため旅行会社や宿との折衝は、「渉外」の役員がやります。
合宿費用を集める「会計」や部内会議を担当する「涉内」など、すべて学生がやるのが大学の自治活動です。
他大学との同じ活動するサークルとの交流活動もあります。
つまり、今年度秋以降のサークルの運営は、活動をほとんどやってこなかった学生が担うことになるのです。
場合によっては、サークルの存続にかかわる問題なのです。
また、サークル活動には「こんな活動もあるの」と思うような珍しい活動をしている場合もあり、マイナーなスポーツや文化活動を学生が経験する「入り口」の役割を果たしていることもあります。
その意味では、商業ベースにのらないスポーツや文化、ボランティア活動を広げるという社会的な役割をもっている活動もあるのです。
SNSの発達で、活動を伝える方法は多様化してきていますが、大学からなんとかサークル文化を絶やさないようにするべきだと思います。
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