社会では、人が他者に厳しくあたり、自分のことで精一杯で、ギスギスした世の中だと思われがちです。
でも、それほど捨てた世の中でもないと思う場面を見ました。
車いすに人を乗せて坂を押している女の人がいました。
あまりにも重くて一人で押すのには無理があり、立ち止まっている人がいました。
その人は、通りすがりの人に声をかけ、頼みました。
「おばあちゃんは体重が重いねん。いっしょに坂の上まで押してくれへん?」と。
それを聞いた別の女の人は助けてくれて、いっしょに坂の上まで押してくれたのでした。
さて、「自立」という言葉を聞いたとき、多くの人は自立とは自分一人でできるようになることだというでしょう。
でも、私が思う自立とは、自分でできることは自分でしますが、一人ではできない場面がどの人にも多かれ少なかれあるでしょう。
そのとき、「助けてください」と言える、そして言われたほうも「いいですよ」と助ける。
そのような豊かな人間関係をもつことこそが「自立」なのだと考えます。
他者に頼ったらダメなのではなく、頼る、またそれに応える関係こそが、自立なのだとわたしは、教職生活の途中からそう思うようになり、今もそう考えています。
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