スノードロップ、日本では松雪草とも言う小さな花ですが、様々な草花に先駆けて
春先に咲くことと、その雪の雫にも似た清楚な白い花から、特にヨーロッパで色々
な伝説があります。でもこのドロップは雫ではなく、イヤードロップ(耳飾り)
から来ているそうです。聖母マリアの花で、花言葉は「希望、慰め」。でもその色
合いから死装束を連想させ、希望とは相容れない「死」というのもあります。人は
こんな小さな花にも、昔から様々な意味合いを込めて慈しんできたのですね。
スノードロップ夜は涙のかたちして 早崎信子
同じく下を向いてちょっと寂しげに咲く花にクリスマスローズがあります。実物
より先に名前を知っていて、どんな華やかな花だろう思っていたところが、大ぶ
りな花の割に色合いも地味で、ちょっと予想はずれでした。でも奥ゆかしい感じ
で、だんだん好きになってきました。この頃あちこち庭でよく見かけます。この
種類はちょうど今頃キリスト教の四旬節の頃に咲くので、レンテンローズト呼
ばれるようです。花言葉は「「不安を取り除いてください」ですって。やっぱりあ
まり華やかな花言葉じゃなかった。この花にぴったりの句を見つけました。
クリスマスローズ気難しく優しく 後藤比奈夫