キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

白川郷

2012-02-15 09:42:52 | 地球
          

             片山津温泉から金沢を経由して、白川郷へ行きました。

             青い空に白い衣をまとった木々の美しい景色が広がります。

          

             世界遺産の合掌造りの里白川郷は、11日と12日の夜ライト

             アップされるとかで、なかなかの人出でした。

          

             合掌造りの家の窓は、和紙が一枚貼られているだけなのに、

             風を通さず、湿気にも強いのだそうです。さすが日本の家屋、

             木と紙でできた家と侮るなかれ、夏の暑さにも、冬の大雪に

             も対応できる、すぐれた建築です。

          

             まあ、それにしても雪とは白い厄介もの、でも美しいものです。

             溶けてしまえば、ただの水なのに。

          
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雪の五箇山

2012-02-14 15:23:43 | 季節
          
             太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ
             次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ   三好達治「雪」

           2月11日合掌造りの里、五箇山に泊まった夜、しんしんと雪が降り積もり、

           朝には村は雪にすっぽり覆われていました。こんなに白一色の世界を見

           たのは多分初めての経験です。今年は2メートルほど積もっているとのこと、

           それでも、去年は3メートル以上積もったので、まだ今年のほうがましだ

           と、合掌造りのお宿のご主人が言いました。住人の苦労が忍ばれます。

           スタッドレス・タイヤを履いていてもなんだか怖いような雪道で、坂を登り

           きれす立ち往生している車もいました。

          


          

          合掌造りの集落としては白川郷が有名ですが、そこから北へ30キロ余りの

          五箇山は、規模は小さいけれど、より昔のままの素朴な合掌造りの集落です。

          

          同じ合掌造りの集落でも、岐阜県の白川郷は岐阜高山の文化圏、富山県の

          五箇山は越中、加賀の文化圏だそうで、言葉や風習も少しずつ違うとのこと。

          

          五箇山には平家の落人伝説もあり、「麦屋節」というとてもすばらしい民謡

          と舞踊がのこっています。

          

          でも、五箇山といえば「こきりこ節」。七寸五分の竹(小切子)やささらという

          木製の楽器で囃しながら歌うとても古い民謡です。小学校の音楽の教科書

          にも載っているので案外誰でも知っています。哀調を帯びているけれど、そ

          れでいて、活気のある曲調が胸に沁みます。その夜宿には9人泊まっていま

          したが、「ささら」を上手く鳴らせたのは、日本人には一人もいないで、二年

          前に英語教師としてスコットランドからやって来たレイラさんだけだったのが

          なんだか笑えました。
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近頃

2012-02-08 18:01:11 | 季節
           

          ちょっと暖かくなって雨が降ったと思ったら、また冬に逆戻りの寒さです。

          家から遠いけれど時々行く超安売りのスーパーの横にある蔦の絡まったお家、

          一年中蔦が絡まっていますが、さすがにこの時期は少し色が褪せています。

          

          そのスーパーで小さい苺が安く売っていました。味も昔懐かしい甘酸っぱさ。

          お気に入りのジェヌヴィエーブ・レチュの鉢に入れるととてもきれい。

          おおぶりの甘い甘い苺とは違った味わいです。

              

          春はもうそこまでと言いたいところですが、また寒さがぶり返しそうです。

             初夏の花カラーを飾って暖かさ呼んでみました。
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奇才ヘンリー・シュガーの物語-ロアルド・ダールって面白い

2012-02-07 10:27:53 | 
奇才ヘンリー・シュガーの物語 (ロアルド・ダールコレクション 7)
山本 容子,Roald Dahl,柳瀬 尚紀
評論社

        世の中には、波瀾万丈の数奇な人生を送る人と平凡な一生を送る人がいます。

        私などの人生は今までのところ平々凡々。それは境遇による面と、自ら冒険を

        求めないという性格の問題でもあるでしょう。

        上の本の作者ロアルド・ダールは境遇からも性格からも、すばらしく波瀾万丈

        の一生を送った人です。面白い経緯で作家になり、大人向け、子ども向けたく

        さんの本を書いています。どれもなかなかに突拍子もないお話ですが、結構

        自分の経験に裏打ちされているようなのです。上の本の訳者、柳瀬尚紀さんは

        彼を傍若無人(かたわらに人がいないかのごとく振る舞う)の人と形容してい

        ます。人の思惑を気にしないというのは、私を含め日本人に欠けた資質かも。

        そんな意味で、ダールに惹かれるのかもしれません。『チャーリーとチョコレ

        ート工場』など、その作品の面白さは言うまでもなく、人物にも興味をそそら

        れます。もう亡くなっていますが、とても楽しい彼のWeb Siteは健在です。

        この本には、自伝的なエッセイやオチのついたユーモア短編、風変わりな冒険

        譚など、8つの話がわりと脈絡なく収められています。ただ、幼少年時代のパ

        ブリックスクールでの恐怖の寄宿生活が元になっているのでしょうか、人間っ

        て理性だけで動かない、理不尽な残酷さを持った生き物だ、けれども、同時に

        どんなに非道な扱いを受けても尊厳を失わない人たちもいるということを語っ

        ている気がします。「あまりにひどい目にあわされて、それが忍耐の限界を超

        えると、ただ屈伏してあきらめる人間もいる。一方、数は多くないけれども、

        どういうわけか、どういうときでも征服されない人間がいる。・・・不屈の精

        神を持っていて、なにごとにも、苦痛にも拷問にも死の脅威にも、決してあき

        らめない」(『白鳥』より、柳瀬尚紀訳)読んで勇気をもらえる作家です。と同

        時に、ストーリーテリングのあまりの巧みさ、奇抜さに、読んで最高に楽し

        めるのがダールの第一の特長です。

マチルダはちいさな大天才
クェンティン・ブレイク,Roald Dahl,Quentin Blake,宮下 嶺夫
評論社

        ダールに入るには、この『マチルダは小さな大天才』あたりがいいでしょう。

        きれいな、易しい英語なので、原文で読むにも適したお話です。
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春隣

2012-02-04 15:32:23 | 季節
          

           今日はもう立春ですが寒いですね。

           真綿色したシクラメンは冬でも元気ですが。

           朝刊に「新聞の読めばふくらむ春隣」(片山由美子)

           という句がありました。「春隣 はるとなり』 もうすぐ

           春、もう隣まで春が来ているという意味の冬の季語

           ですが、なんだかほんわかする、やさしい言葉です。

           こういう言葉を見ると、季語のある俳句って、日本の

           風土に根ざしたものなんだなと感じます。

          

          でも、一月から季節先取りで咲いている桜もあります。

          啓翁桜というのだそうです。啓太郎さんという人が品種

          改良で作りだしたとか。ふっくりした蕾に「春隣」を感じます。

          

         プランターのチューリップもやっと芽を出しました。ここにも春隣が。
     
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はなたれ小僧さま

2012-02-02 17:09:39 | 
子どもに語る 日本の昔話〈1〉
稲田 和子,筒井 悦子
こぐま社
子どもに語る日本の昔話〈2〉
稲田 和子,筒井 悦子
こぐま社
子どもに語る 日本の昔話〈3〉
稲田 和子,筒井 悦子
こぐま社


      「昔むかしのこったい。ある所に、貧乏なおじいさんがおったと、、、」

      このおじいさん、薪を売って生計を立てていたが、ある日薪が一把も売れな

      かった。そこで帰り道「竜神さまにさしあげますだ」と全部川に投げ込んだ。

      喜んだ竜神さまは、なんでも願いをかなえてくれる「はなたれ小僧さま」と

      いう子どもをさずけてくれた。おじいさんが願い事を言うと、小僧さまが

      「シューン」と洟をかむ。するとどんな願いもかなって、おじいさんはたち

      まち大金持ちになった。そのうち、どこへでもついてくる汚いはなたれ小僧

      さまが厭わしくなったおじいさんは、「もう何も欲しいものがなくなったから

      竜神さまの所へ帰ってくれ」と言った。はなたれ小僧さまは悲しそうな顔を

      して家を出ていった。そして門の所で「ズルン」と洟をすする音がしたかと思

      うと、家から何から全部一瞬で消えて、おじいさんは元のあばら家に一人

      ですわっていたんだと。 

      

      これは『はなたれ小僧さま』という熊本県の昔話です。上の『子どもに

      語る日本の昔話』の3に入っています。桃太郎や花咲かじいや、おなじみの

      お話はもちろん、日本各地にはほんとに様々な面白い昔話があるのだなあと

      感心させられる三冊です。適度に方言を交えたこなれた文章で、読み聞かせ

      に最適です。数年前「素ばなし」の講座で、この本から『鳥のみ爺』という話

      を選んで発表しました。文章を丸暗記して語るのが素ばなしですが、これが

      なかなか大変。暗記というのは難しいものです。セリフの多い俳優さんなん

      か偉いものだと思います。その後唯一覚えたのがこの『はなたれ小僧さま』

      です。打ち出の小槌でお宝を出すとか、お殿様からご褒美をもらうとか、い

      ろいろあるうちで、洟をすすったり、かんだりしてお宝を出したりひっこめ

      たりするというのがユニークな笑える昔話です。漫画日本昔ばなしでも、市

      原悦子さんと熊倉一雄さんの名調子で残っています。もう一度覚え直して、

      今度の小学校の読み聞かせで、語ろうかと思っています。市原悦子さんと

      いう訳には行きませんが。
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