2012年9月の初旬、朝6時の東京地下鉄東西線大手町駅にやってきました。大手町駅から東京駅八重洲口へと続いている地下通路は閑散としています。これから東海道新幹線「のぞみ201号 新大阪行き」の列車に乗って大阪へ旅行へ行ってきます。高層ビルが林立している梅田、西日本一の高級ブランドショップが集積している心斎橋、大正モダニズムの雰囲気が色濃く残っている北浜界隈を散策していきたいと思います。
朝6時過ぎのJR東京駅東海道新幹線ホーム(14・15番線)にやってきました。緑がこれから乗車する「のぞみ201号」は14番線ホームから出発します。さすがにこの時間帯ですと、新幹線ホームに人影はほとんどなく、閑散としています。しばらくホーム上にあるベンチで休憩することにします。
6時半前になって14番線に「のぞみ201号」が時速50キロ前後で入線してきます。早朝の時間帯でまだ若干の薄暗さが残る中、エアロダブルウィング先頭部に装備された高照度放電灯を光り輝かせながら14番線ホームに滑り込んできました。
早朝の時間帯の東京駅始発ののぞみ号のほとんどが広島・博多方面行きなのに対し、この「のぞみ201号」は新大阪行となっています。平日限定の運行となっており、休日は運休となります(繁忙期には運転日あり)。この列車に乗る乗客はほぼ全てが名古屋・京都・新大阪に用事がある人たちということになります。
「のぞみ201号」は東京駅を6時43分に発車します。品川駅6時50分、新横浜駅7時02分、名古屋駅8時24分、京都駅9時01分、終点の新大阪駅には9時16分に到着します。所要時間は2時間33分、品川と新横浜に停車しながら2時間30分台に縮めることができるのは、時速270キロ走行できる区間を増やす技術を採用している車両だからです。
14番線ホームで発車を待っている「のぞみ201号」、純白の車体が存在感を周囲に魅せ付けます。N700系電車が運用を開始したのが2007年(平成19年)7月ですから、もう5年近く年月が経っているはずですが、古くなったという感じは全くしません。
この車両が投入される以前は品川駅・新横浜駅にのぞみ号が停車することが当たり前となり、東京駅~新大阪駅間が2時間40分台になるのが常態化されていました。新車両では車体傾斜構造を採用することによって半径2500メートルのカーブ区間で時速270キロ運転が可能になり、約5分の短縮が可能になったそうです。
ホームをズームで撮影してみると、徐々に乗客の人たちが乗り込み始めました。10年ほど前では東京駅発車時点で満席になることが当たり前でしたが、最近では品川駅開業や新横浜駅の乗降客の激増によって、東京駅を発車する時点では約4割ほどの乗車率なのだそうです。
車体脇のドアの周りに「N700系」のロゴマークが誇らしげに貼ってありました。今後JR東海は中央(リニア)新幹線の開発にシフトしていくので、新幹線の新型車両の開発はそんなに力を入れなくなっていくのだそうです。
ホームを歩いているとやはりキャリアケースを引いたビジネスマンの人たちが非常に多いです。新大阪駅止まりなので、ほとんどが関西方面への出張客なのかもしれません。
15号車の普通車指定席に座り発車を待ちます。そして6時43分、定刻通りに「のぞみ201号」は東京駅を静かに出発しました。東京駅発車時点での乗車率は(15号車では)やはり4割ほどでした。
品川駅で7割程になり、新横浜駅では乗客の人たちが大挙して乗り込み、新横浜駅発車の時点で「のぞみ201号」は乗車率100パーセントとなりました。
7時56分、浜名湖の脇を「のぞみ201号」は時速270キロで快走します。この日は東京駅周辺は曇り空で、丹沢山地を抜けると雲が切れ始め、静岡駅通過時は快晴の天気でした。浜名湖脇を通過すると再び雲が出始め、豊橋駅周辺では雨が降っており、名古屋駅に到着すると雨は止んでいました。滋賀県内はどんよりとした天気で、京都駅到着時は京都盆地は霧に包まれていました。新大阪駅に到着すると薄曇りな天気だったです。
9時16分、「のぞみ201号」は新大阪駅25番線ホームに定刻通りに到着しました。新大阪駅止まりなのですべての乗客の人たちがホームに降りることになったので、しばらく大混雑が続いていました。
「のぞみ201号」はこの後は回送列車となって車庫に入るみたいです。
新大阪駅では現在新しい駅ホームを作る工事が実施されています。また改札内のコンコースも改装工事が進められており、仮の天井が構築されているなど色々変化がありました。
新大阪駅は大阪の中心部から約3キロほど北側にあります。そのため新大阪駅の在来線ホームからJR京都線(JR東海道本線)か大阪市営地下鉄御堂筋線に乗車して移動することになります。
JR京都線「(福知山線直通)新三田行き」に乗車して一駅、JR大阪駅に到着しました。JR大阪駅・梅田周辺の百貨店やファッションビルの開店時間に重なったので、大阪駅ホームの混雑が尋常ではないほどでした。通勤ラッシュでもないのにここまで混雑が激しい大阪駅を見るのは初めてです。
東京と大阪は日本を代表する大都会であり、東海道新幹線はその二つを結んでいる日本の大動脈です。とはいっても沿線には丹沢山地や伊豆山地などの丘陵地帯、富士山、静岡のお茶畑、天竜川、浜名湖、遠州灘、関ヶ原、滋賀県南部の水田地帯、京都盆地など見所が非常に多いのが特徴です。