懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

昭和の遺物たち  屋久島の記憶 その1

2016年06月28日 | 昭和の遺物たち写真展
九州で働いていた頃、屋久島に二度行った。
鹿児島港から船に乗り屋久島へ向かった。一回目は安房まで行く便だった。
安房には港が無く艀(はしけ)の小舟が迎えに来る。
外洋なので小舟は一メートルくらい波で上下する。
小舟が頂点に来た時に飛び移る。
若者や健康な人は飛び降りるが老人や女性は男二人がサポートする。
海はやけに美しい。
次の年(昭和43年)に行ったときにはフェリーの港が宮浦にできた。
これは便利になった。
鹿児島港から宮浦が便利になった。

鹿児島港では女性の音楽隊が出港を祝ってくれた。
そのころは山ガールなど存在せず船は男ばかりである。
女性の音楽隊みたさに船内は殺気だった。
船が傾くのではないかと思うほど岸壁側に人が寄った。
どんな曲を演奏したのかも記憶に残っていない。

女性の服も見るからに昭和である。
若い人が着てもおばさんに見える。髪形もおばさんであった。

こんな昭和の一ページのネガも使うこともないと思い処分したものもある。
あの時代はいくらでも撮るものがあった。過ぎ去った過去を撮っていないのが残念だ。
はっきりした目的意識を持っていなかった。時代の先読みもなくボケーと生きてきたと反省する。過去の写真を見ると懐かしさより自分の未熟さに気付き悔しさが募る。