ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

マチノアカリ

2006年10月13日 | 京都
すっかり朝晩寒くなりましたね~。

仕事を終えて山を降りようとすると、彼方に市内の夜景がまたたいています。見えているのは、京都駅方向でしょうか。この季節って、ちゃんと帰る時間には暗くなってくれるから好きさっ。沈んでいくお日様が、ちょうど閉店時に鳴る「螢の光」のようなものよね~。

さて、すっかり暗くなった町の中。京都は上がる、下がる、と申しますように、北の方が標高が高いのです。ですから、庭主の帰り道は延々と続く下り坂。生垣が生い茂るいくつもの細い路地を自転車で下って、ひたすら南を目指します。

ほわっと光る軒先。連なる玄関から洩れる灯りに目を凝らしながら、カイヅカイブキから立ち上る芳香と、暗闇にもこぼれるキンモクセイの匂いをくぐり抜けて、どんどん自転車でつっぱしる。

なんだか、京都の住宅街の路地って、ほっとしますね~。台所からは夕飯の音が聞こえ、どの家にも「団らん」を感じます。

この、「団らん」な感じ。なぜ、こんなに親しみを感じるのか?

今まで住んだ街を思い返してみる。勝手知ったる実家の田舎はさておき、大阪、千葉、東京、神奈川。う~ん。生まれてこの方、海外も含め引っ越すこと9回。でも、こんなに町並に愛着を抱いたのは、そうそうあることではありません。

確かに、緑が多い。これは大きい。緑の多さは、明らかに愛着度に貢献してます。ちなみに、庭主が住んだ街の愛着度の順位は、
1.今住んでるところ
2.実家(ええ、もう、琵琶湖があるくらいですから。)
3.南米(これでもかっ、てくらいな大草原。正に天然、大自然と申せましょう。)
4.藤沢(関東で住んだ中では、一番緑が多かったのよね。なんせ鎌倉のすぐ傍。家の前は桜並木。)
5.南行徳(正にベッドタウン。近所は全く緑なし。近くに川が流れていて目の前が公園だったのが救い。)
6.幕張(新都心建設開始のころ。&はじめて日本で地平線を見た!!!しかも埋め立て地!)
7.大阪(大阪城に近かった。まあ、小さかったのであまりおぼえていませんが…。)
8.小岩(可哀想な街路樹…!!!緑を探し求めてよくプチ旅に出ました。)
後は年齢的に覚えてない…。

まあ、愛着というと住んでいた家や町とのかかわり具合にもよるのですが、上の順位は、あくまで景色としてのインパクト。4.と5.の間には、かなりの隔たりがありますね…。

実は、それ以外で気が付いたことがあるのです。
なぜ、ここなのか。
それはね、玄関のつくり。

まだまだ古い家が多い…といっても、町家、とまではいかずに昭和に建てられたものですが。
込み入った住宅街の、ほとんどのお家は、まだ「引き戸」なのです。
がらがらっ、てあける、あの、細い格子にガラスが入ったやつ。

これ、あんがい、「団らんな感じ」に貢献していると思うのです。

玄関いっぱいに広がる家の中の光。格子の奥から、ほんわかと家の温もりが滲んでいるようです。「外」を遮ってはいるけど、拒絶してはいない光。なんだか、家族の「ただいま」やご近所の「こんばんは」が容易に言えそうな雰囲気。

他の街では、「ドア」がほとんどなんですよね。最近はおしゃれな飾り窓の付いたドアが増えましたが、それでも、光の面積でいえば、この格子の引き戸には勝てません。しかも、洋風のお家なら、内部だってドアです。パタン、と閉まっているのが基本。だから、それぞれの部屋は孤立して、廊下や玄関までそんなには光は洩れてこないのです。まあ、洋風のお家も最近は大分「ワンフロアスタイル」に変わりましたが。

ましてや、マンションは防犯上、ドアは窓なしです(ウチもです)。外部は完璧に拒絶。居留守なんて簡単に使える…。南行徳なんて、一帯がみ~んなマンションだったもんね。庭も一切なし。まるで蚕の繭棚をみているようだった…。よくこんなとこに住んでるよな~、なんて思いながらも6年間も住んでしまったのですが。

でも、昔の和風の家は「開けっ放し」が基本。夏場など、格子戸ばかりか、のれんひとつで奥までず~っと開けているお宅もあったりします。
すだれの向こう、格子の向こうの人の気配。いいですね~。

現代は、昔と違ってず~っと1日家にいる人もいないし、近所付き合いも希薄になりつつあるので、そんな暮らしも防犯上なかなか難しいところですが、「団らんな感じ」はやはり町内が安全だからこそ、成り立つものなんでしょうね~。

☆今日のちび庭気温:13~26℃ もうちょっとしたら、霜にむけての対策をしないといけないんでしょうね~。なんだか、去年に比べて秋の進み具合の早いこと!(;^^)))))

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