ええい、正直に、言ってしまいましょう。
植物を育てるって、ムズカシ~い!
え、なにをいまさらって?アンタ、イチオウ庭師なんでしょって。
はい。恥も外聞もなく、ショージキに申し上げます。
私、今更ですが、植物を思い通りに育てるって、ほんとーにムズカシイことなんだ、って、思い知りつつある今日この頃。
てか、育てられると思ってること自体が思い上がり。本当、その通り!
今更ながら、世に花を送り出しておられる生産者さん達はなんとすごいものか、と。フツーに、お庭で花を咲かせておられる園芸好きの方々が神々しく見えます。やはり、経験には勝てません。(経験だけの問題か???)
いやいや。ほ~んと。
最近つくづく思うのです。ちょっと前まで、世に言う「ガーデニング」程度の庭なら自分の腕で十分出来る、と思っていましたが。
いや~、ほんっと、はずかしい。今まで仕事であれ、なんであれ、庭作りに使ってきた植物達というのは、全部誰かが途中まで育ててくれた、「お仕着せ」の植物だったんですよね~。
お客さんが喜びそうな、自分も見てて嬉しいような、ちょっと珍しかったり、生きのいい、雰囲気のある植物達。市場で仕入れてきた、何ケースもの艶やかなポット苗。植木屋さんで吟味して手に入れた、形の良い樹。業者さんから取り寄せた、少し毛色の違うおしゃれな植物…。批判眼で「美人な植物」を物色、ストーリーをプロデュースしては庭という「ステージ」へと送り出す。まあ、そういう仕事っちゃ仕事だった訳ですが。
でも、今の職場では、諸事情により、扱うほとんどの植物を種、あるいは挿し木から育てます。
環境が整っていないのはまあ、言い訳ですが、なにより、自分が「環境がどうあろうと思いのまま植物を育てられる」域にはほど遠いなあ、と日々思い知らされ。そして、なにより、これは、私にとって最大の良い学びの機会である、と。
わざわざ種から育てる理由のひとつは、職場の理念の1つが「えんげーふくし」を掲げているため。「のーえん」に参加する人が、自分で種をまいて、発芽するのを見て、一生懸命世話をして、その成長を自分の心の、あるいは健康の糧とするため。
もうひとつは、苗を買えるほどのお金がないため(あは、ははははは…)。まあ、普通の業者さんなら、種から育てる経費の方がよっぽど高いのですけれどもね。
幸い、そんな事情で種から育てる人手はあるといえばあるのですが、確実にある訳ではない。ボランティアさんは絶対に来てくれるとは限らないし、障碍者さん達は、なんせリハビリのために来ているのですから、作業量は想定よりさらにさらに少なくなるのがお約束。
職場の理念その2、は、「ゆーきさいばい」。これがまた。充分な施設や機材・肥料・薬剤、そして完璧な指導のもとにあった学校やぞーえんやさん時代で身につけた常識はいったん全部横に置いて。
かくて、「お~っかし~いな~あ???植物って、こんなに育てられないもんだったろーか???」と、悩みのたうちまくっている今日この頃。プラス、「どんなに悪環境であろうと、如何に究極に最小限の手間と簡便な資材で、且つ、誰でも(どんなに私がずぼらをしても)簡単に失敗なく立派に植物を育てるにはどーすりゃいーか」という、限りなく刺激的な日々を送っております。
あれ?文章にしてみたら、日頃から庭師として求められることと何ら変わりはないではないか。な~んだ。あは。ははははは。
「農業は幾つになってもみ~んな毎年1年生。環境も作物も毎年違うんだから。おらっちもよ、未だに今年はどーすっかって毎年考えてるべ。」と、ニッカリ笑う農家のおじさん。「うまく出来なくてもみんなでぼちぼちゆっくり楽しんでいこうよう。簡単にできちゃったら面白くないじゃない?」と、微笑むボランティアさん。
幸せな職場だな~。植物にも「人格」を見いだせるほどに育て方に精通するには?あまりにずぼらな自分だけれど、皆様の笑顔に支えられ、日々精進したいと思いまする~。
☆今日のちび庭気温:23~26℃ ん?そんなに暑くなかった?でも、私はハウスの中で半分熱射病状態でしたよ…。あ~く~らく~ら。(^^;)
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