さて、残すところわずかとなりました京の都暮し。どこを通るにも、しみじみしてしまいますね。
昨日は、ちょっと用事で西院まで。
(この、「さいいん」が私にはうまく発音できない。地元の方は、「さあい~」('あ'にアクセント)とおっしゃるのだが…。響きが楽しくって、つい何回も言ってもらったりなんかして。そういえば、京福電車の駅の名前は「さい」なのよね。)
家を出て自転車でまず南下して四条通りを目指す。まだちらほらと田んぼが広がるこの辺りは、お野菜の直売もいっぱい。小さな子がはしゃぐ横で大根を吟味する若いお母さんと農家のおばさんの姿があったり、田んぼでひなたぼっこしながら餌を啄むハトやスズメの群れがあったり。
嵐山の山並みをバックに気候もじつに穏やか。そして家々の前に咲き乱れているのは、いろんな模様の椿。まるで、バラの花を見るようです。
そして、ふと香ってくるのはジンチョウゲ。梅もずいぶんほころんで来ました。
なんだか、すっかり、春、ですね。
そういえば、庭主、じつは今ちょこっと首筋をいためているのですが(ほんと、コショーがたえません…)医者さんの待ち合いでの会話。「なんや、ほんまあったかいねえ。」「気色悪いくらいやねえ。」と看護婦さん達。「今年は分からんなあ。ほいでも、3月のお水取りとひらはっこんときは寒いもんやけんどなあ。」と、おじいさん。「ああ、ほやほや、ひらはっこやわ。」と他の患者さん。はて、お水取りとは奈良の二月堂の行事よね。「ひらはっこ」とは???
そこで取り出だしましたる、「京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」。
おお、ありました。「比良の八講荒れ終い」。これかあ。「滋賀県高島市の白鬚神社で、延暦寺の宗徒が法会を行う3月20日過ぎは、寒さがぶり返し、琵琶湖周辺では冷たい風が吹き荒れる。これが終わると京都にも本格的に春が訪れる」そうです。なるほど~。さて、今年はどうかな???
閑話休題…で、やっと四条通りに出ますと、今度はちょっとした工場が並びます。でも、道沿いの木が森のように背が高くて、枝もじつに伸びやか。でも、これでもちゃんと剪定してあるんですよ。とっても美しいグリーンベルトだと思います。
天神川通り、葛野大路を越えて、。おお、いつも通るのに、こんなとこに刀屋さんがあったなんて、初めて気が付いた!、西大路で用事を済ませて。どしよっかな。本も探しに行きたいんだけど、河原町まで自転車でなんて…いっちゃうか。かくて、堀川通を越えて。烏丸通より先は人込みできつそうなので、100円循環バスにのろう…が~ん、平日は走ってないんだ。ま、歩いちゃうか。
他にも必要品を買い込み、書店に入り。目当ての本の横に、見つけてしまいました。「京町家の遺伝子」山本良介著、学芸出版社。おお~、ツボです。京の名残りに、これ、買ってかえろっと。
中には、庭主にとって涙モノの懐かしい風景がいっぱい。
そう。ここには残念ながらほとんど載せられなかったけれど(個人宅ですので…)、この2年間に目にしたたくさんの風景が。きっと、この仕事をしなければ決して見ることはなかったろう幾つもの古い家々。住んでいる人々と交わした言葉、奥深い廊下、柱の染みや、大事にされて来たもの達。
「住みたいか?」と聞かれれば、やはり戸惑ってしまうだろう。不便で、維持するだけでもとんでもない経費も手間もかかる家。町家らしきもの、は残っても、生活様式そのものはもう戻らない。(同時に、坪庭も消え、植木屋も存続が危ない…)。どんなに惜しんでも、消えてゆくのも、時代なのだろうなあ…。
だから、残るのは、その「遺伝子」なのだ。そーいうことかな?(まだ読んでないが。)庭主もきっと、何度も撮った写真をめくり返すことでしょう…。
四条通りの突き当たりは東山。はは、横断しちゃったな。さ、嵐山に戻ろっと。
☆今日のちび庭気温:2~15℃ 今日は久々の雨でした。さぶ。でも、これでもあったかい方なのよねえ~。(^_^)
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