命の継承と努力

「世界でたった一つの花」と言う曲が永い間売れているという、私はこの歌の歌詞を知らないのだが記事を読むと他人と比べて落ち込まなくても良い、自分は自分で世の中の価値から外れていても世界でたった一つの花なんだからと言う様な要旨らしい
競争社会の歪に押しつぶされている若者の心にマッチしたと言う事らしいが記事はその弊害として「自分は自分だから努力することなんか無い、現状で十分だ」と言う捉え方になりそれが今のいわゆる「ニート」を増やしたのではないかと言う内容だった、
競争社会のルールから外れたら「負け組み」などと言われて格差は精神的な劣等感にまで及んでいる事は確かに現代の病巣では有るが努力しない事の免罪符にされては確かに困る、
子供から今度は自分が親になって子供を育てると言う事は努力無しで成り立つものでは無い、それは社会の競争論理とは違う自らに課すべきもので「今のままで行ければこのまま１人で行けば良い」と言うのは個人の問題だと言う簡単なものではない、
はっきり言ってしまえばそう言う考え方は人間以前、生命体としての義務を放棄し根本社会に参加出来ない、或いはしないと言う生き方で「納税しているから国民の義務は果たしている」と言う様な法的な問題とは根本的に違う問題だ、
動物は社会性を持つ持たないとは関係なく命の継承と言う義務を負っている、単細胞動物から人間まで全て其れは本能と言う形でその義務を負っている、
生きて生み過去から受継ぎ未来に繋ぐのは「個人の自由」の範疇から大きくかけ離れた自然界の掟だ、この掟に何の意味があるのか等と言うのは人間と言う特殊の生命体の更にごく一部が考える僭越な思いである、
そして其れが「努力するのが面倒だから」と言う理由からだとすればそれは自然界から譴責されるべき行為で本能の否定でも有るだろう、
子をなし育てるのは嫌だが性に関しては楽しみたいと言う事事態矛盾している、性交渉は本来この自然界で命の継承の為の行為で、人間の繁殖期が人間の持つ記憶とで子孫継承の行為の為の本能的欲求を単独で取り出している、
其れも此れも全て個人の自由と言うのは結果的にこう言う社会現象を生み出してしまう
家康の「人の一生は重き荷を背負いて遠き道を行くが如し」と言う言葉を今の若者なら「そんな大変なら死ねば」と言うのだろうか、宗教か哲学か、今の学問は全ての基本は経済学に帰結する、全てが同じレースで決める事が弊害なのは確かだが「競争しなくても構わない」と言うのはもっと間違いである、
努力の価値は結果か努力の質かと言われれば私は結果より努力の質を重視したい
鼻歌で一着の走者よりビリだが必死で走る走者を応援する、アンデルセン選手があれだけ皆にか感動を与えたのはそのためだろう、表彰が始まっても中継が続いたのはその事が日本だけでなく世界中の人類の共通した思いだからだ