波乱万丈 乳がん転移ライフ!

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「リベリアの白い血」~同僚の従弟が撮影途中にマラリアで命を落とした映画

2017-08-18 23:09:37 | 感動の出来事(映画)
☆アッピア夫です。

今年は、例年になく夏らしさを感じることもないまま、お盆が終わろうとしていますね。
こちらでは、40年ぶりの16日間連続降雨日を記録する異例の8月となりました。
「青空」が恋しい・・・

我が家ではこの時期は、ほぼ毎年ボーイスカウトのキャンプに出かけていましたが、
今年は、息子の部活の大会と日程がかぶったため、キャンプは諦めました。

そのため、今年の夏休みはイベントに合わせて細切れに取ることになりましたが、
そのお陰で色々なものを観に行き、色々なことを感じる夏となりました。

その1つが前回の「野外LIVE」ですが、2つ目が「リベリアの白い血」と言う映画・・・
宣伝もなく小さな映画館のみの上映のため、一般的にはほとんど知られていない映画です。

私がこの映画を知ったきっかけは、この映画をリベリアで撮影中にマラリアで他界したカメラマン
・・・「村上涼(りょう)」と言う人が同僚の従弟であったことです。

同僚から話を聞いていた彼の遺作となるこの映画が、この夏日本で公開となりました。

ストーリーはざっとこんな感じ・・・

西アフリカにある小国「リベリア共和国」・・・アメリカで解放された黒人奴隷によって建国された国で、
国名はリバティ(自由)に由来します。

そのリベリアは、二度の内戦の影響で経済状態がかなり悪く、大変貧しい国です。
その国でゴムの原料を採取する安価で過酷な仕事に従事する主人公・・・

その彼が、家族の元を離れ単身ニューヨークに移り住み、タクシードライバーを始める。
もちろん「より良い生活を求めて」・・・なのですが、現実はひたすら車を運転し続ける日々・・・

それでも徐々に新しい生活に馴染んで来たところに、あこぎな商売をする元戦友との再会を機に、
何かが狂い始める・・・

アフリカの貧しい国の日常と現実、ニューヨークで生きるアフリカ系移民の日常と現実を対比して、
そこにある「理想と現実の乖離」を浮き彫りにした作品です。

「より良い生活を求める」と言う人間としての当然の欲求と、
そのシンプルな欲求を満たすことの難しさがドキュメンタリータッチで描かれています。

ハリウッド映画の題材とはなり難いこの作品を創り上げたのが、
ニューヨークを拠点に映画界で活躍し始めたばかりの新鋭の二人の日本人・・・

「福永壮志(たけし)さん」は、昨年のカンヌ映画祭で、世界でたった6人しか選ばれない
若手育成対象の1人としても選ばれるなど、今注目されている35歳の若き映画監督です。

そして、今は亡き「村上涼さん」も、元々リベリアで撮影したドキュメンタリーが評価され、
この映画の制作に撮影監督として招かれるなど、これからを期待されていたカメラマンでした。

その「村上涼さん」がリベリアでの撮影中にマラリアに罹り命を落とすという悲劇を経て、
この作品は完成し、ベルリン、モントリオール、ストックホルムの各国際映画祭に出品された後、
ロサンゼルス国際映画祭で最高賞を受賞しました。

「村上涼さん」のことを知らなければ、出会っていなかったこの映画に出会い、
「貧しさと豊かさ」「人種の多様性と差別」「移民の理想と現実」など・・・様々なことを考えさせられました。

日本のお盆・・・と言うとどうしても「お墓参り」や「終戦」など過去を意識することになるのですが、
改めて「いまそこにある」世界の一つの現実を感じる夏となりました。

2017年8月18日


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