波乱万丈 乳がん転移ライフ!

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「藤崎彩織著『ふたご』」~直木賞は逃しましたが「セカオワ」ファンは必読の書

2018-01-20 00:56:09 | 感動の出来事(読書)
☆アッピア夫です。

今回の直木賞の候補作品にノミネートされたセカオワの「Saori」が書いた「ふたご」・・・
残念ながら直木賞は逃しましたが、驚くようなエピソード満載の「セカオワ」ファン必読の書です。

内容は、小説と言うよりも自叙伝・・・
「セカオワ」のキーボード「Saori」とボーカル「Fukase」の二人の関係性と成長過程を中心に、
バンドが独自の世界観を育んでいった過程をリアルに綴ったノンフィクションです。

「Saori」は、友達を作るのが苦手ないじめられっ子で、ピアノだけが友達のような孤独な少女・・・
「Fukase」は、生まれながらに病気を持ち、その影響でハチャメチャな少年時代を過ごします。

そんなはみ出し者同士の二人が、ふとしたきっかけで出会った中学時代から、
まるで双子のように寄り添いながら思春期を過ごし、「バンド」と言うお互いにとっての居場所を作り、
多額の借金を抱えてまで自分たちの「ライブハウス」を創ってしまう。

この作品では、色々なことを感じさせられました。
まず、この作品は「生き方が不器用で不完全な少年・少女の成長物語」であること・・・
ライブハウスに寝泊まりしながら自分たちの音楽を創り上げていく程の「音楽に対するひたむきさ」・・・
そして、そんな危なっかしい彼・彼女らを何も言わずに見守り、共同生活を許せる「親の度量の深さ」・・・

こう言うことがそろって、初めて「セカオワ」と言う独特の世界観が生まれ、
世界に通用するような音楽性が育まれたのだということなんですね。

この「少年・少女の成長物語」を親の立場で読むと、
子供がそれぞれに持つ才能や好奇心の芽を枯らさずに育てるには、
いかに口を出さず手を出さず、必要な時には手をさしのべる用意をしつつ、
黙って成長を見守っていられる度量と忍耐力が試されるのだな・・・と思わされました。

その「Saori」は、現在出産・育児のために活動を休止中で、昨年末に無事に第一子を出産しました。

苦しい少女時代を過ごし、その音楽性を開花させた彼女が今度は親となり、
これから母親としてどのようにバンドと子育てに携わっていくのか興味深く見守りたいと思います。

また、いよいよ2月9日から「平昌オリンピック」が始まりますが、
今回のNHKのテーマソングは「セカオワ」の「サザンカ」と言う曲になります。

作詞は「Saori」と「Fukase」の共作で、歌詞はこの本の内容とイメージが重なります。
ミディアムテンポのセカオワらしい独特の綺麗なメロディで、心に残る素晴らしい楽曲です。

もうすぐNHKでは公式にそのテーマソングも流れることになると思いますが、
セカオワの素晴らしい楽曲と共にオリンピックを存分に楽しみたいと思います。

2018年1月20日


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