あるきっかけから、「僕が性別ゼロになった理由」と言うドキュメンタリーを観ました。
「性別ゼロ」と言うのは、男でも女でもどっちでもない・・・本人の心に性別の意識がないことを意味しています。
科学的には、心も体も同一で男性か女性かにすんなりと分けることの出来る人間が「シスジェンダー」・・・
心と体の性が不一致の場合は、最近はLGBTの一つとして一般的にも認知されてきた「トランスジェンダー」・・・
そして、このドキュメンタリーで初めて知ったのが、今回の主人公のように性別のない「Xジェンダー」・・・
このドキュメンタリーは、1人の「Xジェンダー」が幼少期から心と体の不一致に悩み葛藤しながら、
1人の人間として成長していく過程を9年の長きに亘って取材を続けたものでした。
女性の体を持って生まれた主人公は、5歳頃から自分の性別に違和感を持ち始めます。
中学生になると女子の制服を着ることの抵抗感も強くなり、同級生からはからかわれ、不登校にもなりました。
胸が膨らみ始める年頃となり母親からブラジャーを勧められるも、泣きながら激しく抵抗・・・
その時初めて「あなたは男の子なの?女の子なの?」と問う母親に、「自分は男」だとはっきりと答えます。
子供には見せない葛藤があったのかも知れませんが、その母親の冷静な対応力、受容力が素晴らしく、
「じゃあ一度病院で診てもらいましょう」と病院に連れて行き、「性同一性障害(トランスジェンダー)」との診断・・・
この親子の行動力には恐れ入りましたが、その後学校にお願いに行き、男子生徒としての変更が認められます。
当時、学校で生徒の性別変更が認められたのは、初めてのことだったようです。
そして、16歳から男性ホルモン注射の治療を始めて声変わりもし、普通に男子生徒として高校生活を送り、
18歳で乳房を切除し、20歳で子宮と卵巣を切除・・・やっと戸籍も変更でき念願の男性として生きていくことに・・・
ところが、これでめでたしめでたしとはならず・・・
いくら手術で自分にとっては必要ではないものを切除し、男性ホルモンを注射し続けようと、
成長と共に体は丸みを帯びて来て、根本的に女性である体はやはり女性のまま・・・
更に、気持ち的にはすっかり男性になったはずの自分が、バイト先で「新しい男の子・・・」と紹介された時に、
「男の子」と呼ばれることをすんなりと受け入れられず違和感を覚える自分に戸惑います。
それをきっかけに、そもそも自分は「性別に触れられたくない」のだと気づきます。
そして「自分は何なのだろう?」と悩み始めた頃に、同じ「Xジェンダー」で講演活動をする人に出会います。
その人に出会ったことで、身体や戸籍とは別にどちらの性別でもない存在で良いのだと知ることとなります。
主人公は、高校卒業後に声優を目指して養成所に通っていましたが、声優として生きていくためには、
男性タレントか女性タレントかという区分けで事務所に所属する必要があるため、一旦夢を諦めてしまいます。
一般的な仕事やアルバイトをするのでさえも、履歴書の性別に〇を付けずに応募すると返事も来ない・・・
やっと一番自分らしい「性別ゼロ」となったものの、男と女で区分けされる世界で生きていくのは並大抵ではない。
現在は生活保護を受けながら生活を送り、一度諦めた声優の夢を捨てきれずに、
性別を意識しないで済むネットの世界で、声優の夢を実現することを模索し始めているところで終わります。
印象に残ったのは、中学時代は「自分が好きではない」、高校時代は「好きではないが許してやってもいい」・・・
と移り変わって行った自分への気持ちが、24歳になった今は「自分が世界で一番好き」になれたこと・・・
色々な場面で「多様性」が語られる昨今、人間は多数の「普通の人」と少数の「変わった人」ではなく、
それぞれが固有の性質を持つ「1人ひとりの人間」の集合体なのだと改めて気づかされました。
カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどの数カ国では、既にパスポートの性別蘭は「M,X,F」から選べ、
facebookの性別には「自由記述欄」があります。
「Xジェンダー」のことを自分で「無性」や「中性」と表現する人もいて、その表現の仕方は様々ですが、
もう単純に人間を「男性、女性」だけで区分けするのが難しい時代となったことだけは間違いなさそうです。
2019年12月6日
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「性別ゼロ」と言うのは、男でも女でもどっちでもない・・・本人の心に性別の意識がないことを意味しています。
科学的には、心も体も同一で男性か女性かにすんなりと分けることの出来る人間が「シスジェンダー」・・・
心と体の性が不一致の場合は、最近はLGBTの一つとして一般的にも認知されてきた「トランスジェンダー」・・・
そして、このドキュメンタリーで初めて知ったのが、今回の主人公のように性別のない「Xジェンダー」・・・
このドキュメンタリーは、1人の「Xジェンダー」が幼少期から心と体の不一致に悩み葛藤しながら、
1人の人間として成長していく過程を9年の長きに亘って取材を続けたものでした。
女性の体を持って生まれた主人公は、5歳頃から自分の性別に違和感を持ち始めます。
中学生になると女子の制服を着ることの抵抗感も強くなり、同級生からはからかわれ、不登校にもなりました。
胸が膨らみ始める年頃となり母親からブラジャーを勧められるも、泣きながら激しく抵抗・・・
その時初めて「あなたは男の子なの?女の子なの?」と問う母親に、「自分は男」だとはっきりと答えます。
子供には見せない葛藤があったのかも知れませんが、その母親の冷静な対応力、受容力が素晴らしく、
「じゃあ一度病院で診てもらいましょう」と病院に連れて行き、「性同一性障害(トランスジェンダー)」との診断・・・
この親子の行動力には恐れ入りましたが、その後学校にお願いに行き、男子生徒としての変更が認められます。
当時、学校で生徒の性別変更が認められたのは、初めてのことだったようです。
そして、16歳から男性ホルモン注射の治療を始めて声変わりもし、普通に男子生徒として高校生活を送り、
18歳で乳房を切除し、20歳で子宮と卵巣を切除・・・やっと戸籍も変更でき念願の男性として生きていくことに・・・
ところが、これでめでたしめでたしとはならず・・・
いくら手術で自分にとっては必要ではないものを切除し、男性ホルモンを注射し続けようと、
成長と共に体は丸みを帯びて来て、根本的に女性である体はやはり女性のまま・・・
更に、気持ち的にはすっかり男性になったはずの自分が、バイト先で「新しい男の子・・・」と紹介された時に、
「男の子」と呼ばれることをすんなりと受け入れられず違和感を覚える自分に戸惑います。
それをきっかけに、そもそも自分は「性別に触れられたくない」のだと気づきます。
そして「自分は何なのだろう?」と悩み始めた頃に、同じ「Xジェンダー」で講演活動をする人に出会います。
その人に出会ったことで、身体や戸籍とは別にどちらの性別でもない存在で良いのだと知ることとなります。
主人公は、高校卒業後に声優を目指して養成所に通っていましたが、声優として生きていくためには、
男性タレントか女性タレントかという区分けで事務所に所属する必要があるため、一旦夢を諦めてしまいます。
一般的な仕事やアルバイトをするのでさえも、履歴書の性別に〇を付けずに応募すると返事も来ない・・・
やっと一番自分らしい「性別ゼロ」となったものの、男と女で区分けされる世界で生きていくのは並大抵ではない。
現在は生活保護を受けながら生活を送り、一度諦めた声優の夢を捨てきれずに、
性別を意識しないで済むネットの世界で、声優の夢を実現することを模索し始めているところで終わります。
印象に残ったのは、中学時代は「自分が好きではない」、高校時代は「好きではないが許してやってもいい」・・・
と移り変わって行った自分への気持ちが、24歳になった今は「自分が世界で一番好き」になれたこと・・・
色々な場面で「多様性」が語られる昨今、人間は多数の「普通の人」と少数の「変わった人」ではなく、
それぞれが固有の性質を持つ「1人ひとりの人間」の集合体なのだと改めて気づかされました。
カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどの数カ国では、既にパスポートの性別蘭は「M,X,F」から選べ、
facebookの性別には「自由記述欄」があります。
「Xジェンダー」のことを自分で「無性」や「中性」と表現する人もいて、その表現の仕方は様々ですが、
もう単純に人間を「男性、女性」だけで区分けするのが難しい時代となったことだけは間違いなさそうです。
2019年12月6日
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