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辻村深月著「島はぼくらと」~瀬戸内海に浮かぶ島で唯一の同級生4人の物語

2018-11-02 21:38:20 | 感動の出来事(読書)
☆アッピア夫です。

やっと青空が広がり、カラッとした秋らしい毎日が続いていますね。
明日の文化の日を挟む前後の2週間が「読書週間」・・・と言うことで今回は「読書の秋」の話

今、青春小説にハマっている私は、その後も何冊か読みましたが、
ちょうど今読み終わって爽やかな気分に浸っているのが、辻村深月著「島はぼくらと」・・・

以前コメントで紹介のあった「かがみの孤城」を買おうと、辻村深月さんの作品を物色している内に、
「高校卒業と同時に島を出ることになる男女4人の同級生の物語」と言う設定に惹かれるものがあり、
こちらを先に読み始めました。

「半分、青い。」の主人公の原点である同級生男女4人・・・と重なることにも触発されたかも知れません。

4人それぞれの視点で話が展開するため、感情移入の切り替えがしにくい箇所もあったりするのですが、
全体的には島の穏やかな空気感や風を感じることの出来る爽やかな読後感の青春物語でした。

島には、古くから代々住む人、外から来て住み着いた人、その村をまとめている人、
島の経済を支えている人、島の活性化のサポートをする人・・・実に様々な人がいます。

そう言った島に関わる人々が交差する人間関係に、高校生たちが絡んでいく話の展開が面白く、
最後までワクワクしながら読むことが出来ました。

島で暮らす人々は、本土とはフェリーで繋がっているとは言え、ある意味で独立した場所・・・
お互いに協力して生きていくことが当たり前で、大人も子供も関係なく人間関係がとにかく濃密・・・

そのような「島」と言う独特の場所から、毎日フェリーで本土の高校と行き来する4人が、
それぞれの個性と関係性を持ちながら、色々な人や出来事に接しながら成長していく物語・・・

そして、その島で同級生として一緒に育った4人は、大学に進学すると島を離れることになり、
必ずバラバラとなる別れが来る・・・

思春期特有の別れの感情は当然のことながら、4人だけの同級生となるともう兄弟みたいなもの・・・
その彼らが同級生としてどのような別れ方をするのか、ずっと興味を持って読んでいました。

青春期が随分昔となってしまった私にも、自分の青春時代を思い出す時があります。
半年に1回程度、中学時代に仲の良かった女子(・・・今は立派なおばさん)から電話があります。

話題は他愛なく、同窓会をいつ頃に考えているが参加できそうかや、同級生の話題などですが、
当時は勝ち気だった彼女がすっかり落ち着いた穏やかな口調になっていることに時の流れを感じます。

ずっと地元で暮らす彼女の話す言葉は昔のままで、私もすっかり昔の言葉に戻ります。
田舎言葉で話すからこそ躊躇なく当時に戻れるし、何とも言えないノスタルジックな気持ちが湧いてきます。

自分が子供時代を過ごした場所は、自分にとっては原点である特別な場所・・・
そう言った気持ちを思い起こしながら、私の青春小説巡りはまだまだ続きそうです。

古里を思い出す時、不思議と頭の中では「Stand By Me」が流れます。
そして、今初心者に戻ってギターを練習中の私は、その曲を色々なアレンジで楽しんでいます。

2018年11月2日


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