NHKの『プロフェッショナル~仕事の流儀』、
この番組は観る時もある程度。
なぜって…、
あんまりパンパカパーンと素晴らしいような、
いま脚光を浴びているような人って、
自分とはかけ離れた遠い存在だから。
でも、ゆうべのは観た。 観て正解でした。 とても良かった。
本田先生は、通勤の時、おもしろい帽子をかぶってらした。
あれ?ペシャワール会の中村先生がいつもかぶってらっしゃるのと、すごく似てるよ。
「アフガニスタンの帽子なんです」
ああ、やっぱりね――。
様々な途上国の人々の医療活動もしてこられたそうです。
『山谷を支える、医療の真心 内科医、本田徹』
「患者の暮らし、家庭的な背景、地域の人々との関係、職歴、趣味、弱さ・・・そうしたことを重層的に把握し、その人の「生き方」を推しはかっていく。そして、その生き方に沿うために、医師として何ができるのかを考える。」という。
これは素晴らしい。
自分は、3年前に遭った事故の際、たまたまある病気が見つかった。
今は様子見。毎年MRI検査が必要とのこと。
検査で、ひどくなったのが分かったら、手術するしかないとか。
そして、その部分を切り取れば治るけど、
「でも、こんなんなっちゃう」と、お医者サマは なんと、片麻痺のジェスチャーをして
半身を吊り上げるようにして硬直させたんです。
それを見た私は絶句、固まってしまった。
半身麻痺になることを、すごく軽く考えているように見えたんです。
「しょうがないんですよ」って。
もし、自分が医者だったら、
「残念ながら、どうしても半身麻痺の後遺症が残ってしまうのですが・・・」と、
誠実に説明したい。
一応受けとめて納得してもらえたか、確かめながら。
そして、「どう…ですか?」と、患者の気持ちを聞きたい。
お医者サマは「見つかって良かったですねぇ」と言った。
でも、、私は、うんざりしていました。
まるで爆弾かかえてるみたいじゃない。
毎年、検査を受けるたびに、どんな宣告をされるかとビクビクしなければならないなんて。
こちらの気持ちなど、聞いてくれることは一切ありませんでした。
毎日の回診でも、
「きのうまでとは変わった症状はありますか?」と聞くだけ。
(私には「気持ちとかまでは言わんでよろしい」という風に聴こえました。)
とにかく、病気 を発見し、その病をやっつけることしか頭にないようでした。
この、本田先生は、全くちがう。
本人の希望を聞いて、それをまず尊重する。
そして、どうすれば叶えられるか、チームでとことん考えて実行していくんです。
誠意と信頼関係に満ち溢れているようでした。
もう一つ、素晴らしいと思ったのは、
とても謙虚で、常に山谷の患者さん一人一人から学んでいこうとしていること。
常に、そういう努力の姿勢。
本当のプロって、そういうものじゃないでしょうか。