毎年楽しみに拝見している『NHK介護百人一首』。
これが始まった頃は、「障碍者とその周りの人」ということだったと思うんですが、
だんだんと高齢者の介護がテーマになってきたようです。
今の自分に直接は関係ないけど、どの作品も心惹かれる。
年々充実してきて、作品の文学性・芸術性まで高くなってきた。
素敵な生き方。 人間って。 心模様。 夫婦愛や家族愛などなど。
作品ごとに、共感したり、涙したり。クスッと笑えてきたり、また励まされたり。
24年度の作品100首の中から付箋を付けたのは16首になってしまった。
いっぺんにアップするのは大変なので、少しずつご紹介したいです。
まず、「ユーモア編」。
ボリュームを最高にあげテレビ見る夫(つま)よ我が家は祭りのやうだね
夫さまは耳が遠くなってきたそうですが、
こんなことも楽しいものにしちゃう~。
「片山さん」「北山さん」毎日変わる僕の名は最終的に猫の名になる
作者は実習生。毎日名前を伝えたそうですが、最終日には・・・。
なんともはや。。 苦笑している作者が見えてくるよう。
いらだちて拳をあげる夫(つま)めがけじゃんけんぽいとぱあをだしたり
「ぱあ」とひらがなになってるところが良いですねぇ。
その場の雰囲気がよくわかる。
…と、詞書を見てみると、ご主人は体の自由が効かないのがもどかしいらしく、
物を投げてきたり。。
でも、『ひょうきんを装ってその場を切り抜けて』こられたとか。
とても賢明な方だと思います。
次に「夫婦愛や家族愛編」
ぐずぐずと介護のつらさ並べてもほほえむ夫(きみ)と一緒にいたい
若年認知症だそうです。
『おとなしくニコニコしている時ばかりではありませんが――』
とあり、やっぱり良い時ばかりではないようですが、それでも、
心から愛しておられるんですね。
足首を持つ吾(われ)の手と妻の手が触れ合い母のむつきを替える
『12年間、家庭で介護してくれた妻に感謝しています』とあります。
ご夫婦とお母様の三人、心通い合う温かいご家庭。
『介護される母親と介護する父親。お互いうまくいかず、けんかが絶えませんが、
本当は「ありがとう」と言いたいのだと思います。』
相手に食べてもらいたいんですね。
――つづく――