minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

壮絶な生き様

2006年12月18日 | 映画、本、芝居関係
 ようやくカークの伝記を読み終えた。最後の最後(4/5くらい)から断然面白くなった。諦めずに読んで良かったあ(苦笑)。

 それによると、脳卒中で倒れ右半身不随になりながらも、リハビリで左手だけでサックスが吹けるように改造したりして昔のような演奏をした、という奇跡。あんなに楽器をいっぱいぶら下げるだけでも相当苦痛、首に負担がかかって脳卒中が起こるはず。それでもカークは諦めなかった。

 循環呼吸も普通のやり方とは違っておれは耳で吸っているんだ、と豪語していたようだ(苦笑)。それにしても、脳卒中の後、死ぬ数日前にレコーディングをし、死ぬ前日に大学で演奏するなんて正気の沙汰ではない。持っている力を全て果たし、自分の命の終わりを予感しつつ演奏し続けたローランドカークって、やっぱり神に近かったんだなあ。

 ジミ・ヘンドリクスとセッションしたり、演奏中にぼそっとつぶやいたファンの声に反応して怒り出したり、隣でタンバリンを叩き続けるヒッピー風のおっさんが誰だったのか、とかいろんな謎が解明されて本当によかった~。

 私も死ぬ前日までサックス吹きたい!と心の底から思った次第であります。