NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

小川の源流散策(4月17日)

2010年04月20日 | 森林
先日の農作業でまだ播いてなかったトウモロコシとエンドウの種蒔きをしに中野方の畑に行きました。
種蒔きを終わってまだ時間があったので、前から気になっていた畑の横を流れる小川の源流を訪ねてみる事にしました。
森に入ると直ぐ沢は二手に分かれ、地図上では主流の右手の沢を辿ると意外に荒れています。
根を洗われた直径10cm程度のスギ、ヒノキが、両側の急斜面から谷を塞ぐように交互に倒れこんでいて、前進を阻んでいます。
しかし、ミズゴケの付具合や倒木の腐敗具合を見ると谷の荒れようは最近のものではないようです。
谷を進めないので、急斜面を尾根まで上ることにしました。
滑落しそうな急斜面は、下層植生の少ないスギの多い人工林で、中腹にはミヤマシキミの群生を見つけました。


更に上ると、頂上近くでコウヤマキの幼樹の群生に出会い中心には胸高直径80cm程の母樹が聳え立っていました。

しかし、母樹は何年にも渡って種子を散布し続けてきたはずなのに、どうして同じ林齢の幼樹しか見当たらないのでしょうか。
実生から育つのに驚くほど時間がかかっているのか、森の環境が刻々と変化していてある年の種子のみが特別に育ったのか、いづれにしろ何か秘密が隠されているようです。
近くには大きな松も残っています。
この辺りは秋にはキノコ狩が楽しめそうです。

帰りには左手の沢の少し上流に降りてみました。

こちらの沢のほうが水量が豊かです。
次はこちらの上流を訪ねてみます。

豊かな水の流れる小川の上流は、思っていたほど自然林が広がってはいませんでした。
間伐の遅れた人工林もあります。
しかし人の手は入っていませんが、ある程度自然に人工林内の淘汰が進んでいる気配です。
ひょっとすると、今の手入れの遅れた人工林でも、数十年の年月で自然淘汰によってある程度の環境の改善が計られるのかもしれません。
今人工林の間伐の遅れが声高に叫ばれ対策に膨大な補助金が注ぎ込まれていますが、林業を離れて森林の環境改善を考えるなら、緊急の対策を求められる水系以外の人口林は放置して置いた方がいいのかもしれません。
いづれにしても国有林、民有林の区別無く水系毎の森林調査と環境対策を一元的に作成し、人の手が必要な人工林には金だけではなく多くの人の力を注ぎ込んで手入れが必要でしょう。
人の時間スケールでは見えてこない森の大きな動きを、もっと理解する必要がありそうです。

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