あなろぐちっく

mintonのスナップと気まぐれつぶやきブログ。コメントは古い日記でもお気軽に。写真の無断利用は厳禁。

ノルウェイの森

2009年12月13日 21時42分03秒 | SUMMARIT5cmF1.5
僕が大学に入った時にはもう大学紛争は終わっていたが、その残党が大学に復帰していて、おっさんのような学生が別の大学に入りなおしていた。
6歳年上の同級生のアパートに出かけたらその彼と同年の隣の住人が煮物をしていた。
見ると白いTシャツを紅茶で煮ていた。飽きたので色をつけているのだという。

叔父の家が恋ヶ窪にあり、小金井の野川近くの別の叔父の近所に住んでた僕は、週末になると自転車で狭山湖や野川公園や多摩川に出かけた。

大学2年の時は、大正時代からあったと思われる洋館に移り住み、それぞれが別の大学に通う8部屋の住人の一人となった。
まだ合コンなどなく、携帯電話もインターネットもない時代に、代わり番で食事を作ったり、男と女、将来、夢などを毎日話した。
自転車の旅とジャズ三昧の学生生活を送り、新宿のDUGにもよく寄った。

ノルウェイの森はそんな場所が舞台となっている。
もう20年も前に読んだ本だが、そこに登場するビルエヴァンスやモーリスラヴェルやビートルズの音楽馴染みあるものばかりだ。

ただ、20年の時を経て、再度読み終えてみると、その当時に感じなかった重い余韻が残った。
20年前は自分の時代とシンクロする小説として読んだけれど、その後の20年で何人かの友人が自ら死を選び、何人かの知人が早い死を迎え、何人かの知人が精神を病んだせいかもしれない。
思うところの多い小説だった。

R-D1 + Summarit 5cm F1.5
コメント
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