浜田市世界こども美術館 『橋本弘安展』 【2019年6月1日(土)~7月7日(日)】
対話型鑑賞会 2019年6月29日(土)
作品:「明日の道」 1991年 日本画 186cm×176cm
鑑賞者:一般 3名、会員 3名
ナビゲーター:金谷直美
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/ac/0fa866215a307b2e42be27777b220500.jpg)
<はじめに>
以前、橋本弘安先生のギャラリートークに参加した際に、弘安先生がこの作品がはじめて自作の岩絵の具で描いた作品だとうれしそうに語っておられたことが印象的だったことと、具体的なものがいくつも描かれているけれども、なんとなく不思議な感じがしたりすることから、今回の鑑賞会の作品に選びました。
<鑑賞会から>
・最初に、測量に使う機器の上面が見えている。ずい分高いところからの視点である。それに比べて、女の子は正面の視点から描かれていることから、この作品には複数の視点があると思われる。
・実際の測量では、目盛りのある棒を持った人と測量機器をのぞく人が一緒にいることはない。これは実際の場面を描いたのではなくあえて組み合わせて描かれたのではないか?
・測量機器で測っている。これからのことを見ているのでは。
・女の子は立っているのか、座っているのかよくわからない。
・3人の人物が描かれており、年齢が異なることや、顔つきが似ているので兄弟ではないか。
・女の子は、よそ行きの服を着ている。
・女の子のそばには、よくみると天球儀や地球儀のようなもの、そして模型のような家がある。女の子なので、将来は家を出て行くことを暗示しているのではないか?
・女の子の下にあるものは何?岩かも?弘安先生がテーマにしている、自作絵の具の自然の岩や石につながるのかもしれない。
・天球、地球、そして家と、大きなものからの身近なものへの流れを感じる。この作品の中にそのようなものが流れているのでは。
・船乗りが星座を見て現在地を知るということを聞いたことがある。測量機が描かれているということは、現在地を知り、将来を見通す。そんな思いも込められているのでは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/aa/b21c897225b6e9f33bbc0dc8d52d1275.jpg)
<鑑賞会をふりかえって>
この鑑賞会を目指して来館され、初めて参加してくださった方もおられて、うれしかったです。初めての方はもちろん、みなさまありがとうございます。鑑賞会後のふり返りの会で、初めての方にも複数回参加されている方にも、より楽しんでいただけるように、やはり「『鑑賞者ファースト』が大事!」ということが話題にあがりました。
私は、参加されたみなさんにたくさんお話しして頂いていたように思っていましたが、実はナビの私がよくしゃべっていたことが、ふり返りの会で明らかになりました。「ガーン!」と思いながらもふり返ってみると、一つの意見が出たとき、すぐに私がまとめてしまっていました。その際、「他の意見はありませんか?」「このことについて、どう思われますか?」など、参加しておられるみなさんにどんどんきいていったら、「同じように考えていて~」、「似ているけど、自分は~」とか、「実は、全然違っていて~」等、思ったことや考えたことをもっとたくさん話して頂くことができたように思いました。そうすることで、「同じものをみていても、色々なとらえがあるんだ」、「同じように考えていた方もいたんだ」、「色々な見方があっていいんだなあ」などと、見方や考え方の共通性や多様性を分かち合うとともに、より広く深く楽しく作品を味わうとができるように思います。
今後は、もっと「鑑賞者ファースト」を心がけて、楽しい時間を過ごせるようにしていきたいです。
参加してくださったみなさんとご一緒できたからこそ、「弘安先生の自作絵の具のファースト作品」というだけではない、この作品の面白さや作品に込められた思いを味わうことができたのだと思います。
ご参加いただき、ありがとうございました。
【みるみるの会からのお知らせ】
〇対話型鑑賞会のお知らせ
「山光会創立70周年事業 第85回記念東光展巡回島根展」(7/31~8/5)
島根県立美術館(ギャラリー全室)、料金800円
東光展の巡回島根展にて、対話型鑑賞会をさせていただきます。
・8/3(土)14:00~15:00頃まで
・島根県立美術館ギャラリーにて
・参加は無料ですが、東光展巡回島根展の入室料が必要です。
共にみることで、深く考えたり、味わったりと楽しい時間をすごしてみませんか?
対話型鑑賞会 2019年6月29日(土)
作品:「明日の道」 1991年 日本画 186cm×176cm
鑑賞者:一般 3名、会員 3名
ナビゲーター:金谷直美
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/ac/0fa866215a307b2e42be27777b220500.jpg)
<はじめに>
以前、橋本弘安先生のギャラリートークに参加した際に、弘安先生がこの作品がはじめて自作の岩絵の具で描いた作品だとうれしそうに語っておられたことが印象的だったことと、具体的なものがいくつも描かれているけれども、なんとなく不思議な感じがしたりすることから、今回の鑑賞会の作品に選びました。
<鑑賞会から>
・最初に、測量に使う機器の上面が見えている。ずい分高いところからの視点である。それに比べて、女の子は正面の視点から描かれていることから、この作品には複数の視点があると思われる。
・実際の測量では、目盛りのある棒を持った人と測量機器をのぞく人が一緒にいることはない。これは実際の場面を描いたのではなくあえて組み合わせて描かれたのではないか?
・測量機器で測っている。これからのことを見ているのでは。
・女の子は立っているのか、座っているのかよくわからない。
・3人の人物が描かれており、年齢が異なることや、顔つきが似ているので兄弟ではないか。
・女の子は、よそ行きの服を着ている。
・女の子のそばには、よくみると天球儀や地球儀のようなもの、そして模型のような家がある。女の子なので、将来は家を出て行くことを暗示しているのではないか?
・女の子の下にあるものは何?岩かも?弘安先生がテーマにしている、自作絵の具の自然の岩や石につながるのかもしれない。
・天球、地球、そして家と、大きなものからの身近なものへの流れを感じる。この作品の中にそのようなものが流れているのでは。
・船乗りが星座を見て現在地を知るということを聞いたことがある。測量機が描かれているということは、現在地を知り、将来を見通す。そんな思いも込められているのでは。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/aa/b21c897225b6e9f33bbc0dc8d52d1275.jpg)
<鑑賞会をふりかえって>
この鑑賞会を目指して来館され、初めて参加してくださった方もおられて、うれしかったです。初めての方はもちろん、みなさまありがとうございます。鑑賞会後のふり返りの会で、初めての方にも複数回参加されている方にも、より楽しんでいただけるように、やはり「『鑑賞者ファースト』が大事!」ということが話題にあがりました。
私は、参加されたみなさんにたくさんお話しして頂いていたように思っていましたが、実はナビの私がよくしゃべっていたことが、ふり返りの会で明らかになりました。「ガーン!」と思いながらもふり返ってみると、一つの意見が出たとき、すぐに私がまとめてしまっていました。その際、「他の意見はありませんか?」「このことについて、どう思われますか?」など、参加しておられるみなさんにどんどんきいていったら、「同じように考えていて~」、「似ているけど、自分は~」とか、「実は、全然違っていて~」等、思ったことや考えたことをもっとたくさん話して頂くことができたように思いました。そうすることで、「同じものをみていても、色々なとらえがあるんだ」、「同じように考えていた方もいたんだ」、「色々な見方があっていいんだなあ」などと、見方や考え方の共通性や多様性を分かち合うとともに、より広く深く楽しく作品を味わうとができるように思います。
今後は、もっと「鑑賞者ファースト」を心がけて、楽しい時間を過ごせるようにしていきたいです。
参加してくださったみなさんとご一緒できたからこそ、「弘安先生の自作絵の具のファースト作品」というだけではない、この作品の面白さや作品に込められた思いを味わうことができたのだと思います。
ご参加いただき、ありがとうございました。
【みるみるの会からのお知らせ】
〇対話型鑑賞会のお知らせ
「山光会創立70周年事業 第85回記念東光展巡回島根展」(7/31~8/5)
島根県立美術館(ギャラリー全室)、料金800円
東光展の巡回島根展にて、対話型鑑賞会をさせていただきます。
・8/3(土)14:00~15:00頃まで
・島根県立美術館ギャラリーにて
・参加は無料ですが、東光展巡回島根展の入室料が必要です。
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