1月18日の浜田市世界子ども美術館でのナビ担当の金谷さんからのレポートが届きましたので、UPしたいと思います。画像については前々回に乗せたと思いますので、そちらをご覧ください。
先月、1月18日にナビゲーターをさせていただきました、金谷です。レポートをあげるのが、大変遅くなってしまいました。みなさん、お元気ですか?
さて、春日さんにも指摘されていましたが、久々のナビはずばり、緊張していました。自分では、「なかなかナチュラルな入りをしたぞ!よっしゃ~っ!」と内心思っていましたが、客観的にみるとかなり空回っていたようです。とほほ。気を取り直して、先日の鑑賞会をふりかえってみます。
鑑賞した作品は、山崎修二さんの「崖と海」(1997・油絵)です。画面中央にどっしりとした荒々しい断崖が描かれた、作者87歳の大作です。
まず、はじめに描かれているものや印象を話していただきました(ここで例の空回りです)。参加者が中学生と大人が半々でしたので、ぜひはじめに中学生にも声を出してもらいたい思いが、強く出すぎてしまいました。「では、若者から…」、「続いてベテランチームも…」なんて、言っていました。もっと、ふつうに話しかければよかったと、今更ながら思います。
参加者の言葉を返しつなげていく、パラフレイズは、「短く・簡潔に」を心がけました。長文は覚えられない、というのが正直なところでもあるのですが、鑑賞者の思いの芯をとらえて返したいというのが、私のテーマでもあります。
対話型鑑賞では、ナビも鑑賞者の一人として存在するのですが、やはり鑑賞の主体は(ナビ以外の)鑑賞者であります。しかし、私は鑑賞者のパラフレイズをしながら、その上に自分の思いを乗せてしまっていました。鑑賞者主体になり切れず、ナビも一鑑賞者ということにもなれず中途半端になってしまいました。気持ちのどこかで、「いいまとめをしなくてはいけない」という焦りが、鑑賞者主体を妨げてしまっていました。我ながら、「もっと、リラックス~」です。
と、ここまででは、「どれだけつまらない鑑賞会だったのか」と心配される方もおられるかもしれませんね(いや、そんな心配してない?)。鑑賞後のアンケートでは、「鑑賞活動は楽しかった」、「参加者の発言を聞いて、自分もいろいろな考えを持つことができた」、「人と一緒に対話しながら絵を観ると、考えが深まると感じた」、それぞれの項目で、高い評価をいただきました。参加者の皆さん、ありがとうございます!
鑑賞会の後半では、「かなり高い場所から、この崖を描いている。」など、作者の目線についても話が出てきました。また描かれている空の色から、「晴れているが曇り空」というような山陰の独特な色合いについても触れられ、そして「神話の世界につながっていきそう」という意見も出されました。島根ならではのこの感覚はとても素敵だなあと思いました。このような対話をしながら、浜田生まれで浜田育ちの私としては、ごく当たり前な冬の空模様も実は山陰独特のものであることに、改めて気づかされました。やはり話す(自分の外に出す)ことで自分の思いなどに気づくことができ、そのことによって知らず知らずのうちに作り上げている自分の世界観を、改めて認識することができるのかもしれません。話はそれますが、テレビなどで「美肌ナンバーワンの島根県」と言われても、まったくピンときませんでした(私はすぐ日に焼けますし、冬でも太陽は照っています!)。でも、生の対話をとおすと、青空の定義が何か違っている…ということも、「そうなんだ!」と驚きながらも受け入れられたように思います。また、アンケートにも「たくさんの意見をきいて、自分が全然感じてなかったことなどがきけたりして、考えを深めることができてよかった」とあり、いろいろな意見を聞くことの大切さを再確認することができました。
今回、参加者のみなさんが美術部員だということもあり、アンケートにも制作者・表現者としての思いがつづられていました。「油絵だったので意見を言ったかいがあった。色々勉強になったので、それを生かして描きたい」、「私は油絵を描いたことがないので、あんなにすごい絵が描けるんだなとビックリしました」、「あの絵を描いた場所に行ってみたい」等々、鑑賞と表現がつながっていくことを感じることができて、とても興味深かったです。
鑑賞会が終わった後、絵の前で参加者が語り合いました。ちょうど隣に展示されている、同作者の「瀬戸ヶ島の正月」(1959・油絵)と色彩やタッチを比べたりしながら、いつまでも話が尽きないような感じでした。この段階ではナビの緊張も解けており、会話もスムーズに。「あ、こんな感じでナビをしたらいいんだ」と、終わってから気づきました。緊張は隠していても伝わるんですね。
さて、こんな緊張しいの金谷ですが、またまたナビをさせていただきます。2月23日(日)益田市のグラントワ内の石見美術館「あなたはどう見る?-よく見て話そう美術について- 『みるみると見てみる?』」でお会いしましょう!14:00スタートの予定ですよ。一緒に楽しくよく見て、たくさん話しましょう!
以上、金谷さんの報告でした。
また、3月22日には京都造形芸術大学でセミナーも開催されます。みるみる会員も参加します。年度末の慌ただしい時期とは思うのですが、そんな時だからこそ、来年度に向けての英気を養い、「忙中閑あり」ですよ。お得な出来事があなたを待っているかもしれません!!まだ席に余裕があるようですので、申し込むだけでも申し込んでおくといいのではないかと思います。
先月、1月18日にナビゲーターをさせていただきました、金谷です。レポートをあげるのが、大変遅くなってしまいました。みなさん、お元気ですか?
さて、春日さんにも指摘されていましたが、久々のナビはずばり、緊張していました。自分では、「なかなかナチュラルな入りをしたぞ!よっしゃ~っ!」と内心思っていましたが、客観的にみるとかなり空回っていたようです。とほほ。気を取り直して、先日の鑑賞会をふりかえってみます。
鑑賞した作品は、山崎修二さんの「崖と海」(1997・油絵)です。画面中央にどっしりとした荒々しい断崖が描かれた、作者87歳の大作です。
まず、はじめに描かれているものや印象を話していただきました(ここで例の空回りです)。参加者が中学生と大人が半々でしたので、ぜひはじめに中学生にも声を出してもらいたい思いが、強く出すぎてしまいました。「では、若者から…」、「続いてベテランチームも…」なんて、言っていました。もっと、ふつうに話しかければよかったと、今更ながら思います。
参加者の言葉を返しつなげていく、パラフレイズは、「短く・簡潔に」を心がけました。長文は覚えられない、というのが正直なところでもあるのですが、鑑賞者の思いの芯をとらえて返したいというのが、私のテーマでもあります。
対話型鑑賞では、ナビも鑑賞者の一人として存在するのですが、やはり鑑賞の主体は(ナビ以外の)鑑賞者であります。しかし、私は鑑賞者のパラフレイズをしながら、その上に自分の思いを乗せてしまっていました。鑑賞者主体になり切れず、ナビも一鑑賞者ということにもなれず中途半端になってしまいました。気持ちのどこかで、「いいまとめをしなくてはいけない」という焦りが、鑑賞者主体を妨げてしまっていました。我ながら、「もっと、リラックス~」です。
と、ここまででは、「どれだけつまらない鑑賞会だったのか」と心配される方もおられるかもしれませんね(いや、そんな心配してない?)。鑑賞後のアンケートでは、「鑑賞活動は楽しかった」、「参加者の発言を聞いて、自分もいろいろな考えを持つことができた」、「人と一緒に対話しながら絵を観ると、考えが深まると感じた」、それぞれの項目で、高い評価をいただきました。参加者の皆さん、ありがとうございます!
鑑賞会の後半では、「かなり高い場所から、この崖を描いている。」など、作者の目線についても話が出てきました。また描かれている空の色から、「晴れているが曇り空」というような山陰の独特な色合いについても触れられ、そして「神話の世界につながっていきそう」という意見も出されました。島根ならではのこの感覚はとても素敵だなあと思いました。このような対話をしながら、浜田生まれで浜田育ちの私としては、ごく当たり前な冬の空模様も実は山陰独特のものであることに、改めて気づかされました。やはり話す(自分の外に出す)ことで自分の思いなどに気づくことができ、そのことによって知らず知らずのうちに作り上げている自分の世界観を、改めて認識することができるのかもしれません。話はそれますが、テレビなどで「美肌ナンバーワンの島根県」と言われても、まったくピンときませんでした(私はすぐ日に焼けますし、冬でも太陽は照っています!)。でも、生の対話をとおすと、青空の定義が何か違っている…ということも、「そうなんだ!」と驚きながらも受け入れられたように思います。また、アンケートにも「たくさんの意見をきいて、自分が全然感じてなかったことなどがきけたりして、考えを深めることができてよかった」とあり、いろいろな意見を聞くことの大切さを再確認することができました。
今回、参加者のみなさんが美術部員だということもあり、アンケートにも制作者・表現者としての思いがつづられていました。「油絵だったので意見を言ったかいがあった。色々勉強になったので、それを生かして描きたい」、「私は油絵を描いたことがないので、あんなにすごい絵が描けるんだなとビックリしました」、「あの絵を描いた場所に行ってみたい」等々、鑑賞と表現がつながっていくことを感じることができて、とても興味深かったです。
鑑賞会が終わった後、絵の前で参加者が語り合いました。ちょうど隣に展示されている、同作者の「瀬戸ヶ島の正月」(1959・油絵)と色彩やタッチを比べたりしながら、いつまでも話が尽きないような感じでした。この段階ではナビの緊張も解けており、会話もスムーズに。「あ、こんな感じでナビをしたらいいんだ」と、終わってから気づきました。緊張は隠していても伝わるんですね。
さて、こんな緊張しいの金谷ですが、またまたナビをさせていただきます。2月23日(日)益田市のグラントワ内の石見美術館「あなたはどう見る?-よく見て話そう美術について- 『みるみると見てみる?』」でお会いしましょう!14:00スタートの予定ですよ。一緒に楽しくよく見て、たくさん話しましょう!
以上、金谷さんの報告でした。
また、3月22日には京都造形芸術大学でセミナーも開催されます。みるみる会員も参加します。年度末の慌ただしい時期とは思うのですが、そんな時だからこそ、来年度に向けての英気を養い、「忙中閑あり」ですよ。お得な出来事があなたを待っているかもしれません!!まだ席に余裕があるようですので、申し込むだけでも申し込んでおくといいのではないかと思います。
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