ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

下関美術館研修 上坂レポートが届きました!!

2016-04-02 08:02:16 | 対話型鑑賞


3月19日(土) 下関市立美術館 「中高生のための対話型鑑賞会」
先日の春日美由紀先生のレポートでは、当日の企画について要点を押さえながら詳しく記されていて、グループ活動での様子も伝えられていたので、私も自分のグループで出会った中高生の活動について、報告を試みたく思います。
その前に、午後からの大人たちの研修会で話題にもなったことですが、この度の企画で生徒たちの活動が有意義なものになった要因が幾つか挙げられたこともあり、私の独断も添えて、箇条書きにしてみたいと思います。

①50分あまりのレクチャーは体験を伴う展開となるよう工夫されていて、経験値に拠らず、
誰もが実感を伴いながら、鑑賞活動がコミュニケーションのひとつだと理解できたこと。
②5人一組の班活動のなかに、大人(教員もしくは教員経験者)が一人は混ざっていて、班
活動を円滑にした可能性も高いこと。⇒私の班では最初こそ大人の私が司会役のようになっていましたが、委ねてみると積極的に、いろいろと提案してくれました!
③今回参加した中高生たちは、先生方のこれまでの様々な試みが功を奏し、鑑賞に対する期待も十分に備え、「対話による鑑賞のやりとりも、ある程度経験済み」という感じで、全くのゼロからのスタートではなかったこと。

導入として「鑑賞」とは、どのような意味があるかについて、北野研究員のクイズ形式の投げかけに対し、言葉として、知識として、ある程度は知っているからできるような回答をした生徒が何人かいたこともあり、また、3年前から京都造形芸術大学と連携した授業を行ってきたという学校もあり、下地作りは一朝一夕では、できないのだと思いました。それでも、改めて「なぜ、対話をしながら鑑賞するのか」について、北野研究員のレクによって、体験的に納得できた状態を経て美術館内に放たれたことは、大きな効果を生んだのではないか、と大人たちは分析していたのでした。
今回の企画のコーディネーターとして、企画運営に携わった先生方の勤務先である県立下関商業高等学校と県立中等教育学校からは、当然のように参加者多数で、関心の高さが伺えました。また、市立中学校の十数名の中学生も参加していて、引率の先生にご挨拶した際には「みんな、はじめはおとなしいけれど、鑑賞会が始まったら、けっこうにぎやかだよ。」と、楽しみな顔で言われ、そのことの意味は後になってようやく、後半の班活動に混ぜてもらって判ったことでした。彼らのリーダーシップや、作品に対する言葉の選び方や向き合い方、後ほど念入りにお伝えしたく思います。また、後から分かったことですが、市立中学校の生徒たちは美術館に近いこともあり、館内での活動に対して、圧倒的に経験値が高い、ということでした。

鑑賞会当日、曇り空のなか、らせん状のスロープを上った美術館前には予想以上に多くの学生服姿の中高生が集まっていて、とにかく中高生だけで総勢35名くらい、年齢も学校も異なりますが、一クラス分の人数の参加がありました。
それから、引率者をはじめ教育機関に関わる大人が十数名加わり、総勢49名が講座室に集いました。この度の企画の広報は下関市立美術館が行うと企画書に記されていたので、美術館の協力もあって多くの参加者に恵まれたのだと思いました。
収蔵作品を「特集 旅立ちの日に 高校三年生に贈る 知っておきたい下関の美術」と銘打ち、2月下旬からの2か月間展示するなかで、この度の対話による鑑賞企画と連携し、楽しんでもらおうと考えた美術館の方々の心意気も感じられました。
この日の出来事を周囲に伝えると「高校三年生では、遅いんじゃないの?」という問いかけもありましたが、18歳で、この地を去る人たちへも見せたい収蔵作品の数々について、同世代の異なる視点を交わす機会があればこそ、また生きてくる企画だったのではないかと応えてみました。中学一年生も、高校二年生も、自分の中にある、美術に関わってきた経験値を最大限に駆使して、感じたことや考えたこと、疑問に思って推察したことなどを、言葉にして伝えようとしていました。
私のレポートは長くなりそうな予感もするので前半編は、ここまでとします。
後日、後半編がお届けできますように、試みたく思います。
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