ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

ICTを活用した授業を行いました

2013-09-17 22:43:47 | 対話型鑑賞
ICTを活用した授業を行いました


夏休みにICT活用講座の研修を2日間にわたって受講しました。その時に、授業での活用を10月末日までに報告する課題が出されていたのを思い出し、今日早速実践してみましたので、ブログでも紹介したいと思います。

教育現場でのICT活用が進んでいますが、島根県ではまだまだのようです。小学校で利用される先生が増えているようです。私の勤務する中学校では社会科の先生と数学の先生がよく利用しています。今年度は3年生の数学のT2として授業に行っているので、T1の先生がICTを利用しての授業を直接見させてもらう場面があり、その効果を実感しました。

私たちの実践している対話型鑑賞の授業もICTを活用する授業ですが、もっと美術にも取り入れるとよいと思われる場面があるので、昨年度から準備を始め、美術科用の実物投影機(書画カメラ)を教材備品費で購入していましたが、機材の設置に不安を感じ、研修を受けるまで美術室で利用できる状態になっていませんでした。
研修では、2日目に実際の授業場面で活用することを想定した模擬授業を行うことが課題として出されました。何がよいかと思案しましたが、実技の実演を見せるのが効果的だと考えました。1年生のデザインの授業での平塗の技法は小学校時代水彩でしか彩色したことのない生徒たちにはなかなか難しいようで、毎年教えるのに苦労しています。そこで彩色しているところを動画で撮影したものを見せるのはどうかと考えました。見せながら、水彩での彩色との違いを考えさせようと思いました。この模擬授業を中学校の先生方を生徒に見立てて行いましたが、どの先生にもわかりやすいと好評でしたし、こちらが意図する気づきがどの先生も起きていたので、生徒にも通用すると手応えを感じました。そして、美術でICTを利用するのは授業をより効果的に進めるのに有効だと確信しました。そこで夏休み明けから美術室でいつでも利用できる環境を整えました。まだ、完璧ではないですが、今日の授業から利用してみました。
今日の授業は、1学期に初めて使用するアクリル絵の具で平塗の技法を利用して彩色する色相環の作品を夏休みの課題としていましたが、その作品の鑑賞を通して、自分にまだ不十分なところに気付いて、修正を加えようというものです。アクリル絵の具は重ね塗りが可能なので、水分が多く塗りムラのあるものは修正ができます。どうすれば、もっと平塗がうまくできるのかを、同じクラスの友だちの作品を見、友だちにどう塗ったのかをインタビューさせて、自分の取り組みを反省し、巧く塗るためのコツをつかんでもらおうと考えました。
ホワイトボードには、平塗をする時の注意点を思い出させて発言させた内容を記述し、スクリーンにはワークシートを映して、学習の方法をワークシートの説明を通して理解できるように進めました。私は美術の授業にワークシートをよく使用しますが、この利用方法を説明するのに今まで苦労していましたが、実物をスクリーンに投影することで説明の理解が容易になるのではないかと考えました。
ブログに掲載している画像はこの授業風景です。生徒は友だちの作品を鑑賞しながら、その作品を制作した友人に取り組みについてのインタビューをしながらワークシートに書き込みをしています。活動後は自席に帰り、活動を通して学んだことをまとめ、自分の作品をバージョン・アップ(修正を加えることをこう呼んでいます)する作戦を立てさせます。
でも、バージョン・アップ作戦は授業では行いません。(時数がもったいないので)家庭での課題とし、9月末までに提出するようにしています。
授業はこの後、色のグラデーションを利用しての「図書カードのデザイン」の作成に入ります。「図書カードのデザイン」作品のうち1位に選ばれたものは翌年入学する1年生の図書カードとして活用されます。自分の作品が採用される可能性があるので、どの生徒もかなり真剣に取り組みます。グラデーションの彩色に併せ、レタリングやイラストも描き加えて、本を読みたくなるようなデザインを考案し「図書カード」にふさわしいデザインにしていきます。この時に「デザイン」とは何かについても学びます。
また、作品が完成しましたら、紹介したいと思います。

みるみるの会は対話型鑑賞の実践を中心に行う会ではありますが、美術科教員が会員の大半を占めるので、美術の授業の紹介もしていきたいと考えています。また、ご覧になられた感想などもお寄せいただけると幸いです。
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