台湾陸軍第6軍団を率いた元副指揮官は「中国のスパイ」だった
退役軍人らがおおがかりな反政府武装蜂起を計画していた
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台湾で、中国と呼応して台湾政府の転覆を計画した退役将校らが摘発されたことは小誌既報の通り(小誌1月16日(木曜日)通巻第8601号「台湾での中国スパイ訴追は4年間で3倍に増加」)。
1月20日に台湾陸軍第6軍団を率いた元副指揮官を「国家安全法」違反で起訴され、「中のスパイとして最高位の将校が関与した事件」となった。国家安全にかかわるスパイ事件の8割超は退役軍人や警察官が関与していた。
退役中将ら6人は2018年から中国に渡航し中国軍の諜報機関関係者と接触、共産党から指示を受け、資金を受けとって、台湾に武装組織をオーガナイズ、中国による台湾侵攻の際に武装蜂起することを計画していた。
『自由時報』に拠れば、当該退役将校らは官公庁攻撃のほか、政府要人や軍、警察関係者の暗殺、軍事拠点の破壊などを具体的に計画した。中国側から計962万台湾元(約4600万円)を受けとっていた。(しかし僅か4600万円で政府転覆???)
こうした武装計画はほかのグループでもなされ、台湾陸軍を佐官級で退役した元軍人ら7人が中国側の資金提供を受けて武装組織の育成を図ったとして、2024年8月に起訴された。このグループは「中国人民解放軍の10万人を台湾に引き入れる計画」なるものを立案し、秘密裏に台湾独立派の人物を殺害する「狙撃隊」を結成していた(大金をせしめた大洞?)。
台湾大陸委員会報道官は1月23日の記者会見で、「ふたつの事件は酷似しており、中国共産党は計画的かつ組織的に武装蜂起準備勢力を育成している」とした。
国家安全に関わる事件の85%以上は退役した軍人や警察官が関与していた。
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)1月25日(土曜日)参
通巻第8619号 より