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ただの日記

怒るべきか、呆れるべきか

2020年04月26日 | 心の持ち様
2011.07/01 (Fri)

 先日来、何だか気になっていたことです。
 震災後、四ヶ月目に入った今頃になって、やっと復興担当相が決まりました。で、あまり大きな話題にはならなかったんですが、復興担当大臣となった松本龍氏の発言が引っ掛かった。

 「チームドラゴン」始動 松本復興相が異色会見
 「民主も自民も公明も嫌いだ!」
 
2011.6.28 23:21
 松本龍復興対策担当相は28日、就任後初となる記者会見を行った。重責を担い吹っ切れたのか、質疑途中にサングラスをかけ、自ら率いる被災者支援チームを「チーム・ドラゴン(龍)」と命名した。
 松本氏は「ひたすら被災者に歩いていく。復興基本法に魂を入れ、骨や肉をつけていく」と語り、被災地復興に全力を注ぐ覚悟を強調。「3月11日以来、私は民主も自民も公明も嫌いだ。(首相退陣が)7月か8月になるか分からないが、このチームは右顧左眄しない」と述べ、「菅降ろし」に明け暮れる民自公3党に強い不快感を示した。

 「チームが失敗したら責任を取るのが閣僚の役目。私は屋上でたばこを吸っていようかと思う」と断言すると、同席した復興対策本部長補佐に就任した平野達男内閣府副大臣は「松本さんは親分肌だ!」との最大級の賛辞。責任転嫁ばかりする首相はますます見劣りしてしまうのでは-。
 (産経新聞)

 「リーダーとは責任をとる人のこと。部下の失敗を全て自分の責任として引き受けること」という、おそらくは氏の本音を語った後半は、テレビでは全く触れていません。新聞もアサヒは全く何も書かれていなかった。
 この後半があれば、
 「一度誰かに従ったならば、最後まで従うべきだし、一度リーダーとなったら仕事は部下を信じて全て任せ、自身はいつでも腹を切るつもりでいるべきだ」
 と氏が思っているらしいことが分かります。
 その眼で「3月11日以来、私は民主も自民も~」という言葉を見ると、「みんな各自の党のことばかりで、団結して国のためにという気が全くないじゃないか」と言っているだけでなく、現総理が国会をまとめようという努力を全くしてないことも匂わせているのが透けて見えます。

 しかし、「一度、閣僚として従ったならば、最後まで従うべきで、途中で批判を始め、離脱するなど、以ての外である。」
 そう思っている。

 氏は震災発生後、いるのかいないのか分からないくらい目立たなかったと言われています。
 これは、
 ①防災担当として何をどうしたら良いのか分からなかった結果、パニック状態に陥り、フリーズしてしまったからだという説が有力です。
 しかし、こうも考えられる。
 ②指示を出そうにも、次から次へと作られる本部の会議ばかりで、具体的な行動ができなかった(本人の主観)。また、指示を出そうにも統括者である総理は何から何まで一人で抱え込んでおり、防災担当としての職分もはっきりさせられない。だから、具体的な指示を出そうにも出せないし、指示を出さなければ当然役人は動かない(動けない)。

 防災担当の仕事、というのは、名前どおり災害を防ぐこと。災害発生までの準備が大事であって、いざ起きてからは人命救助、ライフラインの確保あたりまでが主な仕事です。
 そこから先に起こる様々な問題は、復興担当の仕事となる。その場合は全権を持っていなければ動くに動けない。
 だからこその復興担当大臣だし、大災害は復興庁を置かなければやっていけない。なのに、自衛隊の派遣規模や選定も、総理と防衛相が頭越しにやったのではありませんか?

 そして、今回の災害は繰り返し言われたとおり、未曾有の大災害です。
 だから復興庁を置いて当たり前。それが、「復興担当」です。それも、今頃になって、復興庁であるべきが復興担当を置くだけ。それも、四ヶ月目も半ばになって。
 そして、防災担当として、何もできなかった(手腕の有無もあるでしょうが、まずは何もできなかった)松本氏を任命する。
 松本氏は二回断っているそうです。三度目に意を決して引き受けたらしい。
 「ふっ切れたのか」「途中でサングラスをかけ」「3・11以来、民主も自民も公明もみんな嫌いだ」と言い、「チームドラゴン」「屋上でたばこを吸っていようか」と続けた。

 これ、この「ふっ切れた中身」を見るべきだと思います。
 「パニックになって固まっていた」のかも知れないし、「指示を通そうにも、役人が全く言うことを聞いてくれなかった」のかもしれない。
 しかし、「一旦、従ったならば~」と思っている氏に対し、総理は全く指示を与えない。それどころか自民、公明は言うまでもなく、自党である民主党までもが、対岸の火事のような顔をして、全く危機感を持ってない。反対に己の保身のためにのみ、物事を考える。

 「何だ、このざまは!この政府は!もうこんなもの、知るか!」
 ほとほと嫌気が差していたところへ総理から 「復興担当になってくれ」と言われた。
 「ふざけるな!いまさら何言ってやがる!俺は叛旗を翻すのは筋が通らないから、と黙っていたのに。」
 だから、二度断わった。
 「私にはその力がないからお断りします」

 しかし、既に引き受ける者は誰もいない。
 もはや、乗りかかった船ではない。乗り込んだ船だ。
 いまさら自分には何もできない。
 しかし、実際のところ、仕事をするのは役人であって、自分は最後に腹を切れば良い。
 総理は役人を信じないで仕事を抱え込んだから二進も三進も行かなくなったのだ。ここは詰め腹を切らされる役を引き受けるしかないか。
 見てろ!自民も公明も民主党の連中も。責任を取るというのはこういうことだ!

 「屋上でタバコ吸っていよう」というのは、みんなを信じて全てを任せ、何があっても最終的には自分が責任を取って腹を切ってやる、というロマンチシズムの現れでしょうか。

 しかし、マスメディアはひどいですね。自民党も公明党も「あの言い草は何だ!」と問題視して国会で追及すると言っているのに、話題にもしない。
 「菅総理、いつ辞める」ばかりだ。(ああ、一本釣り、もありましたね)
 「民主も」は良いとしても、「自民も公明も嫌いだ」というのは、氏の両党に対する理解度の低さの故です。
 だからこそ、防災担当として仕事らしい仕事をする能力がない、と言われたわけです。

 しかし、これで自公に国会で追及され、大喧嘩にでもなれば、彼も分かるでしょう。
 「乗り込んだ船」であっても、逃げなきゃならない時もある、と。
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