書評 BOOKREVIEW
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日本の衰退、滅亡が近い。戦いを忘れ、忘国へ突っ走っていることにも気づかず
男系男子の皇統は日本の伝統であり、信仰であり、文化の中枢だ
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葛城奈海『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社新書)
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いまの日本および日本人の精神構造の爛れた現実、その悲惨さは病的と言って良い。
国家安全保障をなおざりにし、アメリカ軍に防衛を依存し、平和は国連にまかせ、ひたすら「戦争は悪だ」と乙女の祈り。
そもそも国際常識に照らして外国軍が駐屯していることは独立国ではない。
我が国の領空は外国空軍の航空路が優先している。主権を犯されているにも拘わらず日本人にそうした認識がない。世界の常識は日本の非常識である。
平和は軍備の備えがあって始めて抑止力が機能し、目的が達成される。国連はレトリックが飛び交い、何もしないぐーだら職員が高給を食むところ。国連に問題解決をゆだねるなどアホの骨頂である。
米軍は日本の傭兵ではないし、中国が核戦争を辞さないとなれば、さっさと撤収するだろう。
ベトナムでアフガンで、ワシントンが見切りをつけるや否や、米軍は電光石火のごとくに引き上げた。あとは野となれ山となれ!
葛城さんは本書において、尖閣、拉致被害者、戦後教育などのタブーに挑んだ。そして彼女は「男系男子皇統を守る会」の会長として国連へ飛んで「女性天皇を認めないのは男女差別だ」という偏見に堂々と反対意見をのべてきた。
本書の革新的部分はこの天皇伝統に関するチャプターにある。
大学生時代まで葛城さんはなんとなく「天皇制反対」だったと正直に書く。転機は友人が貸してくれた本に「天皇は国の平和と国民の安寧を祈る人」と書かれていて驚いて以来だという。
戦後教育は、この天皇の「祈り」を教えなかった。GHQが「神道指令」で「宮中祭祀を皇室の『私的な行事』にしてしまったからだ」(138p)
天皇をエンペラーと訳したのが間違い、ツアーでもキングでもエミレーツでもない。適切な英訳をさがせば「プリーストキング」(祭祀王)である。
孝明天皇は攘夷論の信者だったが文久二年五月に「時局御診念の御述懐」という勅書をだされ、結びの言葉を次のようにされた(診は「車」扁)。
「唯に因習姑息,旧套に従いて改めざれば、
海内疲弊の極、卒には戎虜の術中に陥り
座しながら膝を犬羊に屈し、殷鑑遠からず、印度の覆轍を踏まば
朕實に何を以てか先皇在天の神霊に謝せんや」
(従来的慣習にとらわれ荏苒と時間を過ごせば国家は疲れ果て外国の餌食となり野蛮人に膝を屈することになる。印度の悪例を見よ。今、立ち上がらなければ、歴代天皇の神霊に顔向けができない)
孝明天皇は嘆かれたのである。
皇位継承問題は「有識者会議」が何回か開催され、座長にロボット工学の学者が選ばれて国民はたいそう驚いた。
以後、メディアは「愛子天皇」をあおり、男系男子の万世一系という古来よりの伝統を葬り去ろうと暗躍を続ける。
八人十代の女性天皇はいずれも称制(中継ぎ)だった。
第十五代応神天皇と第二十六代継体天皇はそれぞれが先帝の内親王に入婿というかたちで万世一系を継がれた。
立太子と親王殿下がおられるのに愛子天皇論とはなんという社会風潮の乱れか、それもこれも歴史教育が間違っていて、女性天皇と女系天皇の区別がわからない。
国連に巣くって陰謀が大好きな職業左翼が「男女差別」を持ち出して、女性天皇を勧告するなどは主権侵害である。
「皇統(父系男系)を守る国民連合の会」は次の意見書を国連に出した
「日本の皇室典範は古代伝統に基づく信仰であり、女性差別として扱うことは「宗教の自由」への侵犯である。カトリック教会の法王・枢機卿・神父などの聖職者、イスラムの聖職者はみな男性。なぜローマ法王やイスラム教国には「女性差別」を言わないのか。(中略)日本における皇統の男系一貫は、民族固有の価値観から生まれた文化として尊重されるよう」(155~156p)
睡魔に襲われた日本男子よ、耳の垢をほじってよく聴きたまへ。
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)11月22日(土曜日)
通巻第8517号 より
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何となく「愛子天皇でいいんじゃない?」と言う意見。
天皇は普段宮中にあって国家の祭祀を行われるわけですが、この発言からは国民が神様であって、天皇を指名、決定するのだという傲慢な姿勢が感じられます。
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