春の里山の花を画像と文章で追ったこのシリーズも4回目となった。今回は雑木林の林床に咲く花をリポートしてみた。
4月も中旬を過ぎると里山の雑木林では芽吹き始めた木々の新緑や草の葉の初々しいグリーンが陽の光を受け眩しいほど輝いてくる。その明るい林の中を春植物を探して歩くのはとても楽しい。この季節の短い期間に花を咲かせる植物を西洋人は『スプリング エフェメラル(春のはかない生命)』と呼んだ。なんともロマンチックな響きを持つ言葉ではないか。
この「春のはかない生命」の日本の里山代表と言えばセツブンソウやカタクリなどになるだろうか。僕がよく通う雑木林ではこれらの代表選手は見られないが、数年前に目の覚めるような光景に出会った。目的も期待もなしに足を踏み入れた林の中にたくさんの真っ白い花の群落を見つけたのだ。夢中で撮した画像を後で調べてみるとキンポウゲ科の『ニリンソウ』だった。その名のように、切れ込みのある葉の中心から2本の花茎を伸ばし、2cmほどの白い花を咲かせる。よく似た同じ仲間にサンリンソウやイチリンソウもある。この時の情景は今もハッキリと憶えている。誰もいない静かな林の中で床に敷き詰めたように白い花が大きな群落をつくっていて、じっとしているといつまでも花と自分だけの時間が流れているようだった。まさに「秘密の花園」に迷い込んだような不思議な感覚である。以来、春になるとこの秘密の場所に毎年のように訪れる。今年も無事に再会することができた。
ニリンソウの花期がピークとなる頃、周辺の林では他にも多くの種類の春植物の花たちが咲き揃う。全て紹介することはできないがその中からこの日に観察できたものをいくつか、画像をピックアップしてみよう。下の画像の向って左から、センリョウ科の『ヒトリシズカ』シズカは静でその可憐な姿が静御前に匹敵するほど美しいからと言う。次がユリ科の『チゴユリ』。クヌギやコナラの根元に群生し、その名のとおり1cmほどの小さな花を下向きに咲かせるので、うっかりすると見過ごしてしまう。このカットも地面に這いつくばって撮影した。最後はリンドウ科の『フデリンドウ』。秋に咲くリンドウとは違いとても小型である。小指の先ほどだろうか。木漏れ日のさすような比較的明るい林にはえるが、日が照らないと花を開かないので曇りの日などは見つけにくい。春たけなわ。里山ではこれからゴールデン・ウィークの頃までは春植物の花が賑やかだ。まだしばらく楽しめそうだ。
4月も中旬を過ぎると里山の雑木林では芽吹き始めた木々の新緑や草の葉の初々しいグリーンが陽の光を受け眩しいほど輝いてくる。その明るい林の中を春植物を探して歩くのはとても楽しい。この季節の短い期間に花を咲かせる植物を西洋人は『スプリング エフェメラル(春のはかない生命)』と呼んだ。なんともロマンチックな響きを持つ言葉ではないか。
この「春のはかない生命」の日本の里山代表と言えばセツブンソウやカタクリなどになるだろうか。僕がよく通う雑木林ではこれらの代表選手は見られないが、数年前に目の覚めるような光景に出会った。目的も期待もなしに足を踏み入れた林の中にたくさんの真っ白い花の群落を見つけたのだ。夢中で撮した画像を後で調べてみるとキンポウゲ科の『ニリンソウ』だった。その名のように、切れ込みのある葉の中心から2本の花茎を伸ばし、2cmほどの白い花を咲かせる。よく似た同じ仲間にサンリンソウやイチリンソウもある。この時の情景は今もハッキリと憶えている。誰もいない静かな林の中で床に敷き詰めたように白い花が大きな群落をつくっていて、じっとしているといつまでも花と自分だけの時間が流れているようだった。まさに「秘密の花園」に迷い込んだような不思議な感覚である。以来、春になるとこの秘密の場所に毎年のように訪れる。今年も無事に再会することができた。
ニリンソウの花期がピークとなる頃、周辺の林では他にも多くの種類の春植物の花たちが咲き揃う。全て紹介することはできないがその中からこの日に観察できたものをいくつか、画像をピックアップしてみよう。下の画像の向って左から、センリョウ科の『ヒトリシズカ』シズカは静でその可憐な姿が静御前に匹敵するほど美しいからと言う。次がユリ科の『チゴユリ』。クヌギやコナラの根元に群生し、その名のとおり1cmほどの小さな花を下向きに咲かせるので、うっかりすると見過ごしてしまう。このカットも地面に這いつくばって撮影した。最後はリンドウ科の『フデリンドウ』。秋に咲くリンドウとは違いとても小型である。小指の先ほどだろうか。木漏れ日のさすような比較的明るい林にはえるが、日が照らないと花を開かないので曇りの日などは見つけにくい。春たけなわ。里山ではこれからゴールデン・ウィークの頃までは春植物の花が賑やかだ。まだしばらく楽しめそうだ。