長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

319. 『冬の図書館 - bibliotheca hiberna - 』 展 が始まりました。

2018-01-15 18:54:16 | 個展・グループ展
前回のブログでご案内したグループ展、『冬の図書館-bibliotheca hiberna-』展が東京、目白の gallery FUURO(フウロ)で13日(土)から始まった。初日、17:00からオープニング・パーティーがあるということで出品作家の1人として参加してきた。

ギャラリーは山の手線をJR目白で下車し徒歩3-4分の好立地条件にある。そして僕にとっては初めての展示会場である。新宿で買い物を済ませ、午後遅くに会場に到着すると今展の企画作家であるS氏や協力者のN.Sさん、そして来場者の方々もチラホラとお見えになっていた。会場は1階と2階を使用していて「本」の展示には相応しい広さで、落ち着いた雰囲気のオシャレな空間である(画像参照)。

1階から順番に観ていくと今回参加の14名の作家が思い思いの工夫を凝らした書籍作品がタイトルのとおり図書館のようにジャンル別に整然と展示されている。それぞれが好きな作家の著作を選びオリジナルのカヴァーに仕立てた文庫や単行本の作品、紙のレリーフとも言っていいようなオブジェとも見紛う半立体作品、版画による絵本、ポートフォリオ作品等々、目移りがしてしまう。「みんな凝っているなぁ…」出品者である僕が感心して見入ってしまうほどどれも魅力的である。

出品者の多くは僕と同世代の版画家なので、もう中堅からベテランの域。当然技術的には円熟期なので作品のクオリティもかなり高い。若い頃から作品も本人も知っている間柄ではあるが、その人がどんな文学者のどんな著作に魅かれてきたのかは知らなかった。このことに絞って観て行くだけでもとても興味深かった。「なるほどなぁ」とうなずく組み合わせもあれば「へぇーっ」と意外に思うこともあった。その意外さもおもしろい。

17:00からは2階会場でオープニングパーティー。この時間帯になると続々とお客さんたちがみえる。画家、版画家、装幀家、ギャラリスト、コレクターをはじめ、出版関係者、書籍の編集者の方々の顔も見える。あっと言う間に2階の会場は満員御礼状態になってしまった。あとは企画者のS氏の乾杯の音頭に始まり次々にワインが注がれていき、ご歓談タイムとなる。ワインがおいしい。本好き、版画好き、アート好きがたくさん集結したので話題には尽きることがない。楽しい時間はいつでもあっという間に過ぎて行くものである。19:00のギャラリー閉廊時間となってしまった。

二次会は有志20名ほどで目白駅前のワイン・バーに移動。ここでも一次会の延長でおいしいお酒を飲みながら楽しい話がさらにディープに続いていく。ここでS氏からこの企画展の次の巡回展先が今秋、横浜の博物館に決定したと発表があった。さらに京都への巡回も話題に出ていた。「会場芸術ではなく、今は忘れられつつあるが、版画本来の魅力である書物との関わりや手に取って楽しむ魅力を全国展開で提示していきたい」という前向きなお話もあった。「そのためにもっと若い世代の版画家にも声をかけて行こう」という意見も出た。最近、現代版画の世界が元気がないのでこの展覧会が版画のもう一つの可能性を広げて行く羅針盤的なものになってほしいと願っている。遠い我が家への終電の時間が気になる頃となり宴もたけなわ、ほろ酔い気分で一足先に会場を後にした。

展覧会は1/27(土)まで。繰り返しになりますがアート好き、版画好き、本好きな方々、この機会に是非ご来場ください。どうぞよろしくお願いします。詳細は下記ギャラリー・ホームページをご覧になってください。

gallery FUURO(フウロ)WEB www.gallery-fuuro.com

画像はトップが展覧会1階会場を階段の上から撮影したところ。下がそれぞれ作品の展示状況と会場風景。