長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

396. 第5回『版と表現』展 - 木口木版画の世界 - 開催中。

2020-01-20 17:25:19 | 個展・グループ展
前回投稿でお知らせした企画グループ展、第5回『版と表現』展 - 木口木版画の世界 - が、今月16日から横浜市の岩崎ミュージアムで開催中である。先週末の18日の午後、ギャラリートークとオープニング・パーティーがあったので参加作家の1人として出席してきた。

千葉から東京を超えてJR.横浜駅で根岸線に乗り換え根岸線で関内駅で下車、この日は1泊すると決めていたので市内のホテルにチェックインしてから会場へ移動した。午後、3時頃、会場に到着すると13:00から参加作家の栗田政裕氏によるワークショップ「木口木版で作る蔵書票」が終了するところだった。一般の参加者にとても好評だったようで会場には大勢の参加者の熱気が残っていた。

今回、2回目3年ぶりの参加で顔見知りの版画家も多く挨拶をしてからお互いに近況などを伺った。しばらくしてスタッフの人たちがすぐに次のギャラリートークの準備を手際よく始めた。ゲストは版画専門の季刊誌「版画芸術」の編集主幹をしている松山瀧雄氏。お題は「現代日本版画のなかでの木口木版画」と、いうものだ。
壇上に2人が立ち簡単な挨拶、栗田氏の司会でトークが始まるとザワザワとしていた会場も静まり緊張感が走った。話の内容は西洋版画における木口木版画の歴史や代表的な作家、作品から始まり、我が国にこの技法が渡来してからの歴史や作品について。そして1970年代から始まる現代版画の中で登場した木口木版画家の日和崎尊夫氏を中心としたグループの話から現在、活躍する若手版画家までを時系列に沿って大変わかりやすく解説していただいた。その後、引き続き、今回初めての試みという出品版画家1人1人の展示作品を前にしての「自作を語る」というアーティスト・トークが順を追って行われ来場者の方々もとても満足したようすだった。

17時頃から恒例のオープニング・パーティーが始まる。お酒と御馳走がたくさん用意され、中にはミュージアムのスタッフの方々の手作りによる料理も出て大いに盛り上がった。宴もたけなわとなった頃、栗田氏、企画をされた鈴江さん、スタッフの小池氏と展覧会や木口木版画のこと、自作について少し詳しくお話することができた。

小さな小さな木口木版画が広い会場に100点以上展示されると不思議な空間になる。まるで壁面に作られた黒い小さな窓のようであり、そこから16人の個性的なミクロコスモスが広がって見えてきた。なかなか木口木版画という1つの技法でこれだけの作品が集まる機会はないのではないだろうか。

今回が前回に引き続き貴重な展覧会の参加にお声をかけていただいたミュージアムの担当、小池氏とスタッフの方々、そして貴重な展覧会を企画していただいた鈴江さんにこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

展覧会はロング・ラン、2月16日まで開催されている。ご興味を持たれたアート・ファン、版画ファンの方々、是非この機会にご高覧ください。詳細内容は岩崎ミュージアムのホーム・ページ、http://www.iwasaki.ac.jp/museum/ でご確認ください。

※画像は18日のギャラリー・トークとオープニング・パーティーの様子。