今月13日、コロナ禍の中、東京の美術学校・A美術学院で担当している「生物細密画」の実習の指導に行って来た。このブログでも何度か投稿している実習である。折しも7日に政府より東京都に「緊急事態宣言」の再発出があったばかりである。授業は午後からなのだが、何しろ千葉県の田舎から出て行くために午前中より電車に乗り継いで向かった。この非常時、コロナ禍での生活も長くなり「緊急事態宣言」も二度目とあって時間差出勤が徹底されてきたせいか電車はとても空いている。僕自身も東京に出るのは先月の5日以来となる。
途中、新宿で下車し「蜜」にならないスタンドで早めの昼食を済ませ学校に着いたのは12時を少し回っていた。専任教官のK先生に挨拶し「どうもコロナのほうが大変な状況になってきましたねぇ…」と話すと「えぇ、いつ出てもおかしくない状況になりつつあります」との答えが返ってきた。教官室の入り口には新たに「デジタル検温器」が設置されていた。
この授業、今年度、始まったのは11月の4日なのだが、12月が学校の諸事情で実習ができずに年を越すこととなった。教室(アトリエ)も「密」をさけて3つの教室に5-6人が分かれて制作している。「生物細密画」なので生物を細部まで観察して描く実習なのだが、学生たちへのミッションとしては「とにかく目に見えるものは全て描ききる気持ちで制作するべし」ということと「普通の人物デッサンや石膏デッサンとは違うので多少バランス、調子が崩れてもいいので細部を観察し描くべし」ということを強調している。モチーフは片手で持ってジックリ観察し、描いてほしいのでいろいろな種類の貝殻を用意している。そして今年から学校に頼んで「低倍率(2,5倍)のハンド・ルーペ」を1人1本、購入し配ってもらった。このルーペと正確な比率を測って描くための「製図用ディバイダー」が鉛筆や筆以外で重要な道具となっている。
今回、このハンド・ルーペを与えたというのが大正解だったと思っている。肉眼だけでなくルーペでモチーフをとことん観察して描くという行為はとても集中力が必要となり、結果、学生たちは例年よりもかなり集中して描く時間が持てているのだ。実習が始まって1時間も経つと彼らは「描写三昧・びょうしゃざんまい」の境地に入っていく。アトリエはシ~ンと静まり返り、時間と空間が凍り付いているかのようにも感じてくる。うかつに声をかけられないような状態である。たぶん、脳内に良い物質が出ているんだろうなぁ。コロナなど吹き飛ばしてほしい。
実習の合間の休憩時間に屋上に上がってみた。良く晴れている。ここからは新宿副都心が東側の正面に一望できる。高層ビル群のちょうど中央に東京都庁のツインビルが見えた。「今頃は小池都知事を中心に都議会議員の方々や都職員の方々が新型コロナ対策について喧々諤々と意見交換をしている最中なのかも知れない…」と、想像を膨らませた。
この実習も大詰めに入った。来週は講評会となる。さてルーペ片手に集中して観察・描写した結果、どんな細密画の力作が並ぶのか、今から楽しみにしている。
途中、新宿で下車し「蜜」にならないスタンドで早めの昼食を済ませ学校に着いたのは12時を少し回っていた。専任教官のK先生に挨拶し「どうもコロナのほうが大変な状況になってきましたねぇ…」と話すと「えぇ、いつ出てもおかしくない状況になりつつあります」との答えが返ってきた。教官室の入り口には新たに「デジタル検温器」が設置されていた。
この授業、今年度、始まったのは11月の4日なのだが、12月が学校の諸事情で実習ができずに年を越すこととなった。教室(アトリエ)も「密」をさけて3つの教室に5-6人が分かれて制作している。「生物細密画」なので生物を細部まで観察して描く実習なのだが、学生たちへのミッションとしては「とにかく目に見えるものは全て描ききる気持ちで制作するべし」ということと「普通の人物デッサンや石膏デッサンとは違うので多少バランス、調子が崩れてもいいので細部を観察し描くべし」ということを強調している。モチーフは片手で持ってジックリ観察し、描いてほしいのでいろいろな種類の貝殻を用意している。そして今年から学校に頼んで「低倍率(2,5倍)のハンド・ルーペ」を1人1本、購入し配ってもらった。このルーペと正確な比率を測って描くための「製図用ディバイダー」が鉛筆や筆以外で重要な道具となっている。
今回、このハンド・ルーペを与えたというのが大正解だったと思っている。肉眼だけでなくルーペでモチーフをとことん観察して描くという行為はとても集中力が必要となり、結果、学生たちは例年よりもかなり集中して描く時間が持てているのだ。実習が始まって1時間も経つと彼らは「描写三昧・びょうしゃざんまい」の境地に入っていく。アトリエはシ~ンと静まり返り、時間と空間が凍り付いているかのようにも感じてくる。うかつに声をかけられないような状態である。たぶん、脳内に良い物質が出ているんだろうなぁ。コロナなど吹き飛ばしてほしい。
実習の合間の休憩時間に屋上に上がってみた。良く晴れている。ここからは新宿副都心が東側の正面に一望できる。高層ビル群のちょうど中央に東京都庁のツインビルが見えた。「今頃は小池都知事を中心に都議会議員の方々や都職員の方々が新型コロナ対策について喧々諤々と意見交換をしている最中なのかも知れない…」と、想像を膨らませた。
この実習も大詰めに入った。来週は講評会となる。さてルーペ片手に集中して観察・描写した結果、どんな細密画の力作が並ぶのか、今から楽しみにしている。