天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

おせちに飽きたら「宇宙食」を食べよう!スペースカレー編

2009-01-05 | 食べる
お正月と言えばやっぱり、おせち料理。
家族と一緒にコタツでおせちをつつくのは、日本のお正月の醍醐味ですねぇ。
とは言え、何度も同じおせちを食べ続けるとやっぱり飽きる。それに数の子とか伊勢海老とかゴージャスなおかずはあっという間に食べ尽くして、気が付くとゴマメとか蒲鉾とかありきたりなおかずばっかりになってるし…
いやいや、贅沢を言ってはならん、正月早々職を失った非正規雇用の人たちも苦労されてるし、暖かい部屋で御馳走を食べられるだけで何と幸せなことか…

とか何とか言いながら、やっぱりいい加減おせちにも食傷気味なので、趣向を変えてカレーを食べましょう。
それも普通のカレーではない。
年末のブルートレイン車中での一口ようかんに続く宇宙日本食の試食第2弾、今回は国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在用に特別に開発された「SPACE CURRY(スペースカレー)」だ!


シルバーメタリックに輝くこちらの箱が、JAXA認証ハウス食品謹製の宇宙日本食、スペースカレー。


箱を開けてみると、無愛想なレトルトパック。

さてこのスペースカレー、ISSではお湯を使わずに専用の加熱トレーで温めて食べるそうだが(トレーごと温めるって、飛行機の機内食みたいな感じなのかな?)、箱に表示された「地上での作り方」によると通常のレトルトカレー同様に熱湯で3~5分間沸騰させて温めて食べろとのこと。
但し、容器に移しても絶対に電子レンジでは温めるな、とある。具が破裂するらしい。

鍋にお湯を沸かして、温めること5分。
ご飯をよそったお皿に「スペースカレー」をあけると…

おお、普通においしそう!

早速食べてみると…
「う~ん、美味い。いかにも正統派のカレーらしい味がする。」
しかし、実際には「無重量下での味覚の鈍り」を考慮してスパイシーで濃い口の味になっているとか。また、ウコンとカルシウムを多く含むとある。
そのせいか、とてもしっかりした味のおいしいカレーです。
具材もビーフカレーとあるがマッシュルームや舞茸、エリンギがゴロゴロ入っていてキノコ好きにはたまらないかも。
それにしても…「ああ、とうとう宇宙で日本の国民食カレーを食べる時代になったかぁ~!」

おせちに飽きた口には大満足の宇宙日本食「スペースカレー」、価格は1箱で税込み525円也(かなり割高だが…キノコとウコンとカルシウムがたっぷりだからコストがかかるのかな?)。
全国の科学館や東京駅前の「JAXA i 」で入手できます。
ちなみに今回食べたのは、昨年秋の佐賀でのJAXAタウンミーティングの時に、会場の佐賀県宇宙科学館で買ってきたもの。こんなこともあろうかと、大事に保存しておいたのです。

取っておいたのは正解だった、やっぱり「世界天文年」のお正月には宇宙食カレーだね!

ブルートレインで初日の出を見に行こう その2、平成20年12月29日~30日

2009-01-05 | 鉄道
品川から回送されて来た下り寝台特急「はやぶさ」「富士」、機関車EF66に牽引され東京駅に到着

ブルートレインで初日の出を見に行こう その1、平成20年12月28日~29日からの続き

東京駅に朝10時前に到着してから7時間余り、冬の短い日は暮れて、折り返して下り九州行きの「はやぶさ」「富士」の発車時刻が近付いてきた。

17時20分頃、品川の車輌基地で整備を済ませた「はやぶさ」「富士」編成が東京駅に回送されて来る。
列車がプラットホームに据え付けられても、すぐには乗車は出来ない。品川から東京駅まで牽引してきた機関車EF66を切り離して編成の反対側に連結し直す機回し作業が済むまで約20分間、ドアが開くのを暫し待つ。




今夜乗車するのも、昨夜と同じB寝台1人用個室「ソロ」。
しかも、「はやぶさ」と「富士」は東京駅での折り返しの際にそれぞれ使用する編成を取り替える「タスキ掛け運用」が組まれているので、今夜の下り「富士」の車輌は昨夜の「はやぶさ」として東京へ上って来た編成だ。B寝台1人用個室「ソロ」は「はやぶさ」と「富士」にそれぞれ1両ずつしか組み込まれないので即ち、昨夜乗ったのと同じ「ソロ」の車輌に今夜も乗ることになる。


しかし今夜の部屋は昨夜の2階部屋ではなく1階部屋。
壁と窓が屋根に沿って丸くカーブしていて、室内に階段もありロフトのようだった2階部屋とは対照的に、こちらの1階部屋は直線的インテリアで、ベッドの上には2階部屋の出っ張りもあり「階段下の物置」のような雰囲気。
だが天井が高く室内でも立って移動できるし、居住性は悪くない。
2階部屋だと「屋根裏から見下ろすような」車窓になるが、1階部屋だとプラットホームを歩く人を下から見上げるような感じの車窓になる。
東京駅10番のりばで「はやぶさ」「富士」を見送るギャラリーを見上げながら、定刻の18:03に東京駅を出発。
暫らく街灯かりの煌びやかな東京近郊区間を先行する普通列車に追いつかないようにゆっくり流して、熱海の海が見えてくる頃には車窓も暗闇になる。

丹那トンネルを抜けてJR東海管内に入り、車窓には今朝見た見事な富士山が夜の闇の中に聳えているであろうが、旅の始まりの疲れが出たのか睡魔に取り付かれ「おやすみ放送」を聞く前にソロ個室の幅70㎝シングルベッドの床に着いた。

平成20年12月30日
早寝をしたので目が覚めるのも早い。
寝台車では夜更かしをして走り去る夜の景色を眺めるのも楽しいが、早起きして夜明け前の静かな街並みを眺めるのもまた夜行列車の醍醐味である。
どちらも捨てがたい旅情があり、両方味わいたくてつい寝不足となることが夜汽車の旅の秘かな悩みだったりするのだが、今回の旅ではドーンと贅沢にブルートレインに4連泊だ。今日は夜更かし、明日は早起きと、幾通りもの楽しみを順に試すことが出来るのが嬉しい。

さて、下り九州行き「はやぶさ」「富士」で早起きをしたら、夜明けの瀬戸内海を眺める以外にも是非押さえておきたいものがある。
午前7時頃、徳山駅発車と同時に始まる弁当の車内販売である。
そして「はやぶさ」「富士」の朝食弁当と言えば、柳井駅で積み込まれる限定5食の“幻の柳井幕の内”に尽きる。
天燈茶房でも何度か紹介したこの“幻の駅弁”、現在は柳井駅での駅売りがないので「はやぶさ」「富士」車中でのみ入手することの出来る「駅で買えない駅弁」なのだ。

以前から一部好事家の間で珍重されていたが、ネットのクチコミと「はやぶさ」「富士」廃止間近との相乗効果で、現在は徳山駅到着と同時に車内販売ワゴンが1号車デッキに積み込まれ売り子さんが乗車する前から「柳井幕の内」目当ての行列が出来て、そのまま即完売となる大人気ぶりであるという。
僕も行列に加わるべく徳山到着30分程前から1号車に赴いてみると、何と既に先客が数名…「しまった、出遅れたか!」と内心ハラハラしながら列に並ぶも、果たしてどうにかギリギリ限定数量中の1個を手に入れることが出来た。

朝早くから苦労して手に入れた、これが“幻の柳井幕の内”。

封印のシールをよく見ると…

とてもよく出来た、おいしい弁当のようです!


これが中身。
泣けてくる位オーソドックスな、「正しい日本の幕の内弁当」です。
特に目立ったおかずが入っている訳でもない、でもひとつひとつのおかずがしっかり作られた、丁寧なお弁当。
そして、何よりご飯がおいしい!列車の到着時刻に合わせて炊いているんだろうね、ほんのりと炊き立ての温かさが残っているよ。
何度食べても食べ飽きない、我が家の朝ご飯のような、そんなしみじみおいしい「柳井幕の内」。「はやぶさ」「富士」の廃止と同時に消えてしまうであろう、まさに幻になろうとしている“幻の駅弁”、あと何度食べられることか…

朝食を済ませると、8時半に本州最後の駅となる下関に到着。
ここで機関車交換。東京まで1往復世話になったEF66の51号機が切り離される。





下関では車掌さんも交代。
ここまで不眠不休で列車を守ってきたJR西日本の車掌さん2名が下車し、JR九州のスタッフに交替する。

関門トンネルをくぐって、九州上陸。
九州の玄関口の門司駅で、列車は分割され熊本行き「はやぶさ」と大分行き「富士」に分かれる。


さて、いつもは僕の地元熊本へと向かう「はやぶさ」に乗って、「富士」を門司駅に残しお先に出発…するのだが、今日乗っているのは大分行きの「富士」だ。
いつもは慌しく発車する門司駅でも、「はやぶさ」の出発を待ってからの発車なので余裕がある。
散歩がてら隣のプラットホームまで出向き、「はやぶさ」の出発を見送る。



「いつもはあっちに乗ってるんだよな~」とか思いながら「はやぶさ」を見送っていると、「あの~、何か皆さんあの列車の写真を撮ってるみたいですけど、珍しい列車なんですか?」と声をかけられる。
冬休み中なんで特にギャラリーが多いので、事情を知らない人には不可思議な光景に見えるんだろうなと心中で苦笑しつつ
「来年春に廃止されるんですよ。九州最後の寝台特急です」と説明すると
「はぁ~、寝台特急ですか!きっと古い列車なんでしょうねぇ。そうですか、無くなるんですか!私も撮っておこう!」と、その方も携帯で撮影を始めた。

微笑ましい気分で門司駅を発車。次の小倉駅まで「はやぶさ」を追いかけるように走った「富士」は、鹿児島本線から日豊本線に分岐して九州の東海岸を南下していく。


日豊本線に入ってすぐに、JR九州の車輌工場である小倉工場の脇をかすめる。
工場側線に、新幹線と在来線を直通運転する「フリーゲージトレイン」の試験車輌が停車しているのが見える。
僕の実家近くの新八代駅にはこの「フリーゲージトレイン」を在来線の鹿児島本線から九州新幹線の線路に通すための「ゲージチェンジャー」があったのだが、結局一度も実際に走行試験をすることなく設備が撤去されてしまった。このまま実用化されること無く、闇に消えていくのだろうか…勿体ない…

日豊本線は海沿いから内陸に入り、峠を越えていく。
再び海が見えてくると、湯の街別府。終着駅大分は近い。



11:07、寝台特急「富士」は、大分に到着した。
「やれやれ、出発から3日目にして、また九州に戻ってきたな。」

ブルートレインで初日の出を見に行こう その3、平成20年12月30日~31日に続く