写真:臼田64mパラボラアンテナ
長野県の高原に巨大パラボラアンテナを巡礼する夏休みの1日、午前中は国立天文台野辺山を訪ねましたが、午後は野辺山と双璧をなす東洋一の直径64m!の超巨大パラボラさんが鎮座ましますJAXA臼田宇宙空間観測所へと向かいます!
野辺山から臼田までは国道141号線で一直線、簡単に移動できます。ただし所々道幅が狭かったり峠越えをしたり、また観光シーズンにはそれなりに混雑するようなので要注意。のんびり安全運転で行きましょう。。。
JR小海線の高原列車が走るのを見ながら国道141号線を走ること暫し、佐久市に入って道路の右手にロケット?の様な妙なオブジェが見えてきたら、臼田宇宙空間観測所の案内標識があるのでここを左折。
その後も所々に案内看板があります。

この先、パラボラアンテナ。

パラボラアンテナはこちら。

看板に案内されるままに進むと、いつしか人里離れてこんな山道に…
道幅は狭いし、曲がりくねって坂も急なので、運転は要注意!
行けども行けどもパラボラさんの姿は見えず、山はどんどん深く険しくなり、段々不安になってきます…「こんな山奥に、JAXAの宇宙施設なんかホントにあるのか~!?」と誰もが思う筈。

カラマツの生い茂る山道をだいぶ登ってきました。パラボラまであと3キロ、もうすぐです!
そして、行く手に…

「ん?何だありゃ!?」

「おおお~!!」

忽然と、巨大パラボラさんが森の中に姿を現します!
木立の向うに佇むその姿はあたかも信州地方に伝えられる伝説の巨人“ダイダラボッチ”を連想させ、見る人は誰もが度肝を抜かれる異様な存在感です!
山道を登りきってしまったところが臼田宇宙空間観測所の正門です。
原則年中無休で午前10時から午後4時まで、無料で敷地内を見学することが出来ます。
入り口の受付で挨拶して、記帳して見学者バッヂをもらいましょう。
僕の乗ってきたクルマの熊本ナンバーと記帳した住所を見て係員さんが「えええ~!?熊本から走って来られたんですか!?何時間かかったんですかー!?」と仰天してました。ええ、ここまで来るのに走行時間は通算20時間以上かかりましたよ。ついでに熊本からここまで自走して来るのはゴールデンウィークに引き続いてこれで2回目ですよ…(←これはさすがに気恥ずかしくて言えなかった)

熊本県八代市からここまで、一生懸命走ってくれた愛車ビストロ君を駐車場に停めて、64mパラボラさんとツーショットで記念撮影。
パラボラさんがデカすぎてフレームに納まりきれません(笑)
しかし、見学者駐車場の隣に「大型バス用」という枠があったが、あの山道を大型バスが登って来られるんだろうか…
でも、よく考えたらここを造る時にはパラボラさんのデカイ資材をトラックでここまで引き上げたはずなんだよな…よくあんな山道を運んで来れたな…
さあ、敷地内から東洋一64mパラボラアンテナをじっくり見ましょう!
前回来た時は、見学時間が終わっていて門扉の外からしかアンテナを見られませんでしたからね。

でかい、でかい!とにかく大きいです。何しろ野辺山の45m電波望遠鏡よりさらに19mも径が大きいんですからねぇ…
でかすぎて、敷地内ではパラボラのお碗がデジカメのフレームからはみ出します!

敷地の端にある研究棟(非公開)の玄関先まで下がって、ようやく全体が見渡せます。

基部にはめ込まれたメーカーズプレートには「大型アンテナ設備」の文字が。
ハイ、確かに大型すぎるほど大型です!文句ありません!!

ここ臼田宇宙空間観測所は1984(昭和59)年、
当時接近しつつあったハレー彗星を国際協力で探査する「ハレー艦隊」に参戦することになった日本の探査機「さきがけ」と「すいせい」との通信運用を行うために建設されました。
その後も64mパラボラアンテナを駆使して火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」、月周回衛星「かぐや」等、遠い宇宙で活躍する歴代の日本の探査機・衛星たちとの間で通信が行われています。

パラボラさんの周辺は、かわいい花が咲いたお花畑になっています。

花畑の背後は、山また山。
こんな山奥に、よくもまぁこんなに大きなパラボラアンテナをこしらえたものですねぇ。
パラボラアンテナの側らには展示棟があり、パネル解説やJAXAの探査機・ロケットの模型、解説ビデオ上映などの展示が行われています。ここも無料で見ることができます。

展示棟は土足厳禁。履き替えるスリッパにはちゃんと「臼田宇宙空間観測所」の文字が。
ちょっとカッコいいかも。

展示棟の一画、パラボラを望める窓際には、臼田宇宙空間観測所が開設されるきっかけともなった日本最初の人工惑星であるハレー彗星探査試験機「さきがけ」の試作モデルが展示されていました。
さて、そろそろ山を降りようかねと帰りかけると、受付の係員さんから「ああ、お客さん、ちょっと待って!」と声をかけられて、
「もうすぐ、アンテナと衛星の通信運用が終わるんで、パラボラが動きますよ!せっかく熊本から来てくれたんだから、動くところを見てって下さい」とのこと。
おお、ご親切にどうもありがとうございます!
「ちなみに、今どの衛星と通信してるんですか?」
「『はやぶさ』です」
ええ~!!本当!?本当にたった今「はやぶさ」と通信してるの?

小惑星探査機「はやぶさ」 画像提供:JAXA
幾多の困難を乗り越え、人類史上初の小惑星へのタッチダウンに成功。
その後、相次ぐトラブルに一時は行方不明となり生存は絶望的と思われたが、運用担当チームの決死の努力と「はやぶさファン」たちの祈りに応えるかのごとく奇跡の復活を果たし、来年6月の地球帰還を目指し今この時も宇宙を旅する“奇跡の宇宙船”小惑星探査機「はやぶさ」。
かくいう僕も熱く応援しているその「はやぶさ君」と、今まさに臼田64mパラボラは“会話”を行っている最中だったのかー!!!

そう聞いたら、いても立ってもいられない。
早速、64mパラボラの後ろに走って行きました。
「このお椀の向いている、あの先。あそこに、確かに『はやぶさ』がいるんだ!」

あの峰の向う、雲の先、空の先、宇宙の先。
そこにいる小さな探査機が必死に送ってくる、か細い声が今、この巨大なパラボラによって必死に聞き取られているのです。
そう思うと、思わず胸が熱くなる…
「はやぶさ、地球まであと少し、もうすぐ着くよ!無事に帰っておいで!!」
※ちなみに探査機「はやぶさ」の現況は毎週、JAXA宇宙科学研究本部のサイトで報告されています。皆さんも是非、応援してあげてください。
JAXA/今週のはやぶさ君
さあ、時間になりました。
午後2時20分、本日の「はやぶさ君」との通信運用を終えた64mパラボラさんが動きます!
巨大なお碗はゆっくりゆっくり旋回して、真上を向いた状態で固定されました。あのポジションが一番パラボラが安定するのでしょうね、改修工事中の野辺山の45m電波望遠鏡も真上を向いていましたっけ。
さて、山を降りますかね。
受付の係員さん、どうもありがとうございました!
「いえいえ、どうぞお気を付けて熊本まで帰られて下さい」
かくして、長野の高原と山の上に巨大パラボラさんを訪ねる夏休みの1日は無事終了!
ああ楽しかった、良いもん見させてもらいました!
あれだけでっかいものを見ると、ちょっとやそっとの悩みなんか小さすぎてどこかに吹っ飛んでいっちゃって、すっかり気分爽快になるね!
皆さんもこの夏休み、でっかいパラボラさんに会いに行ってみませんか?
長野県の高原に巨大パラボラアンテナを巡礼する夏休みの1日、午前中は国立天文台野辺山を訪ねましたが、午後は野辺山と双璧をなす東洋一の直径64m!の超巨大パラボラさんが鎮座ましますJAXA臼田宇宙空間観測所へと向かいます!
野辺山から臼田までは国道141号線で一直線、簡単に移動できます。ただし所々道幅が狭かったり峠越えをしたり、また観光シーズンにはそれなりに混雑するようなので要注意。のんびり安全運転で行きましょう。。。
JR小海線の高原列車が走るのを見ながら国道141号線を走ること暫し、佐久市に入って道路の右手にロケット?の様な妙なオブジェが見えてきたら、臼田宇宙空間観測所の案内標識があるのでここを左折。
その後も所々に案内看板があります。

この先、パラボラアンテナ。

パラボラアンテナはこちら。

看板に案内されるままに進むと、いつしか人里離れてこんな山道に…
道幅は狭いし、曲がりくねって坂も急なので、運転は要注意!
行けども行けどもパラボラさんの姿は見えず、山はどんどん深く険しくなり、段々不安になってきます…「こんな山奥に、JAXAの宇宙施設なんかホントにあるのか~!?」と誰もが思う筈。

カラマツの生い茂る山道をだいぶ登ってきました。パラボラまであと3キロ、もうすぐです!
そして、行く手に…

「ん?何だありゃ!?」

「おおお~!!」

忽然と、巨大パラボラさんが森の中に姿を現します!
木立の向うに佇むその姿はあたかも信州地方に伝えられる伝説の巨人“ダイダラボッチ”を連想させ、見る人は誰もが度肝を抜かれる異様な存在感です!
山道を登りきってしまったところが臼田宇宙空間観測所の正門です。
原則年中無休で午前10時から午後4時まで、無料で敷地内を見学することが出来ます。
入り口の受付で挨拶して、記帳して見学者バッヂをもらいましょう。
僕の乗ってきたクルマの熊本ナンバーと記帳した住所を見て係員さんが「えええ~!?熊本から走って来られたんですか!?何時間かかったんですかー!?」と仰天してました。ええ、ここまで来るのに走行時間は通算20時間以上かかりましたよ。ついでに熊本からここまで自走して来るのはゴールデンウィークに引き続いてこれで2回目ですよ…(←これはさすがに気恥ずかしくて言えなかった)

熊本県八代市からここまで、一生懸命走ってくれた愛車ビストロ君を駐車場に停めて、64mパラボラさんとツーショットで記念撮影。
パラボラさんがデカすぎてフレームに納まりきれません(笑)
しかし、見学者駐車場の隣に「大型バス用」という枠があったが、あの山道を大型バスが登って来られるんだろうか…
でも、よく考えたらここを造る時にはパラボラさんのデカイ資材をトラックでここまで引き上げたはずなんだよな…よくあんな山道を運んで来れたな…
さあ、敷地内から東洋一64mパラボラアンテナをじっくり見ましょう!
前回来た時は、見学時間が終わっていて門扉の外からしかアンテナを見られませんでしたからね。

でかい、でかい!とにかく大きいです。何しろ野辺山の45m電波望遠鏡よりさらに19mも径が大きいんですからねぇ…
でかすぎて、敷地内ではパラボラのお碗がデジカメのフレームからはみ出します!

敷地の端にある研究棟(非公開)の玄関先まで下がって、ようやく全体が見渡せます。

基部にはめ込まれたメーカーズプレートには「大型アンテナ設備」の文字が。
ハイ、確かに大型すぎるほど大型です!文句ありません!!

ここ臼田宇宙空間観測所は1984(昭和59)年、
当時接近しつつあったハレー彗星を国際協力で探査する「ハレー艦隊」に参戦することになった日本の探査機「さきがけ」と「すいせい」との通信運用を行うために建設されました。
その後も64mパラボラアンテナを駆使して火星探査機「のぞみ」や小惑星探査機「はやぶさ」、月周回衛星「かぐや」等、遠い宇宙で活躍する歴代の日本の探査機・衛星たちとの間で通信が行われています。

パラボラさんの周辺は、かわいい花が咲いたお花畑になっています。


花畑の背後は、山また山。
こんな山奥に、よくもまぁこんなに大きなパラボラアンテナをこしらえたものですねぇ。
パラボラアンテナの側らには展示棟があり、パネル解説やJAXAの探査機・ロケットの模型、解説ビデオ上映などの展示が行われています。ここも無料で見ることができます。

展示棟は土足厳禁。履き替えるスリッパにはちゃんと「臼田宇宙空間観測所」の文字が。
ちょっとカッコいいかも。

展示棟の一画、パラボラを望める窓際には、臼田宇宙空間観測所が開設されるきっかけともなった日本最初の人工惑星であるハレー彗星探査試験機「さきがけ」の試作モデルが展示されていました。
さて、そろそろ山を降りようかねと帰りかけると、受付の係員さんから「ああ、お客さん、ちょっと待って!」と声をかけられて、
「もうすぐ、アンテナと衛星の通信運用が終わるんで、パラボラが動きますよ!せっかく熊本から来てくれたんだから、動くところを見てって下さい」とのこと。
おお、ご親切にどうもありがとうございます!
「ちなみに、今どの衛星と通信してるんですか?」
「『はやぶさ』です」
ええ~!!本当!?本当にたった今「はやぶさ」と通信してるの?

小惑星探査機「はやぶさ」 画像提供:JAXA
幾多の困難を乗り越え、人類史上初の小惑星へのタッチダウンに成功。
その後、相次ぐトラブルに一時は行方不明となり生存は絶望的と思われたが、運用担当チームの決死の努力と「はやぶさファン」たちの祈りに応えるかのごとく奇跡の復活を果たし、来年6月の地球帰還を目指し今この時も宇宙を旅する“奇跡の宇宙船”小惑星探査機「はやぶさ」。
かくいう僕も熱く応援しているその「はやぶさ君」と、今まさに臼田64mパラボラは“会話”を行っている最中だったのかー!!!

そう聞いたら、いても立ってもいられない。
早速、64mパラボラの後ろに走って行きました。
「このお椀の向いている、あの先。あそこに、確かに『はやぶさ』がいるんだ!」

あの峰の向う、雲の先、空の先、宇宙の先。
そこにいる小さな探査機が必死に送ってくる、か細い声が今、この巨大なパラボラによって必死に聞き取られているのです。
そう思うと、思わず胸が熱くなる…
「はやぶさ、地球まであと少し、もうすぐ着くよ!無事に帰っておいで!!」
※ちなみに探査機「はやぶさ」の現況は毎週、JAXA宇宙科学研究本部のサイトで報告されています。皆さんも是非、応援してあげてください。

さあ、時間になりました。
午後2時20分、本日の「はやぶさ君」との通信運用を終えた64mパラボラさんが動きます!
巨大なお碗はゆっくりゆっくり旋回して、真上を向いた状態で固定されました。あのポジションが一番パラボラが安定するのでしょうね、改修工事中の野辺山の45m電波望遠鏡も真上を向いていましたっけ。
さて、山を降りますかね。
受付の係員さん、どうもありがとうございました!
「いえいえ、どうぞお気を付けて熊本まで帰られて下さい」
かくして、長野の高原と山の上に巨大パラボラさんを訪ねる夏休みの1日は無事終了!
ああ楽しかった、良いもん見させてもらいました!
あれだけでっかいものを見ると、ちょっとやそっとの悩みなんか小さすぎてどこかに吹っ飛んでいっちゃって、すっかり気分爽快になるね!
皆さんもこの夏休み、でっかいパラボラさんに会いに行ってみませんか?