写真:ヒジャーズ駅の2階正面バルコニーからダマスカス市内を見る
←ダマスカス・カイロ2009夏旅行 11、列車のいないヒジャーズ駅からの続きです
ガイドブック等によると、ダマスカスのヒジャーズ駅はいずれ再開発され、列車の乗り入れも再開される予定だそうです。
実際、コンコースの奥の、以前はプラットホームへの入り口(ヒジャーズ鉄道はドイツ方式で建設されたので、改札口は無かった筈です)があったであろう場所には、こんな完成予想模型が置かれていました。
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日本のバブル期の都市再開発計画もびっくりの、豪華絢爛たる巨大アーケードを備えた駅に生まれ変わるつもりのようです。
しかし…
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実際には現在、ヒジャーズ駅のコンコースの奥には巨大な「穴」があるだけです。
鉄道を地下化しようとしたのでしょうか、それとも巨大アーケードの基礎部を埋め込む為でしょうか、プラットホームと線路をすべて引っ剥がした後を掘り抜いたような状態になって大穴があいています。
そして、奇妙なことにその穴は完全に放置されているようです。測量技師も建設作業員も居らず重機も何も無く、何らかの工事が行われている形跡は全くありません。静まりかえっています。
「これは…穴だけ掘って、途中で放り出したってこと?」
何らかの事情で、2009年8月現在ヒジャーズ駅再開発工事は完全に中断しているようです。
今後、ヒジャーズ駅に再び列車が来ることはあるのでしょうか?
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ヒジャーズ駅の駅舎を出て、大穴のその先まで歩いて行ってみると…見つけました!
ヒジャーズ鉄道の痕跡です。
駐車場として使われている空き地の一画に、地面に埋もれかかったレールが残っていました。
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埋もれたレールの向かっている方向には、更地が緩いカーブを描いて続いています。
典型的な「廃線跡」です。
まだ他に線路の遺物が残っていないかと歩いていこうとしたところで、白い制服を着た警察官に声を掛けられました。
「No Photo!」
警察官は割とフレンドリーな感じで表情もにこやかですが、すぐにデジカメをしまって笑顔で「sorry」と告げて立ち去ります。
シリア国内には現在も秘密警察が存在し、治安維持活動を行っていると言われています。奇妙な外国人が鉄道施設の跡地(鉄道は通常、軍事施設の一部と見なされる)を嬉々として歩き回り、写真撮影を行っていては、スパイ嫌疑をかけられて秘密警察関係者にマークされても不思議ではありません。
面倒なことが起こらないうちに、笑って済ませて退散します。
廃線跡を辿って、現在も列車が発着している郊外の駅まで歩いていこうかと思っていましたが、断念。
街まで戻ります。
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ダマスカスの街角からはカシオン山がよく見えます。
旧約聖書創世記にカインとアベルの「人類初の殺人事件」が起きた現場として書かれたこの山、現在は中腹までは宅地化され、山頂付近はシリア軍の軍事基地となっています。
→ダマスカス・カイロ2009夏旅行 13、ダマスカス旧市街 スーク・ハミディーエの小さな太陽に続きます
←ダマスカス・カイロ2009夏旅行 11、列車のいないヒジャーズ駅からの続きです
ガイドブック等によると、ダマスカスのヒジャーズ駅はいずれ再開発され、列車の乗り入れも再開される予定だそうです。
実際、コンコースの奥の、以前はプラットホームへの入り口(ヒジャーズ鉄道はドイツ方式で建設されたので、改札口は無かった筈です)があったであろう場所には、こんな完成予想模型が置かれていました。
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日本のバブル期の都市再開発計画もびっくりの、豪華絢爛たる巨大アーケードを備えた駅に生まれ変わるつもりのようです。
しかし…
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実際には現在、ヒジャーズ駅のコンコースの奥には巨大な「穴」があるだけです。
鉄道を地下化しようとしたのでしょうか、それとも巨大アーケードの基礎部を埋め込む為でしょうか、プラットホームと線路をすべて引っ剥がした後を掘り抜いたような状態になって大穴があいています。
そして、奇妙なことにその穴は完全に放置されているようです。測量技師も建設作業員も居らず重機も何も無く、何らかの工事が行われている形跡は全くありません。静まりかえっています。
「これは…穴だけ掘って、途中で放り出したってこと?」
何らかの事情で、2009年8月現在ヒジャーズ駅再開発工事は完全に中断しているようです。
今後、ヒジャーズ駅に再び列車が来ることはあるのでしょうか?
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ヒジャーズ駅の駅舎を出て、大穴のその先まで歩いて行ってみると…見つけました!
ヒジャーズ鉄道の痕跡です。
駐車場として使われている空き地の一画に、地面に埋もれかかったレールが残っていました。
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埋もれたレールの向かっている方向には、更地が緩いカーブを描いて続いています。
典型的な「廃線跡」です。
まだ他に線路の遺物が残っていないかと歩いていこうとしたところで、白い制服を着た警察官に声を掛けられました。
「No Photo!」
警察官は割とフレンドリーな感じで表情もにこやかですが、すぐにデジカメをしまって笑顔で「sorry」と告げて立ち去ります。
シリア国内には現在も秘密警察が存在し、治安維持活動を行っていると言われています。奇妙な外国人が鉄道施設の跡地(鉄道は通常、軍事施設の一部と見なされる)を嬉々として歩き回り、写真撮影を行っていては、スパイ嫌疑をかけられて秘密警察関係者にマークされても不思議ではありません。
面倒なことが起こらないうちに、笑って済ませて退散します。
廃線跡を辿って、現在も列車が発着している郊外の駅まで歩いていこうかと思っていましたが、断念。
街まで戻ります。
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ダマスカスの街角からはカシオン山がよく見えます。
旧約聖書創世記にカインとアベルの「人類初の殺人事件」が起きた現場として書かれたこの山、現在は中腹までは宅地化され、山頂付近はシリア軍の軍事基地となっています。
→ダマスカス・カイロ2009夏旅行 13、ダマスカス旧市街 スーク・ハミディーエの小さな太陽に続きます