天燈茶房 TENDANCAFE

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飛行神社で「はやぶさ」帰還祈願、そして「はやぶさ2」を想う

2009-09-16 | 宇宙
さて、9月13日に京都市青少年科学センターで開催された
「はやぶさ地球帰還プレイベント 宇宙科学技術連合講演会: 宇宙を楽しむ市民シンポジウム
“小惑星探査機「はやぶさ」の物語” 」
に参加して楽しいひと時を過ごしたのですが、

その晩は京都府下の妹夫婦kamimog宅に宿泊して、翌日熊本に帰る前にmogmogと一緒にちょっとお出かけ。

京阪電車に乗って…あっ、元3000系の8000系30番台の特急だ!
乗りたいぞ!

でも特急だと、目的地の最寄り駅は通過しちゃうんだよね。

後続の普通電車に乗って、八幡市駅で下車。
有名な石清水八幡宮には向かわず、駅前の住宅地をしばらく歩いて…


やって来たのはここ!
「飛行神社」
ライト兄弟の初飛行以前に有人飛行機の原理をほぼ完成させていたことで知られる二宮忠八さんによって創建された、
空の神と空に散った人達を祀る、空の護り神の神社です。




鳥居は飛行機と同じジュラルミン製、銀色に輝き青空に映えます。
袂には大阪湾から引き揚げれられたという旧日本軍機のエンジンが据えられています。

境内には資料館もあります。
二宮忠八さんの生涯に関する展示のほか、「空を飛ぶもの」に関する資料が詰まった、なかなか見応えのある内容です。
mogmogはずらり並んだモデルプレーンが気に入った様子で、旦那のkamiちゃんに写メールを送ったりしています。

勿論、空のさらに向こうの宇宙へと飛ぶものの展示もあります。
各種の衛星の模型。放送衛星のようです。


JAXAのH-IIAロケットのパネルと模型も展示されています。
飛行神社には、種子島からのH-IIA打ち上げの度にJAXAや三菱重工など各メーカーの関係者の方々が、打ち上げの成功祈願にお参りに来られるそうです。
つい先日のH-IIB打ち上げの前にもきっとお参りされたんでしょうね。

さて今日は、僕はある「宇宙(そら)を往くもの」の無事な帰りを祈りに来たのです。

二宮忠八さんが製作された「鴉(からす)型飛行器」の描かれた絵馬を買って、
願い事を書きます…




最後に、
本殿に二礼二拍手一礼してお参りします。

実はここには、宇宙研の「はやぶさ運用チーム」のスタッフの方も既にお参りに来られているんだそうです。

二宮忠八さんは「飛行器研究」の資金援助を軍部に断られ、何とか自分の力で資金を得ようと四苦八苦しているうちにライト兄弟が世界初の有人飛行を達成してしまいます。
ライトフライヤーの飛行成功を知った忠八さんは、泣きながら完成寸前だった世界初の有人飛行機となる筈だった「玉虫型飛行器」の模型を叩き壊してしまい、それからは二度と飛行機の研究には戻らなかった。
この逸話を思い出す度に、僕は「はやぶさ」の跡を継ぐ「はやぶさ2」が「玉虫型飛行器」と同じ悲劇の運命を辿るのではないか…という一抹の危機感を感じずにはいられないのです。

もう、時間がありません。
「はやぶさ2」が目指すC型小惑星「1999JU3」への打ち上げウインドウが開くのは2014年。
今すぐにでも「はやぶさ2」を作り始めないと、「はやぶさ」が切り開いた日本の宇宙科学の小惑星への軌道(みち)は永遠に閉ざされてしまうかも知れない。


天燈茶房 TENDANCAFEは「はやぶさ」の成果を引き継ぐ「はやぶさ2」を応援します

有人飛行の夢を断った二宮忠八さんは、その後は飛行神社の神主として、自らが切り開こうとした航空の起こす事故の犠牲となった人々を慰霊する生涯を送られました。
また忠八さんの飛行器開発の資金援助要請を却下した軍中将は、その後自らの判断の過ちを認め大いに反省し直接謝罪されています。
高潔な先達、日本男児たちの生き様を見て、僕たちは今どうするべきか、どう空とその先の宇宙を目指していけばいいのか。
そんなことを考えながら、飛行神社を後にしました。