宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

赤外線天文衛星“あかり”がとらえた大マゼラン雲

2013年01月21日 | 宇宙 space
地球から約16万光年離れたところにある大マゼラン雲。

  南半球の空にかかる天の川の下、真ん中よりやや右寄りにぼんやりと見えるのが大マゼラン雲、
  左下にはかすかに小マゼラン雲が見える

この銀河は天の川銀河の伴銀河で、南半球の夜空では小マゼラン雲と並んでいるのが肉眼でわかり、その名のとおり雲のように見えるんですねー

地球からは、この銀河をほぼ真上から見下ろすことができるんですねー
なので、1つの銀河の中で星の誕生や進化が、どのようにして起こるのか?
また、それらの活動がどう関連し、物質が循環しているかを調べるには、
かっこうの天体で盛んに研究が行われています。

JAXA宇宙科学研究所と東京大学などの研究では、
赤外線天文衛星“あかり”が2006年~2007年に行った観測から、
この大マゼラン雲の赤外線天文カタログとスペクトルカタログが作成・公開されました。

カタログには、5つの赤外線波長でとらえられた、66万個以上の天体の位置や明るさが記載されているんですねー
そのうち1757個については、赤外線のスペクトルについてもまとめられています。





大マゼラン雲の
星形成領域“N48”で
取得したスペクトル
波長ごとの強さから
その位置に存在する
分子がわかる



世界で初めてとらえた波長でのデータも含まれていて、
生まれたての星や、進化した星… そして惑星系形成など様々な研究に役立つと期待されています。

赤外線天文衛星“あかり”は、2006年2月に打ち上げられ、2011年11月に運用を終了しています。
でも、そのデータベースを元にした分析研究は、引き続き行われているんですねー

“あかり”による大マゼラン雲の近・中間赤外線サーベイについては、これまでにも成果が発表されてきましたが、今回の発表はその集大成となるようです。