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モバライダー mobarider

祝10周年! 火星探査車“オポチュニティ”

2014年02月02日 | 火星の探査
夜半過ぎの東の空で、1等星スピカとともの美しい色の対比を見せている赤い火星。
今その地表では、NASAの火星探査車“オポチュニティ”が10年もの間活動を続け、
さらに、新しい成果を生み出し続けていいます。

NASAは火星表面を移動しながら探査する無人探査車として、2003年6月と7月に、“スピリット”と“オポチュニティ”という双子の火星探査車を打ち上げています。

先に打ち上げられた“スピリット”は、2004年1月3日に火星への軟着陸に成功、その3週間後の25日に“オポチュニティ”も火星軟着陸に成功しています。


両探査車は、もともと90日間の活動予定だったんですが、
気がつけば“スピリット”は約6年間で運用を終了し、“オポチュニティ”は10年を過ぎても未だに活動しているんですねー

“オポチュニティ”の歩み。これまでに38.7キロの距離を走行している。

“スピリット”は身動きがとれず電力不足になり、通信が出来なくなる2010年3月まで活動していました。
一方、赤道付近に着陸した“オポチュニティ”は、未だに活動を続け、地表の撮影や土壌、岩石の組成分析などを行っているんですねー







“オポチュニティ”が岩石表面を研磨した幅4センチほどの箇所(画像中央)にスメクタイトが見つかった。





今回も、過去の火星生命環境についての、新たな手掛かりを発見したことが発表されています。

これは、直径22キロのエンデバークレーターの西側の縁で、NASAの探査機“マーズ・リコナサンス・オービター”が、上空からスメクタイトという粘土鉱物を検知したというものです。
“オポチュニティ”はスメクタイトを現地で発見したうえ、周囲の地層や鉱物環境などとあわせて詳しい調査を行っています。

今回発見されたスメクタイトが生成された湿潤環境は、エンデバークレーターが形成された40億年前よりも前のものになります。
この発見の成果として、この場所が、はるか古代には微生物に優しい環境であったという証拠になるんですねー(もし微生物が存在したとすればですが…)

スメクタイトは、探査車“キュリオシティ”も異なる場所で発見しているので、局所的な存在ではないことを示す新たな材料にもなります。
“オポチュニティ”は今後も新たな発見を続け、得られた火星の知見は2030年代の有人探査計画推進にもつながると期待されているんですねー




2014年1月始めに撮影した“オポチュニティ”の機体。
(自分撮る画像をモザイク合成している)