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モバライダー mobarider

銀河中心ブラックホールのそばで、これまでにないフレア現象

2014年02月20日 | 宇宙 space
国立天文台のVERAとアメリカのVLBAの共同観測から、
天の川銀河の中心ブラックホールのそばにある電波源“いて座A”で、
これまでにない変わったフレア現象が発見されました。

これまでの観測結果によると、
巨大ブラックホール近辺の高温プラズマ流全体で何か変化が生じると、
このようなフレアが起るようです。

フレアが起きるメカニズムは、まだ詳しく解明されていません。

でも、これらプラズマ流全体で起きている現象は、
謎に包まれていた“いて座A”の正体を探る上で、重要な手がかりなる可能性があるようです。


フレアが見つかった場所

宇宙に存在する銀河の多くには、その中心に太陽の数100万倍から数10億倍という重さを持った、巨大ブラックホールが存在すると考えられています。

地球が属する天の川銀河の中心にも、
太陽の400万倍の重さを持った巨大ブラックホールがあるようです。

この巨大ブラックホールの近くには、
電波で明るい“いて座A”という天体があることが知られています。

“いて座A”の正体は?

“いて座A”は、「数億から数10億度という非常に高温のプラズマからの光」
だと考えられているのですが、はっきりとした正体は分かっていませんでした。


ただ、この天体を理解することは、
天の川銀河のような一般的な銀河にある巨大ブラックホールで、
何が起きているのかを理解する上で重要なことになるんですねー

国立天文台が保有するVERAを始めとしたVLBIという観測装置は、
非常に高い視力を活かし、ブラックホールの大きさに肉薄するスケールで、
“いて座A”を見ることができます。

なので研究チームでは、
VERAやVLBAを使って2005年から2008年にかけて“いて座A”の観測を行います。

その結果、2007年の5月に“いて座A”が電波フレアを起こしているいることが分かります。
“いて座A”で観測された電波フレア

“いて座A”では、
電波の明るさが数時間から1日の時間スケールで、
変わることが知られています。

でも今回のフレアは、持続時間が最低でも10日以上と非常に長く、
これまでに観測されたことのない種類のフレアだったんですねー

また、この観測結果からは、
フレアが発生した前後で、“いて座A”の構造や大きさに大きな変化が無いことも分かります。

なのでフレアの原因が、
「プラズマ流内の一部の領域にあるのではなく、プラズマ流全体で何か変化が生じた」
っと考えることができます。

このようなプラズマ流全体で起きている現象は、
“いて座A”の正体を探る上で重要な手がかりとなります。

今後、このようなフレアが起きるメカニズムや、
その背景にある“いて座A”のブラックホール周辺のプラズマ流の構造に迫っていくためには、
どうすればいいのでしょか?

これには、電波帯の様々な波長帯でVLBI観測を行い、
“いて座A”のブラックホールの近くのプラズマが電波帯で、
どのような「色(スペクトル)」をしているのか、
観測波長ごとに、どのような形をしているのかを調べていく必要があります。

3月から本格的な科学運用が始まる、
日韓VLBIや、国際サブミリ波VLBIを使った観測が始まるので、
研究が進むといいですね。


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