「これまで想定されてきたようなブラックホールは存在しない。」
宇宙で最大級の謎を秘める天体ブラックホールに関して、著名な理論物理学者スティーブン・ホーキング博士が新説を発表しました。
いま学会では賛否両論、さまざまな議論が飛び交っているようです。
また、ホーキング博士は、一部の研究者が唱える「ブラックホールにはファイアウォールが存在する」という説に対しても反論していて、宇宙に関する論争がさらに活発になってきているんですねー
超大質量ブラックホール（イメージ図）
極めて密度の高い天体で、各銀河の中心に存在すると考えられている。
従来の想定では、ブラックホールは強大な重力を持っていて、その名が示す通り、光でさえ脱出できないと考えられてきました。
そして、無限に抜け出せない境界“事象の地平線”が存在し、そこから先の情報は知ることはできません。
この概念モデルでは、“事象の地平線”を越えた物質が持つ情報は、すべて破壊されることになります。
でも、宇宙の振る舞いを素粒子レベルで最も整合的に説明する量子物理学では、情報は決して破壊することはできないとされています。
なので、ブラックホールは、根本的な部分で矛盾をかかえている天体なんですねー
今回の新説は、このパラドックスを解消するもので、
「ブラックホールには“事象の地平線”など存在せず、情報が消滅することもない」と論じています。
そして“事象の地平線”の否定は、「光でさえ脱出できない支配圏を持つ天体」っといった意味での、ブラックホールの再定義につながるんですねー
ホーキング博士は新たな境界として“みかけの地平線”を提案し、
一時的に閉じ込められた物質やエネルギーは、最終的に放射として 再び出現できるとしています。
その放射は、ブラックホールに落ちていった物質の情報を、形はまったく異なるがすべて保持しているそうです。
外に出てくる情報は、ある種のスクランブル処理が施されていて、元通り再構築する現実的な方法は存在しません。
また、“見かけの地平線”でスクランブル処理が発生するのは、地球上の気象と似たようなカオス的な性質を持っているためだそうです。
2～3日以上先の天気がまったく予測できないのと同じで、漏れ出た情報からはブラックホールに何が落ちたのかを再現できないんですねー
ホーキング博士の説が正しいとすると、近年一部の研究者が主張している「“事象の地平線”にあるファイアウォール」も存在する必要がなくなります。
ファイアウォール説が登場したのは、ブラックホールをめぐる別の矛盾を解消するためでした。
量子力学からブラックホールをとらえた場合、情報が破壊されないだけでなく、あらゆる粒子がペアを形成していなければなりません。
でも、ブラックホールから外へ出る粒子は、落ちていく粒子だけでなく、以前に出ていった粒子とも絡み合いを持とうとするんですねー
同時に2つのペアに属することはできないので、ペアの1つは解消されなくてはならず、
この時、大量のエネルギーが放射され、強烈な放射によって灼熱の壁が産み出されるというものです。
このファイアウォール説は、量子力学的なもつれに関する矛盾には対処できるのですが、アインシュタインの“等価原理”とは矛盾を引き起こすことになります。
“等価原理”によれば、ブラックホールの“事象の地平線”を通過しても特に大きな出来事は発生せず、仮に宇宙飛行士が“事象の地平線”を通過しても気が付かないと考えられています。
ところが、灼熱のファイアウォールに出くわした宇宙飛行士は、一瞬で燃えて灰になってしまいます。
なので、アインシュタインの“等価原理”に反するファイアウォールは、以前から「存在しない」とホーキング博士などが主張しているんですねー
今回の新説発表以降、世界中でさまざまな研究者が反応を示しているのですが、
ブラックホールをめぐるすべての疑問に答える、飛躍的な新理論というわけではないようです。
まだ、解決からは程遠い謎があるので、今後のホーキング氏の動向が注目されているんですねー
宇宙で最大級の謎を秘める天体ブラックホールに関して、著名な理論物理学者スティーブン・ホーキング博士が新説を発表しました。
いま学会では賛否両論、さまざまな議論が飛び交っているようです。
また、ホーキング博士は、一部の研究者が唱える「ブラックホールにはファイアウォールが存在する」という説に対しても反論していて、宇宙に関する論争がさらに活発になってきているんですねー
超大質量ブラックホール（イメージ図）
極めて密度の高い天体で、各銀河の中心に存在すると考えられている。
従来の想定では、ブラックホールは強大な重力を持っていて、その名が示す通り、光でさえ脱出できないと考えられてきました。
そして、無限に抜け出せない境界“事象の地平線”が存在し、そこから先の情報は知ることはできません。
この概念モデルでは、“事象の地平線”を越えた物質が持つ情報は、すべて破壊されることになります。
でも、宇宙の振る舞いを素粒子レベルで最も整合的に説明する量子物理学では、情報は決して破壊することはできないとされています。
なので、ブラックホールは、根本的な部分で矛盾をかかえている天体なんですねー
今回の新説は、このパラドックスを解消するもので、
「ブラックホールには“事象の地平線”など存在せず、情報が消滅することもない」と論じています。
そして“事象の地平線”の否定は、「光でさえ脱出できない支配圏を持つ天体」っといった意味での、ブラックホールの再定義につながるんですねー
ホーキング博士は新たな境界として“みかけの地平線”を提案し、
一時的に閉じ込められた物質やエネルギーは、最終的に放射として 再び出現できるとしています。
その放射は、ブラックホールに落ちていった物質の情報を、形はまったく異なるがすべて保持しているそうです。
外に出てくる情報は、ある種のスクランブル処理が施されていて、元通り再構築する現実的な方法は存在しません。
また、“見かけの地平線”でスクランブル処理が発生するのは、地球上の気象と似たようなカオス的な性質を持っているためだそうです。
2～3日以上先の天気がまったく予測できないのと同じで、漏れ出た情報からはブラックホールに何が落ちたのかを再現できないんですねー
ホーキング博士の説が正しいとすると、近年一部の研究者が主張している「“事象の地平線”にあるファイアウォール」も存在する必要がなくなります。
ファイアウォール説が登場したのは、ブラックホールをめぐる別の矛盾を解消するためでした。
量子力学からブラックホールをとらえた場合、情報が破壊されないだけでなく、あらゆる粒子がペアを形成していなければなりません。
でも、ブラックホールから外へ出る粒子は、落ちていく粒子だけでなく、以前に出ていった粒子とも絡み合いを持とうとするんですねー
同時に2つのペアに属することはできないので、ペアの1つは解消されなくてはならず、
この時、大量のエネルギーが放射され、強烈な放射によって灼熱の壁が産み出されるというものです。
このファイアウォール説は、量子力学的なもつれに関する矛盾には対処できるのですが、アインシュタインの“等価原理”とは矛盾を引き起こすことになります。
“等価原理”によれば、ブラックホールの“事象の地平線”を通過しても特に大きな出来事は発生せず、仮に宇宙飛行士が“事象の地平線”を通過しても気が付かないと考えられています。
ところが、灼熱のファイアウォールに出くわした宇宙飛行士は、一瞬で燃えて灰になってしまいます。
なので、アインシュタインの“等価原理”に反するファイアウォールは、以前から「存在しない」とホーキング博士などが主張しているんですねー
今回の新説発表以降、世界中でさまざまな研究者が反応を示しているのですが、
ブラックホールをめぐるすべての疑問に答える、飛躍的な新理論というわけではないようです。
まだ、解決からは程遠い謎があるので、今後のホーキング氏の動向が注目されているんですねー