宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

火星探査機“メイブン、”予定通りに打ち上げへ

2013年10月26日 | 火星の探査
心配されていた火星探査機“メイブン”の打ち上げ準備作業が、
スケジュール通りに進んでいるようです。
アメリカ政府機関の一部閉鎖で、
一時中断されていた“メイブン”の打ち上げ準備作業が、再開されたのが今月初めでした。

NASAによると準備作業が中断されたのは、わずか数日間。
“メイブン”の打ち上げ準備作業は、
ケネディ宇宙センターで順調に進められていて、10月22日にはスピン試験が予定されているようです。
打ち上げは予定通り11月18日に行われ、
火星に到着した後は、気候と居住性の問題や、火星大気の上層部と電離圏のダイナミックな活動の調査ミッションに入ります。

過去の火星は厚い大気に覆われていたと考えられているのですが、
その大気がなぜ無くなってしまったのか?
“メイブン”はその手掛かりを見つけてくれるかもしれないんですねー

NASA職員のほぼ全員が職場から姿を消すことになった、アメリカ政府機関の一部閉鎖ですが、
自宅待機から外れたのは、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士2人(当然ですねー)と、
テキサス州ヒューストンのミッションコントロールセンターで、フライトコントロールを担うスタッフのみだそうですよ。

やっと公開! 地球フライバイで撮影した画像

2013年10月25日 | 木星の探査
10月21日にNASAが公開した、人工衛星で撮影したような地球の画像。

実はNASAの木星探査機“ジュノー”が、
10月10日の地球フライバイ時に撮影したものなんですねー

搭載しているジュノーカメラが撮影した画像には、南米のペルーなどが写っています。

画像の公開が10月21日まで遅れたのは、
この時、アメリカ政府機関の一部閉鎖が続いていて、
NASAからのプレスリリースが出なかったため。

それと“ジュノー”が、フライバイ後にセーフモードに陥ってしまい、データの回収と解析に時間がかかったためでした。

“ジュノー”はこのまま飛行を続け、2016年7月4日に木星に到着する予定です。


木星探査への期待

到着後には、搭載している9つの観測センサーで、
木星を周回しながら固体核の有無や、大気深層部における水やアンモニアの有無の調査、
そして磁場の分布図作成などを行うことになっています。

木星の深部を探ることで、
太陽系形成に必要だった条件やメイカニズムに迫ることができます。

また、数多く発見されている系外惑星を理解する上で、
「カギとなる情報が引き出される」と期待されているんですねー

さらに、これまで木星以遠の探査で用いられていた原子力電池の代わりに、
大型の太陽電池を搭載するなど、“ジュノー”では斬新な工学的挑戦も試みられているようですよ。

今後はNASAからのプレスリリースで、もっと情報が公開されることを期待しましょー


こちらの記事もどうぞ ⇒ 地球フライバイで加速、木星探査へ!

11月下旬からは肉眼で見えるかも? “アイソン彗星”

2013年10月24日 | 流星群/彗星を見よう
アメリカ政府機関の再開を受けて、NASAは10月17日、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された“アイソン彗星”の最新画像を公開しました。
この画像は10月9日、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3によって撮影されたもので、
2種類のフィルターの画像を組み合わせて作られもの。

彗星は太陽に近づくにつれ、太陽の熱と重力によって、核の氷や岩石が分解され、より明るさを増して尾も発達します。
でも、NASAによると“アイソン彗星”の核は小さく、まだ分解していないそうです。

“アイソン彗星”は今世紀最も明るい彗星として期待されていて、今年11月29日に太陽に最接近し、その時さらに明るく成長しそうです。

特に11下旬からは、肉眼でも尾を確認できるかもしれないので、明け方の空に輝く彗星を楽しむのもいいですね。

“アイソン彗星”は昨年9月に発見された彗星で、
名前は、発見者が所属している国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network : ISON=アイソン)から取ったそうですよ。

数週間以内に地球に落下… 最も低い高度を回る衛星

2013年10月23日 | 地球の観測
ヨーロッパ宇宙機関は18日、地球の重力場を観測する人工衛星“ゴーチェ”が、「近日中」に燃料切れで落下する可能性があると発表しました。






ヨーロッパ宇宙機関の
人工衛星“ゴーチェ”
(イメージ図)




“ゴーチェ”は2009年3月に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関の人工衛星で、地球観測計画によって打ち上げられた科学衛星シリーズのひとつ。
地球の地殻と海洋の密度の違いを見分けられる、高性能の重力傾斜計を備えています。

矢のような形と羽根は、まだわずかな大気が残っている260キロという高度を飛ぶ際に、衛星を安定させるのに役立っていて、宇宙のフェラーリと呼ばれています。

さらに、イオンエンジンの噴射によって、機体を振動させずに大気抵抗による減速を防ぎ、軌道高度を維持することができます。

“ゴーチェ”は、より精度の高い重力マップを作成するために、2012年8月から高度を255キロから235キロに下げて運用を行っていて、世界で最も低い高度を周回する衛星になっていたんですねー

数週間以内に、イオンエンジンで使用しているキセノン燃料が切れ、40~50個の破片となって総計250キロが地球に落下すると予測されています。

また、“ゴーチェ”の燃料タンク圧は10月26日までにゼロになるのですが、エンジンはそれ以前に停止する可能性があり、現時点では、こうしたことがどの位置で発生するか予測できないんだとか…

ただ、地球大気圏に再突入するポイントに近づけば、正確に予測できるようになるようです。

まぁー 人工衛星が大気圏に突入し、それにぶつかる確立は、雷に打たれる確立よりも6万5000倍も低く、階段から落ちるなど、家の中で起きる事故で死亡する確立よりも150万倍低いので大丈夫だと思いますが…

未来の太陽系? 水が豊富な小惑星のかけらを発見

2013年10月22日 | 宇宙 space
150光年彼方の白色矮星の周囲に、
大量の水を含む小惑星が、かつて存在した痕跡が見つかりました。

ひょっとすると、
こうした天体によって水がもたらされた、生命に適した惑星があったのかもしません。





白色矮星の重力で
壊れていく小惑星
(イメージ図)



ベルセウス座の方向150光年彼方に、年老いた恒星が外層ガスを放出して残った燃えかすである
白色矮星“GD 61”があります。
この白色矮星の観測から、大量の水を含む小惑星の破片とみられるものが見つかったんですねー

この破片は、白色矮星に近づいて強い重力でバラバラにされた小天体のようで、
成分を調べてみると、岩石の主成分であるマグネシウムやケイ素、鉄が見つかっています。

また、酸素の量が多く、かつ炭素がほとんどないので、
彗星ではなく、水が豊富な小惑星だったことが分かりました。

水をたたえた岩石天体のはっきりとした痕跡が、太陽系外で見つかったのは初めてで、
元の小惑星は幅90キロ以上あり、水分が地下の氷という形で全体の26%を占めていたと推定されています。 太陽系でいえば準惑星ケレスに似ているんですねー

かつて、「こうした小天体が地球に水を運んできた」という証拠は見つかっていて、
この“GD 61”でも同じような水の運搬が起こっていた可能性はあります。

なので、この“GD 61”は未来の太陽系の姿を示しているといえるんですねー

60億年後に、はるか彼方から太陽系を観測する研究者が、
太陽の燃えかすとして残った白色矮星の周囲に、同じような岩石天体の破片を見つけて、
「昔ここに岩石惑星が存在した可能性がある」っと研究発表するかもしれません。

ただ、小惑星が白色矮星に近づくルートに入るには、
その軌道を押す巨大惑星の存在が必要になります。

“GD 61”の分析結果からすると、こうした巨大惑星はおそらく今も存在していることになります。
つまり、この惑星系には、かつては太陽系のように岩石惑星や巨大ガス惑星が、ひと通り揃っていたのかもしれないんですねー